「災害用音声お届けサービス」共通運用のガイドライン策定


 NTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー、ソフトバンクモバイル、ウィルコム、イー・アクセスは、災害時にパケット通信経由で音声ファイルを送信できるサービス「災害用音声お届けサービス」の共通運用に関するガイドラインを策定した。

 「災害用音声お届けサービス」は、大規模災害が発生した際、パケット通信経由で音声ファイルを送信できるサービス。東日本大震災では、広い範囲で音声通話が規制され、繋がりにくくなる一方、パケット通信は早い段階から規制が緩められたり、最初から規制が行われなかったりするなど、音声通話よりも繋がりやすい状況だった。こうした点を踏まえ、総務省では今年8月、「大規模災害等緊急事態における通信確保の在り方」に関する中間とりまとめを公表し、携帯・PHS各社が“音声ファイルをデータ通信経由で送信できるサービス”において連携することを提言していた。

 今回のガイドライン策定では、サービス名称を「災害用音声お届けサービス」に統一するとともに、相互接続するための仕様が定められた。TCAでは「通常、各社のサービスの相互接続については、長期間、検討が行われるが、今回はスピーディに策定された」と説明。操作感などのユーザーインターフェイスの共通化は未定だが、使い勝手をある程度まとめることも視野に入れており、サービス名称統一は、その第一歩と言える。

 各社による「災害用音声お届けサービス」の提供時期、あるいは提供するかどうかはそれぞれ異なる。東日本大震災後の今年4月には、NTTドコモが同様のサービスを2011年度内に開始する方針を明らかにした。またKDDIと沖縄セルラー(au)も2012年春に導入すると発表している。ソフトバンクモバイルでは、サービスは導入する方向で現在検討中とのことで、導入時期などは未定。ウィルコムは、サービス導入そのものを検討中としつつ、もし導入する際には今回のガイドラインに則る、としている。イー・モバイルでも各社と協力してサービスを提供できるよう進める方針という。




(関口 聖)

2011/11/28 16:45