デジタルガレージ、「ツイナビ」でアプリプラットフォーム提供


 デジタルガレージは、フィーチャーフォン(従来型の携帯電話)向けアプリを構築できる開発者向けソーシャルアプリプラットフォーム「ツイナビアプリ」を開発し、提供を開始した。

 同社では、米Twitterと業務提携して、日本国内におけるTwitterのビジネスを推進している。その一方で、エンドユーザー向けには、Twitterの使い方やトレンドを紹介する公式サイト「ツイナビ」を運営し、Twitterのユーザー層拡大や、楽しみ方の拡充を図っている。

 今回発表された「ツイナビアプリ」は、そのツイナビで提供される開発者向けプラットフォームだ。ソーシャルネットワークサービスでは、主にゲームコンテンツを中心に、いわゆるソーシャルアプリが多く提供されているが、「ツイナビアプリ」はTwitterユーザーを対象にしたアプリプラットフォームという位置付け。ただし、Twitter社が提供するのではなく、あくまでデジタルガレージが提供するものとなる。

 開発者は、同プラットフォームが開示するAPI(Application Programming Interface)を利用して、フィーチャーフォン(従来型の携帯電話)向けアプリを提供できる。このAPIについて、詳細は明らかにされていないが、Twitterが公開するAPIの一部のほか、「ツイナビ」の独自APIも含まれる。「ツイナビ」では、個人ユーザーの会員登録が必要とのことで、そこで登録される情報は、アプリ側で利用できる見込み。

 デジタルガレージでは、「ITリテラシーの高いユーザーはFacebookに注目していると思うが、Twitterはおそらく日本で最も利用されているソーシャルサービス。特に東日本大震災以降、利用が拡大しているが、そうしたユーザーの多くはライトユーザー」(同社執行役員の西田憲司氏)としており、今回のサービスは、裾野が拡大したTwitterで新たな機能を追加する取り組みとする。

 ソーシャルアプリについては、ゲームを中心にGREE、mobageなどが多く利用されているが、「ツイナビアプリ」ではゲームにこだわらず、友人との会食の日程を調整するサービスなどコミュニケーションを促進するアプリ、語学や資格などに役立つアプリなども想定されている。収益モデルとしては、広告のほか、アプリ内科金が想定されており、デジタルガレージの決済プラットフォームを用いて、キャリア決済やクレジットカード決済などをサポートする。

年内に20アプリ

 開始時点では、「お願い!ツイート秘密基地」(テレビ朝日)、「togetter」(トゥギャッター)、「Q&Aなう」(Q&Aなう)、「まほもの for ツイナビ」「えんぶれっ for ツイナビ」(ハイレゾ)、「秘密診断-みんなので恋愛の秘密を診断!」(HEROZ)、「秘密Q&A-みんなで恋愛の秘密」(HEROZ)、「キーワードハイ&ロー」(NDPマーケティング)といったアプリが用意される。

 いずれもフィーチャーフォン向けのアプリで、たとえばHEROZ提供のサービスはどちらも恋愛を題材にしたもの。「秘密診断」は、ユーザーが恋愛にまつわる質問を作成し、友人や知人の回答を促すというものだが、質問者は匿名のままにすることができ、面と向かっては聞けない質問もできる。同じくHEROZの「秘密Q&A」も匿名で利用できるQ&Aサービスで、周囲の人には聞きづらい恋愛にまつわる相談・質問を投稿できる。どちらも「ツイナビアプリ」だけに提供され、他のソーシャルアプリプラットフォームでは提供されていない。

 また「Q&Aなう」はTwitterアカウント、あるいはツイナビアカウントと連携して利用できるQ&Aサービス。「Q&Aなう」自体は、Twitterのほか、「モバツイ」「ついっぷる」など他のプラットフォームでも利用できるサービスだが、「ツイナビアプリ」経由で投稿される質問は、他のサービスとは連携せず、「ツイナビアプリ」ユーザーだけが目にする形になるという。

 デジタルガレージでは、こうしたアプリを2011年内に20、今年度末までに50~60用意する考え。「ツイナビ」自体は現在月間250~300万のユニークユーザーに利用されているとのことだが、「ツイナビアプリ」の会員数としては初年度200万人の獲得を目指す。ライトユーザーをカバーするサービスのため、フィーチャーフォン向けサービスとして開始されるが、半年後を目処にスマートフォン向けサービスを展開する方針で3年後には1000万会員を目標とする。

(関口 聖)

2011/10/26 13:02