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グーグル、Android 4.0の特徴をGALAXY Nexusで解説


GALAXY Nexusを手にするGoogleのジョン・ラーゲリン氏

 グーグルは、10月19日に詳細を発表したAndroid 4.0(コードネーム:Ice Cream Sandwich/ICS)について、日本国内向けの説明会を開催した。Google Android グローバルパートナーシップ ディレクターのジョン・ラーゲリン氏が解説とデモを行い、日本のユーザー向けに搭載されている仕様などにも触れられた。

 ラーゲリン氏は“シンプルに、美しく、よりスマートに”というAndroid 4.0のコンセプトに触れ、「さわり心地がいい、優れたものに仕上がってきた」とAndroid 4.0の全体的な仕上がりに自信を見せる。同氏からAndroid 4.0の概要が簡単に説明され、その後「GALAXY Nexus」を使ったデモで動作の様子が披露された。

 冒頭ではAndroidの現在の状況が説明された。1日あたり、世界で55万台以上が新規の登録されているというAndroid端末は、タブレット端末などを含めて約400種類のデバイスがすでに市場に登場している。123カ国で展開され、100ドル前後など低価格な端末が登場しているのもほかのソフトウェアプラットフォームにはない特徴となっている。

 ラーゲリン氏は「オープンソースの戦略が、想像していなかった世界を実現している」とソフトウェア面での戦略を語り、Androidの新規登録件数は10月現在で累計1億9000万件以上に上っていることを示した。また、Androidマーケットへのアプリ登録数は30万件以上で、「開発者向けによい環境をそろえているかが重要。日本の開発者の参加や、海外市場への投資も緊密にフォローしている」と支援体制も整えていく方針を示した。

Android端末は、世界で1日あたり55万台以上が新規登録されている 累計1億9000万台、アプリは30万件以上に

リードデバイス「GALAXY Nexus」

「GALAXY Nexus」

 Android 4.0を初めて搭載する端末は、日本のNTTドコモからも発売される、サムスン電子製の「GALAXY Nexus」。ラーゲリン氏は、Androidのお手本やリファレンスデザインという意味で、同端末を“リードデバイス”と紹介し、これには過去にGoogleが発売した「Nexus One」や「Nexus S」も相当するとした。「GALAXY Nexus」の外観デザインはGoogleのデザイナーを含めて開発を行ったとのことで、前モデルにあたる「Nexus S」に近いシルエットを継承しながら、厚さの面では上端側を薄くすることやディスプレイ面の特徴的なカーブにこだわるなどしたという。

 4.65インチというディスプレイを搭載する関係上、スマートフォンの中でも大きなボディになっているが、ラーゲリン氏は「大きい(ブラウン管の)テレビから薄型テレビになった時代を思い出した。最初は(画面が)大きすぎるとか言われたが、使い始めるとなかなか元には戻れない。先入観無しでぜひ体感してもらいたい」と、その大きなディスプレイの魅力を語った。


Android 4.0では日本語表示にモトヤフォントを採用

日本語表示にモトヤフォントを採用

 ソフトウェア面で、Android 4.0がそのまま搭載される「GALAXY Nexus」には、サムスンの独自のUIや仕様が搭載されない見込み。あくまでAndroid 4.0の機能をすべて利用できる端末という位置付けになっている。ラーゲリン氏は、「細かいところを磨いてきている。全部のチームが一緒になり、できあがりはこれまでとは違う自信作」とアピールした。

 さらに「ひとつだけ強調したい。それはフォント。Android 4.0では新しいフォントを搭載しているが、モトヤのフォントを日本向けに用意した」と語り、Android 4.0の標準状態で、日本語フォントにモトヤのフォントが用意されることが明示された。なお、これまでもAndroidでは、メーカーのカスタマイズが無い状態でも日本語の表示に対応していたが、一部の漢字は簡体字など中国語用の漢字が流用されていた。


バックグラウンド通信を制御可能、なめらかに動作、タッチ操作を拡張

 「GALAXY Nexus」(SC-04D)を用いたデモンストレーションは、前述のように、すべてAndroid 4.0に標準で搭載される機能を紹介するものとなった。

 まず、左側面のボリューム、右側面の電源ボタン以外に、本体にはボタンが無いことを示し、Android 3.0で表示されていたように、バック、ホーム、アプリ履歴の3つのキーが「ソフトキー」として画面の中に表示されていることが示された。将来的に、ハードウェアキーが存在する本体にAndroid 4.0を搭載した場合については、このソフトキーは表示されないという。

 アプリ一覧画面(アプリトレイ)は、前モデルにあたる「Nexus S」では上下のスクロールだったが、左右のフリックによるページ切り替えに変わり、奥から画面が表れるようなアニメーションがすばやく表示される。

 「電源ボタン」と「ボリュームキーの下」を同時押し(長押し)することでスクリーンショットを撮影できる機能が、OS標準機能として搭載される。この機能はカメラのファインダー画面でも利用できた。

 上端のバーを引き下ろすと表示できる「通知」の項目は、消去する際、すべてを一括して消去するだけでなく、個別に消去が可能。その際は項目を左右どちらかにフリックすることで項目が横に滑るようにアニメーションし消去される。この動作はブラウザのタブ一覧を消去する時も同様だった。

ウィジェットのサイズ変更などAndroid 3.xの機能も統合されている アプリトレイはAndroid 3.xのように左右の遷移に変更されている
ホーム画面のGoogleフォルダをタップして中身を表示したところ 「通知」は個別に消去が可能。フリック操作で左右に弾くと消去できる

