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イー・アクセス決算、LTEや900MHz帯など中期計画発表


エリック・ガン氏
業績概要

 イー・アクセス(イー・モバイル)は、2011年度第3四半期(2011年4月1日〜12月31日)の業績を発表した。

第3四半期までの業績

 第3四半期までの業績は、売上高が1491億2400万円、営業利益が190億2600万円、経常利益が97億3100万円、四半期純利益は55億100万円となった。イー・アクセスは、2011年3月31日付けでイー・モバイルを吸収合併し、イー・モバイルはサービスブランド名称となった。このため連結子会社がなくなり、2012年3月期の決算から非連結の決算となっている。当期の財務諸表の上では前年同期比について記載されていない。

 比較のために公開されたイー・アクセス側の試算では、売上高とEBITDAは前年同期比2%増、営業利益は5%減、経常利益は19%減、当期純利益は20%減となり、増収減益となった。また、設備投資には19%増の249億円かかったほか、営業フリーキャッシュフローは13%減の224億円、純フリーキャッシュフローは大幅に改善し、74%増の156億円となった。

 なお、試算を元にした事業別の業績も発表され、第3四半期までの業績は、無線事業の売上高が前年同期比12%増の1147億円、固定事業が21%減の344億円、無線事業のEBITDAが前年同期比15%増の324億円、固定事業が前年同期比20%減の149億円とされた。

 このほか四半期毎の業績では、第3四半期は売上高が525億円(無線事業が417億円、固定事業が109億円)となり、EBITDAは152億円(無線105億円、固定47億円)、営業利益は56億円、経常利益は26億円、純利益はマイナス16億円となった。



通期予想

 決算説明会では、2011年度通期の業績予想が修正された。今回の修正は、LTEサービスの前倒しに伴うものと説明された。

 通期の売上高は、30億円の上方修正で2030億円となった。これは無線事業の通期予想が30億円上乗せされ、1610億円となったため。営業利益は50億円の下方修正で250億円、経常利益は45億円の下方修正で125億円、EBITDAは40億円の下方修正で630億円、設備投資額は20億円の下方修正で370億円となった。

 営業利益を下方修正した理由について、イー・アクセスでは、端末売上げの粗利益の減少やマーケティング費用の増加、LTEサービスの前倒しなどを理由とした。

 通期の累計契約数は400万件、純増数としては88万2000件となる。



純増数

 2011年12月より、イー・アクセスは電気通信事業者協会(TCA)への契約数の公表を行っていない。純増/純減という指標が、携帯電話事業者の好不調を判断する材料になりにくくなったことを理由としており、四半期毎に決算と同じ日に契約者数を公開するとされた。

 今回の決算資料では、この契約数のデータが公表されている。それによると、第3四半期の新規契約数は39万3000件、機種変更数は10万1000件、第3四半期全体の純増数としては22万1000件で、累計契約数は380万件に達した。なお、1契約あたりの獲得費用は2万8000円。MNPの数値は差し引き0。

 第2四半期は純増数が23万8000件で、顧客獲得費用は2万3000円だった。第3四半期は顧客獲得費用が上がり、純増数としては下がった形になったが、イー・アクセスではこの理由を、テレビCMやLTEを見据えて固定費用がかかっており、今期の顧客獲得にすぐには結びつかないためと説明した。

ARPU、解約率

 第3四半期、1契約者あたりの通信収入を意味するARPUは、2730円と第2四半期と同じ金額となった。前年同期は3100円だったが下落が続いており、今回ようやく下げ止まった形になる。

 解約率は、1.54%と第2四半期の1.44%から上昇している。イー・アクセスではこの要因を、MVNO事業者の解約率が上昇したためと説明しており、イー・モバイルの自社ブランドでは第2四半期と差がないとした。



LTE

 イー・アクセスでは、3月のLTEサービス開始に向けて準備を進めている。エリア展開については、2012年度中には人口カバー率70%を実現し、早期にLTEサービスの拡大を図りたい考えだ。

 下り最大42MbpsのDC-HSDPA方式のエリアは今期末にも人口カバー率70%に達するが、LTEの高速化とエリア拡大を図るため、軸足はLTEに移行し、ガン氏はDC-HSDPAエリアを今後減らしていく方針を示した。また、DC-HSDPAを導入していないエリアから下り最大75MbpsのLTEサービスを広げていく方法をとり、5MHz幅でLTEを展開するエリアは通信速度は最大でも下り37.5Mbpsとなる。



900MHz帯

 また、イー・アクセスでは、プラチナバンドとも言われる900MHz帯の獲得に手を挙げており、総務省に対して1月27日に認可申請を行っている。イー・アクセスの代表取締役社長であるエリック・ガン氏は今回、900MHz帯の割り当て決定は2月下旬になるのではないかと予測。700MHz帯については、3月にも開設指針が示され、割り当ては夏頃になるとの見方を示した。



中期計画

 このほか、イー・アクセスは、2015年度3月期までの中期計画として3年後の目標値を明らかにした。

 前述した通り、2011年度通期の売上高は2030億円、中期計画では2014年度には売上高は3500億円になるとされた。EBITDAは2011年度の630億円から900億円へ、経常利益は125億円から400億円になるとした。

 利用者数は、2011年度の通期予想の400万人から、2014年度には660万人になると予測。モバイルWi-Fiルーターの顧客が多数を占めるが、スマートフォンの利用者も獲得していく方針。この3年間における設備投資額は1000億円で、LTEの高速化とバックボーン回線のオールIP化、トンネルなどエリアカバー率を上げるために投じられる計画だ。

 さらに、解約率を1.5%以下に、ARPUを約3000円にするほか、併売店や専門店などイー・モバイルショップを拡大していく。ガン氏は、LTEサービスでスマートフォン市場に再参入する計画だと話したほか、ブランディングやマーケティングなどに資金を投じていく方針を示した。



 




(津田 啓夢)

2012/2/9 21:39