「Disney Mobile on docomo」に独自サービス、既存アプリは無料


 NTTドコモとウォルト・ディズニー・ジャパンは、スマートフォンの新ブランド「Disney Mobile on docomo」の提供にあわせ、同ブランドのスマートフォンユーザー向けに専用コンテンツを提供する。

メール「disneymobile.ne.jp」利用可能に

メールアプリのトップメニュー。メニューの中に今後迷惑メールフォルダも追加される

 ウォルト・ディズニー・ジャパンでは、これまでもスマートフォン向けにコンテンツを提供してきた。今回、「Disney Mobile on docomo」には、他社では有料となるアプリが無料で利用できるようになっている。

 他社では有料ながら、こちらでは無料となるアプリは、メールアプリ「Disney mail」、Googleカレンダーと同期できる「Disney calendar」、グリーティングカードアプリの「Disney greeting card」、ToDo管理に利用できる「Disney moment diary」、写真をデコレーションできる「Disney photo」、付箋デザインのメモアプリ「Disney fusen」、気象情報アプリの「Disney weather」、パズルゲームの「Disney Magic Emoji」、エレクトリカル・パレードを題材にしたゲーム「ELECTRICAL PUZZLE」となる。

 このうちメールアプリについては、他キャリアではGmailクライアントとして、Gmailと同期する機能のみ備えているが、「Disney Mobile on docomo」では「@disneymobile.ne.jp」というドメインのメールアドレスが利用できる。ただし、当初はユーザーが同アプリにアクセスして同期しなければ利用できない、シンプルなWebメールとしての提供となる。担当者は、プッシュ配信のニーズも高いとして、今後の対応を検討すると説明していた。なお、ソフトバンクモバイル網を利用する「ディズニー・モバイル」から乗り換える場合、メールアドレスは引き継げない。また、「Disney Mobile on docomo」版の「Disney mail」では、迷惑メールを分別できる「迷惑メールフォルダ」が用意される。ただし受信BOX内にフォルダを作って、自動的に振り分ける、といった機能は現時点では用意されておらず、今後の対応が検討されている。

アプリ一覧アプリ概要。下段の10のアプリは他キャリアでも利用できるが、ドコモでは無料となる

 「Disney Mobile on docomo」では、あわせてspモードメールアプリ(@docomo.ne.jp)も利用できるが、「@disneymobile.ne.jp」とは別のサービスとなるため、メールアドレスのアカウント部分(@より前の部分)が同じ表記にはならず、ユーザーが手動で個別に設定することになる。また@docomo.ne.jp宛のメールを「@disneymobile.ne.jp」で受信する、といったこともできない。なお、「Disney mail」では、定期的にデコメール用の素材が無料で配信されるが、この素材はspモードメールアプリで利用できる。

 このほか、ブラウザからアクセスできるポータルサイト「Disney market」も用意される。着うたも用意される。絵文字は約1000点、端末にプリセットされる。

映像配信やキッズ向けコンテンツ

 「Disney Mobile on docomo」コンテンツとしては、ライブ壁紙やウィジェット機能付きアプリ(アラーム、歩数計)も用意される。ライブ壁紙では、エレクトリカル・パレードを画面上で再現したかのような「Disney Electrical Light Parade」、ミッキーマウスとミニーマウスをモチーフにした万華鏡風の「Disney Pink Glitter」、ミッキーのシルエットが動き回る「Mickey Motion」も利用できる。

 さらに映像配信サービスとして「Disney cinema(シネマ)」、「Dlife(ディーライフ)」が利用できる。どちらもダイジェスト版ではなく、オリジナル作品がそのまま無料で視聴できる。

「Disney cinema」は、ディズニーが手がける映画作品を配信するサービス。「パイレーツ・オブ・カリビアン」や「ナルニア国物語」といった実写作品、「ふしぎの国のアリス」「ダンボ」などのアニメ作品と、ディズニーが手がける劇場作品が常時、10本以上(20時間分)配信される。ラインナップは毎月、ある程度入れ替わるとのことで、90分~2時間程度の長時間コンテンツが配信される。ディズニーがモバイル向けに長時間動画を配信するのは国内初とのこと。ビューアーアプリにソーシャルメディアとの連携機能といったものは用意されていない。配信作品は、基本的に劇場公開された人気作品になる。

Disney cinemaでは映画を配信
(C)Disney
Dlifeでは海外ドラマを配信
(C)Touchstone Television、(C)ABC Studios

 もう一方の「Dlife」は、この3月にBSで開局する同名の無料チャンネルと連動するコンテンツ。「Dlife」は子供を持つ母親がメインターゲットのチャンネルとのことで、子供向けのアニメ作品からシリアスな刑事ドラマやヒューマンドラマまで幅広いラインナップになり、ディズニーの海外ドラマ、子供向けアニメが放送される。そうしたコンテンツが、放送局とは異なる編成ながら、スマートフォン向けにもそのまま配信される。ディズニー傘下企業の1つ、米国の放送局ABCで提供された作品が多くラインナップされており、「デスパレートな妻たち」「グレイズ・アナトミー」「クリミナル・マインド」「アグリー・ベティ」「ブラザーズ&シスターズ」などの人気作品が、月に50時間分(約10作品程度)提供される。数年に渡る、複数シーズンの作品も少なくないが、全てのシーズンが一気に配信されるのではなく、第1シーズン配信後は第2シーズンを配信、というように定期的に入れ替わっていく。

 どちらの映像配信サービスも、「Disney Mobile on docomo」のスマートフォンで無料で楽しめるが、テレビなど他の機器では視聴できない。

 このほか、「fun with Kids(ファン・ウィズ・キッズ)」という子供向けコンテンツも用意される。1~6歳程度の子供と親が一緒に楽しめるようなゲームアプリなどが配信されるとのこと。今回の発表会では、アルファベットの形を覚えられる「ABCパズル」、ディズニーのキャラクターのシルエットにイラストをあわせていくパズルゲーム「かたちパズル」、音を聞いて楽しむリズムゲーム「おとあそび」と、どちらかと言えば幼児向けと言えるゲームアプリが披露されていた。今後は、月に1本程度のペースで新規コンテンツを追加する予定。

(C)Disney(C)Disney

東京ディズニーリゾートの特典は今後

 「Disney Mobile on docomo」のユーザー向けに、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーと連動した特典が提供される。第1弾は2012年春以降の提供予定だが、今回の発表会では明らかにされておらず、準備が整い次第、あらためて案内される。

 1日の会見で囲み取材に応じたウォルト・ディズニー・ジャパン ゼネラルマネージャーのデービッド・ミルスタイン氏は、こうした特典が実現した背景には、「ドコモがオフィシャルスポンサーであることが大きい」と指摘。また同じく囲み取材に応じたNTTドコモの永田清人執行役員は、「Disney Mobile on docomoのユーザーだけの体験を提供したいと考えている」とコメントした。




(関口 聖)

2012/2/1 17:28