東京ガスとウィルコム、遠隔監視ガスメーター用の通信端末


 東京ガスとウィルコムは、遠隔監視サービスで用いるガスメーター用の通信端末を共同開発した。消費電力を抑えたPHSモジュールを採用し、5月から実証試験を行い、今秋以降に導入する。

 今回開発された通信端末は、東京ガスの遠隔遮断・監視サービス「マイツーホー」向けとなる。ウィルコムが2011年12月に開発した「超低消費電力チップセット」で、消費電力を抑えつつ、PHSによる通信が行えるようになった。このチップセットは、待受時と通信時の電力を減らすほか、ネットワーク側を最適化して、従来製品と比べて1/4程度の消費電力で動作する。これにより、組込用途のリチウム電池(2400mAh)3本で10年以上駆動する。

 「マイツーホー」は1989年から提供されてきたサービスで、2012年1月末時点で41万世帯で利用されている。20年以上にわたる同サービスは、当初、ユーザー宅に敷設されているアナログの電話回線を活用していたが、近年、ADSLやFTTHの普及でユーザーの自宅回線の切り替えが必要になるケースが増えてきた。通信サービスの多様化は今後も見込まれるとして、ユーザーの電話回線に依存しない仕組みを検討。そこで今回は、ウィルコムのPHSネットワークを利用し、なおかつ低消費電力を実現したチップセットを用いることになったという。

 両社では5月より実証実験をスタート。その結果を踏まえて、今秋以降、導入しているユーザーの一部において先行導入する。




(関口 聖)

2012/3/28 15:35