iPad求め450人が並ぶ、アップル銀座はiPadフィーバー


 3月16日、アップルの最新タブレット端末「iPad」の販売が開始された。銀座のアップルストアには多くのユーザーが「iPad」を求めて列をなした。


午前6時頃のアップルストア前6時半頃の最後尾

 iPadシリーズ第3弾となる最新の「iPad」は、端末の外観こそ大きな変化はないものの、9.7インチ、2048×1536ドットと高解像度なRetinaディスプレイを搭載したタブレット端末。CPUはクアッドコアの「A5X」を採用し、価格に応じて16GB、32GB、64GBのストレージの異なるモデルをラインナップする。

 午前6時にアップルストア銀座に到着すると、100mほどだろうか、店の前には既に長い行列ができていた。3月半ばといはいえ、じっとしているとかなり寒く、時折吹く風も冷たかった。広報発表によれば、8時の発売開始直前には450人が列を成したという。中にはiPhoneを使って動画中継などを行っているユーザーの姿も見られた。

アップルストアのスタッフ

 7時半を過ぎるとアップルストアのスタッフが集結し、これまでのアップル製品の発売日と同様、スタッフらが自分たちの気持ちを奮い立たせるように歌や拍手で意思統一を図っていく。

 「Here we go! Apple, Here we go! Here we go! Apple, Here we go!」

 鼓舞する声が一段と大きくなり、店の扉が開いた。カウントダウンの後、スタッフを伴いながら最初の「iPad」のユーザーが店内に招かれる。それから次々と購入者が拍手で迎えられ、スタッフとハイタッチしながら奥へと進んでいく。購入者の多くはおそらくアップルのファンなのだろう。ハイタッチでは物足りず、店員とハグして喜びあう姿も見られた。

 印象的なのは、購入後の言葉だ。アップルのスタッフは、製品を購入したユーザーに対して、「ありがとうございます」ではなく「おめでとう!」と声をかける。アップルという共同体に迎え入れられたかのような、アップルが作りだす物語にキャスティングされたかのような瞬間だ。購入者も喜びを隠さない。


アップルストアのスタッフが笑顔で購入者を迎える

 最初にiPadを手に入れたユーザーは19歳の男子学生だった。彼は37時間前に銀座の店舗前に並び、それからずっと店の前にいたという。iPadの購入は2度目、これまでの自分の利用状況を踏まえ16GB版を購入した。「僕はアップルが好きなんではなくて、アップルの製品が好き」と語っており、早く帰って家族に自慢すると話していた。


一番最初のユーザー。購入したiPadを手に取材に応じた

 なお、アップルストア銀座では、3月16日より予約販売の受付を開始した。広報担当者は、今週末については店舗で購入できるだろうと話していた。


店内

 




(津田 啓夢)

2012/3/16 10:59