DeNA、プロ野球への新規参入が決定


DeNA 取締役会長の春田真氏(左)、代表取締役社長の守安功氏(右)

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は、プロ野球球団の獲得とプロ野球への参入に関する記者会見を開催した。

 同社は、TBSが横浜ベイスターズの球団株式を売却したことを受け、これを獲得して筆頭株主となり、プロ野球への参入を果たした。12月1日、日本プロフェッショナル野球組織(NPB)の実行委員会およびプロ野球球団のオーナー会議を経て、正式にNPBへの加盟が承認された。球団名はすでに発表されているように、横浜ベイスターズから「横浜DeNAベイスターズ」に変更される。


「新しい風を吹かせていきたい」

 1日は、午前中にNPBの実行委員会、午後にはオーナー会議が行われ、オーナー会議は3時間におよぶ長時間の会議となった。オーナー会議の後に行われた記者会見では、DeNA 取締役会長で、球団オーナーへの就任が予定されている春田真氏、代表取締役社長の守安功氏が登壇し、報道陣からの質問に答えた。


オーナー会議後にはオーナーを囲んだ取材が。各氏が感想や期待を語ったDeNAの記者会見には多数の報道陣が詰めかけた

 

 オーナー会議後の囲み取材では、各オーナーやNPBコミッショナーから参入が承認された旨が伝えられ、「新しい風を起こしてもらいたい」といった期待の声が聞かれた。これに対し春田氏は、「我々はネット企業で、モバイルサービスでたくさんのユーザーを抱えている。今も野球の魅力が衰えているとは全く考えていない。球場に足を運んでもらえるようなものを、サービスの中に取り入れていきたい。昨今のシリーズなどを見ていても、若い方や女性の方も多い。とくにパ・リーグで目立つので、これがセ・リーグでも広がれば」と豊富を語った。

 守安氏は、「1999年に創業し、当初の3年間は大きな赤字だった。そんな中で社員一丸となって新しいサービスを生み出すことで、このように成長してきた。会社の方向性として、“世界を切り開く永久ベンチャーになろう”というものがある。新しいことに挑戦し、世の中に提供していきたいと考えており、プロ野球参入にあたっても、新しい風を吹かせていきたい」と会社の理念などに触れながら意気込みを語った。

 今後にチーム編成や運営、GM、監督の選任については、春田氏が「今夜から着手することになるが、チーム作りについて我々に専門性があるわけではないので、任せられる方をまず選びたい。来週中にはいろんなものを決めたい」と説明。新しいユニフォームなどについては、お披露目は「おそらく来年になる」(春田氏)との見方を示した。

 春田氏には、球団オーナーとして、球界への提言などがあるかと問われた。春田氏は「提言するにはまだ知識不足。ただ、個々の球団自体も健全経営する形をとっていかないと、永続的に続けていくことに対し疑問が出てくるのではないかという思いがある。球団全体として(ファンの)パイを広げていく中で、我々としてできることをやっていきたい」と、球団の健全経営に意欲を見せた。

 

来季は最下位脱出、5年以内に優勝が目標

 球団の成績目標については、「願望でもいいですか?」(春田氏)と断った上で、「来季に向けて、GMの方に伝えようと思っているのは、目標として最下位は抜け出してくれ、というもの。3年以内にはCSに出られるように、5年以内に優勝という話はしたい」と目標を語った。

 一方、リーグ最下位が続くベイスターズの強化方針について問われると、春田氏は「これからまさに考えていくところ。来季について言うと、現状の戦力だけでは十分ではないだろうということは想定されている。必要な強化は親会社として考えていきたい。中期的な考えでは、人に対する投資だけでなく、インフラ、スタッフ、バックオフィスなど球団にとってのインフラにも投資が必要だと考えている。トータルで強化していければ」と強化方針を示した。

 横浜スタジアムなどの施設については、「横浜市およびスタジアム側との話し合いが必要だが、思いとして、もうちょっとワクワクするような感じにしたいと思っている。設備も新しい球場と比較して劣っていると聞いている。選手がやりやすい環境を整えていくのも重要と考えている」とした。

 サービスの健全性がより問われのではといった、今後の方針を問われると、守安氏は、「mobageを中心に展開しているが、今後さらに健全なサービスになれるよう、今まで以上に努力していきたい」と語った。

 




(太田 亮三)

2011/12/1 19:06