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パナソニックが来春にも欧州再参入、海外スマホ1号機を披露


グローバルモデル第1弾

 パナソニック モバイルコミュニケーションズは、2012年3月より欧州市場にスマートフォンの投入を開始する。2005年に海外市場から撤退したパナソニックが、再び大海原へ出港する。9日、都内で会見が行われた。

 パナソニックでは、Android OSのスマートフォンを来春欧州の携帯電話会社に投入する。これを皮切りにスマートフォンの海外展開を進め、2015年度には、国内外全体で1500万台を販売したい考え。

 現在、海外でのスマートフォン投入に向け、グローバル第1弾となる端末を開発中で、今回開発中のモデルが公開された。薄型モデルながら防水防塵仕様で、4.3インチの有機ELディスプレイを搭載する。現状の海外向けスマートフォンは、薄型で防水防塵仕様は珍しい存在と言えそうだ。ビジネスパーソンをメインターゲットとしたモデルとなる。価格はミドルクラス〜ミドルハイクラスとなる見込み。

 なお、今回のモデルは日本で提供中のモデルを焼き直したものではなく、グローバル市場向けに新たに企画したモデルとなる。このモデルをリファレンスモデルとして、2012年度中にラインナップを拡充し、欧州だけでスマートフォン150万台を販売を目指す。現在、同モデルを日本の事業者にも提案しており、実現すれば、逆輸入車のようなグローバルモデルが登場することになる。


 パナソニック モバイルコミュニケーションズでは、携帯電話市場がスマートフォンへ急激にシフトしており、今後海外において着実に成長が見込めるとして、欧州市場を足がかりにグローバルの市場に再参入する。同時に、グローバル向けモデルを開発し、パナソニックグループ全体でのシナジーを活かしながら、グローバルなスマートフォン市場で総力戦を挑む。

パナソニック モバイルコミュニケーションズの星氏

 登壇したパナソニック モバイルコミュニケーションズ 社長の星敏典氏は、「スマートフォンの普及を想定しておらず市場を見誤った」と話し、国内でのスマートフォン参入が出遅れたことを認めた。

 かつてパナソニックはGSM方式の携帯電話を提供し、海外のイベントなどでもパナソニック製GSM携帯を見かけることが珍しくはなかった。2003年には海外だけで890万台を出荷する規模となっていた。しかし、欧州を中心としたGSM圏での急激な市場の変化と、国内の新たな通信方式へリソースを割かねばならず、2005年に海外事業からの撤退を決断した。

 星氏は、再び海外市場に出る理由について、日本市場の成長性が鈍化している点と、かつての携帯市場は国内と海外が大きく異なっていたが、スマートフォンが普及するにつれ国内のグローバル化が進んでいる点を挙げた。「日本そのものがガラパゴスの文化からグローバル化しつつある」などと語った。

 パナソニックでは、携帯事業のリソースをフィーチャーフォンからスマートフォンに移行し、グローバルで売る商品としてスマートフォンの開発を進めていく。また、パナソニックとしての強みである軽薄短小技術、AV技術、ブランド力などを連携して高付加価値のスマートフォンを展開する。会見では、テレビブランド「VIERA」やレコーダーの「DIGA」、デジタルカメラ「LUMIX」などの同社とスマートフォンの積極的な連携が紹介された。

 さらにパナソニック モバイルコミュニケーションズとしてはB2Bの事業グループに属しており、4月に設立したパナソニック システムコミュニケーションズ(SNC)グループのパナソニック システムネットワークス(PSN)やパナソニック システムソリューションズジャパンなどと相互にリソースを活用し、グローバルにクラウドソリューションなども展開していきたい考えだ。



1500万台を早期に実現

 グローバル第1弾のモデルに現時点ではブランド名などはないが、来年春先にもグローバルのスマートフォンブランドなどが発表される見込み。開発拠点はパナソニックのマレーシア工場で生産していく計画で、欧州の販社を通じて欧州携帯電話事業者に端末が納入する。

 欧州でのポジションを築きながら、中国や米国へも事業を拡大、さらにその先には、アジアの新興国市場での展開も計画されている。海外再参入初年度となる2012年度の販売目標は、欧州で150万台、日本で520万台(スマートフォン300万台、フィーチャーフォン220万台)の合計670万台となる。2013年度には欧州以外の海外へも拡大し全体で920万台、さらに2014年度には国内販売数を海外が上回り1250万台となる計画。2015年には海外900万台、国内600万台の合計1500万台を販売目標としている。

 計画では販売するを着実に増やしていくことになるが、しかし星氏は「1500万台ではシェアを語るような規模になっていない。早急に1500万台以上にしなければならない」と話す。星氏は「スマートフォンの時代は2Gの時代のように、シェア上位5社が市場の9割を占めるようにはならない。商品が出て行けばきちっと評価してもらえる。パナソニックならではの機能を実現したい」と続けた。

 このほか、会見後の囲み取材に応じた星氏は、パナソニックとして海外でもタブレット端末を提供していく計画であると話した。また、Googleとの関係を密にして、最新のAndroid情報を得やすい状況を構築するなど抱負を語っていた。



 

(津田 啓夢)

2011/12/9 17:07