シマンテック、子供のWeb利用を確認できるAndroidアプリ


 シマンテックは、子供のスマートフォンの利用状況を監視できる無料Androidアプリ「ノートン セーフティ マインダー:モバイル エディション」を発表した。既にAndroidマーケットで配信されている。

 

家族で使うWebフィルタリング

 「ノートン セーフティ マインダー:モバイル エディション」は、Webブラウジングを監視し、ブロック機能を用意したアプリ。いわゆるWebフィルタリングを提供するサービスで、子供がアクセスするサイトを保護者が監視でき、不適切と判断したサイトをブロック対象に追加できる。パソコン向けの無料オンラインセーフティサービス「ノートン オンライン ファミリー」の新機能として用意される。Android 2.2/2.3対応で、3.X以上には今後対応する。

 利用時には、子供のAndroid端末にアプリをダウンロードし、保護者が利用する「ノートン オンライン ファミリー」のアカウントでログインする。これまでの「ノートン オンライン ファミリー」ではWindowsやMacといったパソコンでのWebブラウジングを対象にしてきたが、今回より、同じWebフィルタリング設定を子供が持つAndroid端末に適用できるようになった。会員向けWebサイトで、端末に適用する「家族ルール(家族で決めたルール)」を一元管理できるとのことで、1つのアカウントで最大10台までのスマートフォンを、兄弟など異なる年齢の子供が持つスマートフォンを1台ずつ異なるポリシーで運用できる。

 年齢にあわせたフィルタリングがプリセットされており、それらを選択することですぐに利用できるほか、保護者が子供に見せていいサイト、遮断したいサイトをホワイトリスト、ブラックリストとして手動で設定することもできる。Webブラウジング中に、フィルタリング対象のサイトへアクセスした場合、遮断することを示したページが表示される。“家族ルール”(運用方針)によっては、遮断したままにするか、警告を表示して実際にアクセスするかどうか子供が判断するか選べる。警告後にアクセスした場合は、保護者へメールで通知される。また、過去7日間の閲覧履歴もチェックできる。

 対象ブラウザは、Android標準のブラウザ。また、現状ではauの3G回線経由ではカテゴリーフィルタリングがうまく動作しないとのことで、Wi-Fi経由でのフィルタリングがサポートされている。今後、原因を究明次第、利用できるようにする。

家族で話し合いながら運用アクセス履歴をチェック
パソコンと同じルールで運用細かく設定
今後はプレミア版も

 アプリのアンインストールを行うには、設定メニューの「セキュリティ」にあるデバイス管理者から、ノートンのアカウントでログインする必要があり、アカウント情報を知らなければアンインストールはできない。

 2012年中には有料のプレミア版が提供される。無料版ではWebフィルタリングだけだが、プレミア版ではショートメールとMMSの監視、ショートメールとMMSの連絡先の管理、アプリの監視とMDM(Mobile Device Management)と言える機能が用意される。プレミア版の価格や提供時期は未定だが、パソコンとセットで管理する形で年間数千円程度になる見込み。

 iOS版も検討中とのことが、具体的な提供時期は未定で、今後あらためて案内される。

 

家族で話し合いながら運用する

 今回提供される「ノートン セーフティ マインダー:モバイル エディション」、そして従来より提供されてきた「ノートン オンライン ファミリー」は、各世帯の事情にあわせて柔軟なフィルタリング設定ができる。それを無料で、パソコン/スマートフォンを一括で管理できるという点が大きな特徴となる。

シマンテックのヨーダー氏

 9日に開催された報道関係社向け説明会で、同社執行役員マーケティング本部長のロジャー・ヨーダー氏は、日本の家庭ではパソコンがリビングに1台あり、比較的管理しやすい環境だったが、スマートフォンの普及は、保護者による子供の行動の管理を難しい状況にしている、と指摘する。

 米国では、8~17歳の80%がソーシャルネットワークのアカウントを持ち、そのうち63%は年齢を偽っている。また10代におけるスマートフォン利用率は40%に達している。こうした状況は、日本でも遠からず訪れる、としたヨーダー氏は、子供が保護者の目の届かないところでインターネットを活用し続けると、ネット上でのイジメに巻き込まれたり、自分自身や家族の情報をついつい公開しすぎたりして、トラブルを招いたり、傷ついたりすることがあると説く。親のクレジットカードを使うケースがあり、金銭的なトラブルに発展する可能性もある。

 また、これまでのフィーチャーフォン(従来型の携帯電話)で提供されているフィルタリングサービスについてヨーダー氏は「法に違反するサイトのみ制限したり、フィルタリングのカスタマイズが十分ではない」などと指摘して、従来のサービスは不十分とする。

 「保護者が気をつけるべきは出会い系サイトだけではない」とした同氏は、子供が育つに従って、そしてスマートフォンのように子供が手にするデバイスのスペックが向上するに従って、保護者にとっては子供の行動をチェックしづらくなる状況になるとして、保護者に「まずは積極的にモニタリングしましょう。親子の関係をしっかり作って、いろいろと話し合いをすることで、保護をしていきましょう」と述べた。

 




(関口 聖)

2012/2/9 17:50