10月の携帯・PHS契約数、auが2年2カ月ぶりにMNP首位

　電気通信事業者協会（TCA）は、2011年10月末時点の携帯電話・PHS契約数を発表した。

■純増トップはソフトバンク、MNPはau

　10月の純増数は、ソフトバンクは24万7600件、au（KDDI）が19万6900件、UQコミュニケーションズが9万5600件、NTTドコモが8万9600件、イー・モバイル（イー・アクセス）が5万5000件、ウィルコムが5万1200件となった。なお、ソフトバンクのダブルナンバーは900件の純減、ドコモの2in1も7300件の純減となっている。

　10月、電話番号を変更せずに携帯電話会社を乗り換えるMNP制度に変化が見られた。MNP利用件数は、auが6万8700件、ソフトバンクが6600件、イー・モバイルが100件のプラス（転入超過）となる一方、ドコモは7万5400件のマイナス（転出超過）となった。

■MNP各社のコメント

　9月のTCAの集計結果において、auは18カ月ぶりに転入超過となったが、今回、実に26カ月ぶりにMNPの成績でトップに立った。KDDI広報部では、好調な要因を新商品の中でもスマートフォンの売れ行きが好調に推移しているためと話している。同社は10月14日よりiPhoneを投入しているが、好調な要因はiPhoneだけではないとの見方を示している。

　同じく14日よりiPhoneを投入したソフトバンクは純増数は24万件超でトップ、MNPは6600件の転入超過となった。毎月数万単位でMNPからの転入があったソフトバンクだが、今回は1万件に満たない転入超過に留まっている。広報部では「今月はこれまでとは状況が違う」と話し、警戒心をのぞかせた。契約者に占めるiPhone利用率の高いソフトバンクだが、「しばらくは同じような状況が続くと思うが、我々の想定よりも影響は少ない」と述べており、影響は想定内との立場をとっている。

　約7万5000件の転出超となったドコモでは、その要因について、「iPhoneの影響もあるが、買い控えの影響が大きい」と話す。同社は10月18日に新商品発表会を開催しており、新端末は11月以降順次投入される予定で、「Xiトーク24」といった目玉の料金プランも控えている。この影響が10月の転出超過に繋がったとしている。

■通信方式、接続サービスなど

　通信方式別に見ると、W-CDMA方式では、ソフトバンクが24万7600件、ドコモが7万9700件、イー・モバイルが5万5000件、CDMA2000 1x方式のauは20万2300件のそれぞれ純増なった。「Xi」の名称でドコモが展開するLTEサービスは9万3600件の純増。

　通信機能付きデジタルフォトフレームなどが含まれる通信モジュール別では、ソフトバンクが6万1400件、auが4万2900件、ドコモが2万5400件の純増を記録した。プリペイド契約は各社とも純減で、イー・モバイルが1200件、ドコモが1600件、ソフトバンクが1700件、auが5100件のマイナス。

　インターネット接続サービス別では、Yahoo!ケータイなどが15万6800件、EZweb/ISNETが10万5800件、iモード/spモードが6万6900件、EMnetが1500件の純増となった。

　このほかソフトバンクグループとなって復調したウィルコムは、8月からの5万件台の純増ペースを維持。累計契約数も420万3000件となっている。モバイルWiMAXのUQも好調に推移しており、累計は133万3000件となった。