記事検索
最新ニュースIndex

KDDI上期決算、スマホ出荷計画は500万台に上方修正


 KDDIは、2011年度上期(2011年4〜9月)連結決算を発表した。24日に行われた報道関係者向け説明会の席上で、2011年度のスマートフォンの販売目標を500万台以上に上方修正した。

前年からのスマホ攻勢に続きiPhoneで上方修正

KDDIの田中社長
iPhoneの効果を紹介

 従来は400万台以上の出荷目標としていたが、Android端末、Windows Phoneの貢献により、上期だけで191万台を出荷。さらに、10月14日に発売したiPhone 4Sの発売により、下期にもスマートフォンの販売に弾みがついたと判断したことが上方修正の要因と言える。

 説明を行ったKDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、「iPhone発売前までに、ここまでの勢いに戻せたのは大きかった。これには、前年度下期に4機種のスマートフォンを投入したことに続き、2011年度上期に9機種を投入したが、WiMAX対応端末や、デザイン性に優れた『INFOBAR A01』などの貢献が大きい。Windows Phoneはそれなりの貢献となっている。一方で、iPhone 4Sは、予想以上の手応えを感じている。(iPhoneの契約のうち)新規契約が3割弱となっていることもiPhone(ならではの)効果によるものだろう。FaceTimeなどが使用できない点は(販売数に)ほとんど影響していないが、ご不便をおかけしている点については解決することを考えていきたい。iPhoneの販売店数は、当初は約1200店舗で開始したが、これが約2600店舗に拡大することでさらに販売を加速できる」などと語った。

 上期のスマートフォンの出荷台数の191万台のうち、第1四半期は66万台で、全体に占める割合は20%。第2四半期は、125万台と倍増近い出荷台数となり、構成比は37%にまで拡大したという。

 KDDIでは、iPhone 4Sの具体的な販売目標については明らかにしていないが、従来の400万台の出荷計画発表時点では、iPhone 4Sの発売が公表されていなかったことから、その差となる約100万台の多くがiPhone 4Sの販売計画だと逆算することもできる。

 田中氏は「計画は固めに見ているが、iPhoneがどう上に振れるか、現時点では読み切れない。だが、500万台を確実に超えることになる」としている。

上期の業績

 KDDIの2011年度上期の営業収益は前年同期比0.4%増の1兆7433億円、営業利益は7.6%増の2667億円、経常利益は7.8%増の2524億円、当期純利益は2.3%増の1401億円の増収増益となった。
移動体通信事業の業績
連結決算

 田中氏は、「移動通信事業では通常端末の競争力を示すMNP(携帯電話番号ポータビリティ)が、年度内という期初想定を6カ月前倒しして純増に転換した。また、夏モデルの発売を機にスマートフォン販売が一気に加速し、auモメンタム(勢い)が急速に回復している。2011年度は、基盤事業の立て直し、新たな時代に向けての準備に取り組んでいるが、上期はスマートフォンシフトの本格化、新800MHz帯対応端末への移行が前倒しで進捗したこと、固定通信事業の営業利益が拡大したほか、次世代に向けても準備が着実に進行し、KDDIの次なる成長に向けて、順調なスタートを切った」と自己評価した。

 移動通信事業の営業収益は前年同期比2.1%増の1兆3322億円、営業利益は6.7%減の2311億円、経常利益は6.7%減の2273億円、当期純利益は9.3%減の1277億円と増収減益。「減益要因としてはARPUの影響があるが、営業利益見通しに対する年間進捗率では53.7%となっている」と、計画通りであることを強調した。
移動体事業の業績をグラフで示したところ 上期のポイント

オペレーションデータ

 総合ARPUは前年同期比510円減の4590円。そのうち音声ARPUは660円減の2130円、データARPUは150円増の2460円。音声ARPUでは、660円減のうち、120円減がシンプルコースへの移行に伴うもの、毎月割りによる170円減となり、そのうちスマートフォン関連が120円減。データARPUでは150円増のうち、120円増がスマートフォンによるものだという。

 田中社長は、社長就任以来、移動体通信事業においては、解約率、MNP、純増シェア、データARPUを、「4つのKPI」と位置づけ、これらの指標を重視しているが、上期の4つのKPIの進捗状況についても触れた。
純増数 純増シェア ARPU データARPU

 解約率は0.67%となり、前年同期比0.06ポイント改善。さらに、MNPでは上期には8万3000件の流出があったものの、9月単月では9万人の純増へと転換。「iPhone発売前に純増に転じた。10月に入ってもポートイン(転入)が急拡大し、ポートアウト(転出)が激減している。スマートフォンの効果が大きい」と語った。

