アンラボ、ライセンス更新不要のAndroid向けセキュリティアプリ


アンラボは、Android向けのセキュリティアプリ「AhnLab V3 Mobile 2.0」を12月1日に発売する。価格は3980円。毎年の更新は不要で、端末ごとの課金となる。Android 2.0~2.3および3.0~3.2をサポートする。

 Androidを標的とした悪質なアプリやマルウェアを検出・削除する機能や、紛失したり盗難された端末を遠隔操作でロックする機能などを備える。端末の紛失や盗難に備えて、重要なファイルを暗号化することも可能。

 また、ネットワーク管理機能では、危険なアクセスポイントにアクセスしないように設定できる。当初はユーザーが任意で設定するのみだが、来春には通信キャリアからアクセスポイントの情報を提供してもらい、ホワイトリストに追加していくという。

 企業向けには、Android端末を管理するソフト「Mobile Center」を2012年夏にSaaS形式で提供する予定。同ソフトでは、管理コンソールから遠隔操作で端末をロック・データ消去したり、グループポリシーを設定することなどが可能。

 さらに、通信の発生するアプリに組み込める「V3 Mobile+ for Transaction」をアプリ開発者向けに販売する。これを導入したアプリを起動するとV3 Mobile+も立ち上がり、端末内のアプリの怪しい振る舞いやマルウェアを検知する。価格は月額2万830円~。

 アンラボによれば、V3 Mobile+は韓国の銀行や証券会社、カード会社が提供する58のアプリに導入されているという。日本でも銀行を中心に、重要な情報のやりとりが発生するアプリへの提供を提案していく。

 このほか、Androidアプリのマーケットを対象に、配布するアプリにマルウェアが混入されていないかをチェックしたり、個人情報や位置情報へのアクセス、課金発生の有無といった基準でアプリの危険性を評価するシステム「Mobile Smart Defense」も販売する。

 Androidを標的としたマルウェアに関するアンラボの調査によれば、7月には107種、9月には147種を検出したが、10月には723種と急増。この状況について同社副社長の張大勲氏は「ハッカーがAndroidの知識を習得し終わり、本格的な攻撃フェイズに突入した」と説明する。

 感染経路としては、アプリマーケットからダウンロードしたアプリにマルウェアを混入する「リパック」の手法が用いられていると指摘。こうしたことからアンラボは、マルウェアの拡散源となっているアプリとアプリマーケットを中心としたモバイルセキュリティを提案。2012年12月までに4製品で10億円の売り上げを見込んでいる。

アンラボが検出したマルウェアの種類の推移マルウェア感染経路の大半は「リパック」によるものだという

(増田 覚)

2011/11/16 19:44