ノキアが「Vertu」を売却し「Scalado」買収、経営立て直し図る


Lumia 800

 ノキアは、同社の高級携帯電話ブランド「Vertu」の事業を、北欧に拠点を持つ非上場株式投資グループEQT VIに売却することで合意した。

 EQTでは、Vertuをノキアから独立した企業として、ラグジュアリー路線の携帯電話の開発を進めていく計画。販売面では、数年後に二桁以上の成長率を見込み、スマートフォンとVertuのコンシェルジュ型のサービスなどによって、同分野を引き続き牽引する。株式譲渡は2012年後半にも完了する予定で、ノキアは引き続きVertuの株式の10%を保有する。

 業績悪化を受けて事業の選択と集中を迫られるノキアは、2012年第2四半期の端末とサービスの見通しを下方修正し、成長に向けたアクションプランを打ち出した。それによると、ノキアは同社のLumiaシリーズのスマートフォンに注力し、位置情報関連サービスへの投資を拡充するとともに、フィーチャーフォンの競争力と収益性を改善するという。

 経営体制も刷新され、新たに上級副社長としてJuha Putkiranta氏、Timo Toikkanen氏、Chris Weber氏の3名をオペレーション、モバイル、営業の各担当者として迎え入れる。これに伴って、現マーケティング担当のJerri DeVard氏、モバイル担当のMary McDowell氏、市場担当のNiklas Savander氏の上級副社長3名は退任する。

 さらに、アクションプランは営業費の縮小などを含むほか、2013年末までに世界で新たに1万人の従業員を削減する計画も明らかにしている。

 事業売却や経営陣の刷新、従業員削減などの施策を打ち出す一方で、Nokiaはモバイル関連の画像関連技術を数多く保有するスウェーデンのScaladoから、技術や知的財産、商標権などはもちろん、イメージング分野の専門家たちも買収すると発表した。同社のスマートフォンLumiaの強化につなげていきたい考え。買収は2012年第3四半期にも完了する見込みだ。

 




(津田 啓夢)

2012/6/15 14:23