 4社による純増シェアでは、auとUQ WiMAXをあわせて27.1%となり、前年上期の17.8%から9.3ポイントも増加。「年内には3社純増シェアで30%以上を獲得したい」と意気込んだ。

 また、データARPUでは、第2四半期実績で前年同期比150円増となり、「auも、データARPUを享受できるところまできた」などとした。
解約率 MNP MNP 新800MHz帯への再編

 auの9月末時点での契約数は3365万9000件と、66万件増加。UQ WiMAXの契約数は123万件と43万1000件増加した。

 UQ WiMAXを含めた純増数は109万件となり、総契約数は3439万6000件となった。

 なお、新800MHz帯への移行に関しては、9月末時点で残り211万台となった。「上期の移行数は218万台であり、そのうち91%がauに留まってくれている。年間で340万台の移行を予定しているが、現時点では64%の進捗状況。年間で700億円の追加費用を想定したが、400億円強を使っている。今後は個別訪問を開始するなど、少し手厚いサポートをする必要もあり、費用がかさむ可能性もある」などとした。
最新ラインナップ スマートフォンシフトの状況 コンテンツ配信事業で韓国CDNetworksに出資
下期での取り組み

 2011年度下期の重点課題としては、移動通信事業において、「auモメンタム(勢い)の完全回復」を掲げ、MNPの下期における転入超過、純増シェアの拡大、データARPUの向上の3点に取り組む。その原動力を「スマートフォンシフトの強化」とし、商品力強化、販売力強化、データオフロード強化に取り組むとした。

 商品力強化では、WiMAXでの高速優位性を訴求し、+WiMAX製品を6機種ラインアップ。そのうち4機種でテザリング機能を搭載したこと、データオフロード推進を加速することなどをあげた。

 そのほか、商品力強化では、9月28日から受付を開始したプランZシンプルやLISMO Unlimitedに触れ、「プランZシンプルは、新規契約の最大化に向けた施策となる。すでに誰でも割などのサービスを開始しており、収益への影響は軽微。一方で、LISMO Unlimitedは着うたフル未経験者が46.3%を占め、新たな音楽ユーザーを獲得している。今後は音楽のほか、ビデオなどの新たなサービスへと広げていく」などと語った。

 販売力の強化では、auショップにおいては、店舗リニューアルや販売スタッフの増員、スマートフォンスキルの強化などによるコンサルショップへと進化させるほか、量販店や携帯専門店向けの支援体制を強化する姿勢を明らかにした。
プランZシンプル LISMOなどサービスの紹介 販売力の強化 サポートの強化

 データオフロードの強化については、WiMAXにおいて東名阪では99%のカバー率、全国政令指定都市では95%のカバー率になったことを示したほか、au Wi-Fiスポットが3万スポットを突破。今年度末には10万スポットに拡大する計画をあげた。「ライブドアから公衆無線LAN事業を譲受し、都心部で充実したアクセスポイントを確保できる。またauひかりの無線LAN契約が約10万となり、FTTHの世帯カバー率も、現在の約40%から、2012年春には約70%をカバーできる」と述べた。
データオフロードについて UQの状況 FTTHの状況 J:COMの状況

固定通信事業

固定事業の業績

 一方、2011年度上期の固定通信事業の営業収益は前年同期比2.0%増の4473億円、営業利益は前年同期の37億円の赤字から321億円の黒字に転換。経常利益は107億円の赤字から241億円の黒字に、当期純利益43億円の赤字から127億円の黒字にそれぞれ転換した。

 6月末時点での固定系アクセス回線は674万7000件。そのうち、FTTHは207万件となり、200万契約を突破。「FTTHでの115億円の増収効果もあり、増収増益の確立に向けて、順調な進捗となっている。ネットワークコストの削減も着実に進展しており、上期には81億円の削減ができ、コスト削減に向けた進捗率は58%となっている。auひかりホームは上期に25都道府県で利用できるようになり、拡大エリアの獲得目標達成率は167%。下期は販売体制の強化、さらなるエリア拡大により、2012年春には戸建て向け提供エリアの世帯カバー率で約70%を目指す」とした。

 なお、タイの洪水の影響については、現地の法人顧客において、地域通信網の問題から16社22回線で影響を受けているのに加え、携帯電話のローミングにおいて一部地域でサービスが停止していることを明らかにしたほか、「携帯電話端末メーカーのサプライチェーンの一部に影響が出ると予想している」と語った。
グラフで見たところ 固定事業の営業利益




(大河原 克行)

2011/10/24 19:18