 インカメラを利用した顔認証によるアンロック機能も搭載される。この機能を有効にし、あらかじめ顔を登録しておくと、電源ボタンでスリープから復帰させるとすぐにインカメラが起動し、画面に(ユーザー自身の)顔が映し出されると瞬時にロックを解除できていた。ピンコードを入力するといった動作よりは手軽に利用できる印象だった。また、デモではメガネの有無にかかわらず認証できる点も紹介された。一方、ラーゲリン氏によれば「(ロック解除における)顔認証はエンターテイメント性が強い。セキュリティを重視するなら、ピンコードをおすすめする」とのこと。顔認証については、写真などでロック解除ができないよう、認証方法を強化する開発も行われているという。

 カメラ機能はまた、タッチした場所にフォーカスできる機能のほか、シャッターボタンにタッチすると瞬時にシャッターを切るゼロシャッターラグ機能を搭載。編集機能も充実し、トリミングや補正、各種のエフェクトといった機能が盛り込まれている。

 Gmailアプリについては、ジェスチャーサポートとして、フリックで左右の画面移動を行えるといった、UIの拡張が行われる。

 電池の持続時間については、「GALAXY Nexus」には1750mAhという大容量のバッテリーが搭載される一方、「データをどう使っているかも重要な指標。バックグラウンドでどういうデータを通信しているか、把握できる機能を追加した」とし、使用上限の設定や、ウィジェットのバックグラウンドの通信を任意に止めるといった操作が行えるとした。

インカメラを利用したロック解除中の様子。一瞬で認識されていた Gmailは左右の画面遷移が可能に
「設定」にある「データ使用」画面では、確認ほか、バックグラウンドのデータ通信も制御できる カメラ機能も充実し、タッチフォーカスや編集機能も

 電話機能では、着信時に出られない場合の機能として、着信中の画面の操作から、相手にSMSで定型文を送信できる機能が用意されている。日本の携帯電話で応答保留などとして搭載されている機能に近く、「今話せません。かけ直します」といったSMSを電話をかけてきた相手にすぐに送信できる。メッセージ内容は予め作っておくこともできる。

 また、ドコモから発売される「GALAXY Nexus」では「エリアメール」として搭載されるが、緊急地震速報をサポート。Android 4.0で標準機能として対応するもので、今後はすべてのAndroid 4.0端末で緊急地震速報に対応できることになるという。

 最後に、NFCを利用した機能「Android Beam」のデモが実施された。これは、NFCをサポートし、Android 4.0を搭載した端末同士で利用できる機能。端末を重ね合わせるようにすると、NFCによる近接無線通信を利用してデータを送受信できるというもので、アプリ利用中に使うとアプリのURLを送信するといったように、コンテンツを紹介する、広めるといった用途でも利用できるようになっている。

着信中の画面、操作を行うと、電話に出られない旨を定型文(SMS)送信できる 電話をかけた側。SMSが届いたところ
「Android Beam」のデモの様子。およそ3cm以内ということで、重ね合わせるようなイメージで使う ゲームアプリのURLがNFC経由で左の端末に送信された

「ユーザーにとって最強の端末を作ることに集中している」

ラーゲリン氏

 質疑応答の時間では、技術的な点にも質問が及んだ。既存の端末がAndroid 4.0にアップデートできるかどうかについては、目安として前モデルにあたる「Nexus S」相当のスペックであれば、Android 4.0を利用できるという。しかし、描画にGPUを利用することから、GPUの性能が低いと、快適に動作しない可能性があるともされた。ブートローダーについては「アンロックできない、ということにはしていない」とし、これまでと同様であるとした。

 「GALAXY Nexus」ではNFCをサポートするのみだが、おサイフケータイへの対応については、「キャリアやメーカーがどううまく入れるかによるが、キャリアで標準化しているものに頼る部分もある」とした。一方で、「日本に合わせて作っていても、世界とつながっている。世界のイノベーションに置いていかれるわけではない」とした。

 Appleとサムスンがスマートフォンなどに関連し法廷闘争を繰り広げている点については、「(相手に)合わせようと思っても、怒りたい相手は怒る」と、不可避の側面があるとしつつ、Appleとサムスンの係争はOSというよりデザインパテントの領域ではないかという認識を示した。また、「マイクロソフトとAppleは、Androidを止めたい。Android端末は安いので、マージン(儲け)を高くしたい企業は面白くない。Androidはオープンソースの形でみなさんに提供しており、ユーザーにとって最強の端末を作ることに集中している」と、スタンスの違いを説明した。


展示された端末

「GALAXY Nexus」ホーム画面のフォルダを開いたところ。画面下部の3つボタンも、ソフトウェアで表示されている。PenTileは密度が向上している関係で、全体的にNexus Sのような粒状感、エッジのギザギザ感は感じられなかった 背面はクロームシルバーといったイメージ。端末は軽いと感じた
右側面には電源ボタン。「Nexus S」同様に、ディスプレイ面は下部が持ち上がるような、ゆるいカーブを描いている 左側面にはシーソー式のボリュームキー
端末上部は薄くなっており、やや複雑な面で構成されている microUSBと3.5mmイヤホンジャックを備える端末下部
アプリトレイ画面。左右遷移で、上部にはウィジェットを表示するタブも確認できる。 電話発信画面。OS全体を通して、蛍光気味のブルーグリーンが目を引くデザインになっている
カメラのファインダー画面、タッチフォーカス、編集など機能も拡充された  
ブラウザ。サブメニューのボタンは右上 「設定」には「データ使用」の項目が
「データ使用」では上限の設定やバックグラウンド通信の制御が可能  
 

 




(太田 亮三)

2011/10/25 18:11