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イー・モバイル、「EMOBILE LTE」を3月スタート


 イー・モバイル(イー・アクセス)は、LTE方式のモバイルデータ通信サービス「EMOBILE LTE」を3月に開始する。

 「EMOBILE LTE」は、下り最大75Mbps、上り最大25MbpsのLTEサービス。対応端末として、モバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi LTE」(GL01P)と「Pocket WIFi LTE」(GL02P)、USBデータ通信端末「GL03D」が発表された。

 サービス開始日および利用料金など詳細については、後日改めて発表される予定。今回はサービス名称と、当初投入される対応端末が披露された。

 このほかイー・モバイルは、LTE非対応の機種として、Android 2.3.5搭載のスマートフォン「Dell Streak Pro」(GS01)と、Wi-Fiルーター機能搭載のUSBデータ通信端末「Stick WiFi」(GD03W)を発表した。


EMOBILE LTEのロゴ 写真中央に千本氏とガン氏

千本氏「LTEは第2の創業」

 本日は大変記念すべき日、我々の戦略に非常に重要なLTEサービスの発表が行える。――イー・アクセスの代表取締役会長である千本倖生氏は、発表会の冒頭にそう語った。

 イー・アクセスは、先だって行われた決算発表会において、中期事業戦略を発表し、ステップ1としてモバイルブロードバンド事業の強化、ステップ2としてスマートフォン戦略を加速させる方針を示した。この2段階の取り組みの中で、顧客満足度の向上やブランディングの強化、サービスや端末ラインナップの充実、またイー・モバイルショップの店舗拡大などを進めていく。こうしたさまざまな取り組みの根幹となるのが、LTEサービスであると千本氏は語る。

 また同氏は、モバイルブロードバンド市場を現在800万人規模とし、イー・モバイルでは今後3年間で1500万人規模にまで拡大すると予測、2015年までにこのうちの660万人以上のユーザーを獲得したい考えを示した。千本氏は競合各社との熾烈な競争があるとした上で、LTEサービスの既存顧客にも積極的に訴求していくという。

 また、千本氏は「LTEサービスの提供はまさに第2の創業」と述べ、「どこでも常に110Mbps以上のスピードで繋がっている、そんな新しい時代の扉を開く。国内の全モバイルユーザーのマーケットシェア10%以上を持つキャリアになりたいと考えている」と決意を示した。2015年頃の国内モバイルユーザーは1億5000万人とし、このうち、1500万人がイー・モバイルの契約者という計算になる。



ガン氏が「EMOBILE LTE」を説明

 イー・アクセスの代表取締役社長のエリック・ガン氏からは、「EMOBILE LTE」のサービス内容が語られた。

 ガン氏は固定のブロードバンドの進化の過程を紹介し、ダイヤルアップからISDN、ADSL、そしてその最終形はFTTH(光ファイバー)とした。モバイルブロードバンドは、W-CDMAからHSDPA、DC-HSDPAとCDMAの技術が進化してきたが、その最終形がOFDM(直交周波数分割多重)技術のLTEであるとした。

 ガン氏は、LTEにおける理論上の下りの通信速度について、37.5Mbps〜300Mbpsまで実現できるとした。「EMOBILE LTE」というサービス名称については、「LTEのブランドをうまく利用したわかりやすいサービス名称」と説明し、新しいロゴも披露した。

 「EMOBILE LTE」のサービスの特長は3つあるという。その1つ目は、下り最大75Mbps、上り最大25Mbpsという通信速度、2つ目は世界で主流の通信技術であるFDD-LTE技術を採用している点、3つ目が東名阪主要エリアで利用できるエリア展開であるとした。

 ガン氏は「TD-LTEではない。世界でももっともよく使われている」などと話し、ソフトバンクがAXGP(TD-LTE互換技術)方式で展開する「SoftBank 4G」を牽制した。また、「EMOBILE LTE」はイー・モバイルが「EMOBILE G4」の名称でサービス展開するDC-HSDPA方式のネットワークに、LTEをオーバーレイ(既存網に新しい網を重ねる)する。「DC-HSDPAの設備の上にLTEをオーバーレイするのは世界で初めて。これからがんばって構築していきたい」とした。さらに、20MHz幅まで拡張性があり、速度からすると下り最大150Mbpsまで利用できるとしたほか、ネットワークのバックボーンを全てIP化して大容量な通信処理にも耐えられることををアピールした。



 ガン氏は、LTEでは世界のGSMネットワークの事業者が1.7GHzおよび1.8GHz帯を採用するとし、海外との国際ローミングや海外からの端末調達も楽になるのではないかと話した。3月末時点でのLTEのエリアは40%だが、1年後の2012年度末には人口カバー率は約70%にまで拡大する計画だ。



 ただし、今回の発表では75Mbpsのエリアについて公開されることはなく、同社のLTE対応エリアにおける75Mbpsエリアの比率も非公開とされた。屋外の75Mbps対応エリアもあるという。



利用料、優先される通信、帯域制限、スマートフォン

 なお、「EMOBILE LTE」の利用料が明らかにされることはなかった。ガン氏は、“目標”として現状の「月額3880円」という料金を示したが、詳細について語られることはなかった。

 質疑応答や発表会後に聞いた内容を総合すると、LTEとDC-HSDPAのエリアでは、まずLTEが優先的に接続され、仮にLTEで速度が出ない場合には、DC-HSDPA方式に切り替わる。担当者によると、ユーザー側はLTEやDC-HSDPAを意識することなく接続されるという。ただし、LTEとDC-HSDPAの切り替えるには3〜5秒程度の時間がかかるとしている。

 帯域制限については、現行通り、1日300万パケットを越えた場合に一部のプロトコルが制限される場合があるというものに落ち着きそうだ。

 このほか、イー・モバイルでは、2012年度中にも「EMOBILE LTE」に対応したスマートフォンを投入する計画。現行方式であるLTE Release 8ではなく、次のフェーズとなるLTE Release 9からスマートフォンを提供していきたい考えだ。



 




(津田 啓夢)

2012/2/22 15:48