Mobage新作発表会、「FF」や「キン肉マン」のソーシャルゲーム

DeNAの守安氏

スクウェア・エニックスの和田氏

　携帯SNS「Mobage」（モバゲー）を展開するディー・エヌ・エー（DeNA）は、新作ソーシャルゲームの発表会を開催した。

　今回発表されたタイトルは、スクウェア・エニックスと提供する「ファイナルファンタジー ブリゲイド（FINAL FANTASY BRIGADE）」（以下FF BRIGADE）と、コプロと提供する「キン肉マン超人タッグオールスターズ」の2つ。FF BRIGADEは12月中旬にクローズドβを提供し、12月下旬に正式提供する。キン肉マンのゲームは、12月2日よりフィーチャーフォン版の事前予約が開始され、下旬に正式版が、さらに2012年2月中旬にはスマートフォン版が提供される予定。

■FINAL FANTASY BRIGADE

　FF BRIGADEは、人気ゲームシリーズ「ファイナルファンタジー」初のソーシャルゲームとして満を持して提供されるオリジナルタイトル。「BRIGADE」は「旅団」を意味する英単語で、プレイヤーは他のプレイヤーたちと飛空艇団を結成して、さまざまなエリアを探索しながらクエストをこなしていく。モンスターやジョブ、アビリティといったシリーズの世界観を代表する要素が本作にも用意されている。利用料は基本無料で、アイテム課金制が導入される。

　DeNAの代表取締役社長である守安功は、「FFシリーズは、学生時代に初代から6、7弾ぐらいまで全ての作品プレイさせてもらっている。おそらく、30～40代の男性のほとんどがプレイしたことがあるのではないか。これだけのタイトルなので当然失敗できない。開発の過程では、スクウェア・エニックスと激しい議論を戦わせた。最終的に両者の良い面が出た」と語った。

　スクウェア・エニックスの代表取締役社長の和田洋一氏は、「ソーシャルゲームはパッケージソフトとは全く違う」と語り、DeNAとの協業については「我々のだけでは客の心がつかめなず、やっぱりパッケージソフトに引きずられてしまう。DeNAとはゲームに対する考え方が全く違い、非常に激しい議論にもなったが、同時に勉強にもなった」と述べた。

　また、和田氏はFFシリーズでユーザーに感じて欲しいものを「仲間のために戦う、助け合う」と話し、ソーシャルゲームはこの点で親和性が高いとする。FF BRIGADEでは、キャラクターデザインはパステル調で少しかわいらしいものとなっている。スクウェア・エニックスでは、ソーシャルゲームのユーザーはパッケージソフトのユーザーよりもユーザー層が幅広いため、より多くのユーザーに受け入れられるようなデザインを採用した。

　和田氏はこのほか、「ソーシャルゲームは発表してからが勝負。パッケージソフトとは大きく違う。DeNAと息の長いタイトルにしていきたい」と話した。

■キン肉マン超人タッグオールスターズ

キン肉マン像を囲む「ゆでたまご」の嶋田隆司氏と、森本選手

　キン肉マン超人タッグオールスターズは、人気コミック「キン肉マン」「キン肉マンII世」のキャラクターが登場するソーシャルゲーム。プレイヤーは超人2人でタッグチームを結成し、最強の超人タッグを目指す。原作に登場する名タッグを再現したり、原作では実現不可能だったキャラクター同士のタッグリームを結成したりと楽しめる。利用料は無料で、アイテム課金制が導入されている。

　発表会では、等身大のキン肉マン像が登場したほか、キン肉マンの原作者である漫画家「ゆでたまご」の嶋田隆司氏、横浜DeNAベイスターズの森本稀哲（ひちょり）選手が登場した。森本選手は、キン肉マンに登場するラーメンマンのコスチュームで登場し、球団の身売り問題からDeNAが親会社になったことについて「正直、もしDeNAの参入が認められなかったらと思うと不安なところはあった。今は、来年しっかり野球をやらせてもらえる安心感で一杯です」などと話していた。

■本業の発表会に質疑応答なし

　発表会の冒頭、DeNAの守安氏は、前日にDeNAのプロ野球参入が認められたことを紹介し、「今日は主力事業であるMobageの新たなソーシャルゲーム」と語り、本業の発表会であることを印象づけた。人気タイトルの初のソーシャルゲームや、豪華なゲストを起用し、人気マンガのソーシャルゲームをアピールするなど、DeNAの勢いを象徴するかのような華やかな発表会といった印象だ。

　しかしその一方、発表会には質疑応答の時間が設けられなかった。前日のプロ野球参入決定の会見では、メディアからの質問を受け付けたものの、本業であるはずの今回の発表会では、DeNAの経営陣らが質問に答えることはなく、ゲストの面々が芸能・スポーツ系の囲み取材に応じるのみだった。