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ソフトバンク孫氏、2万人の社員全員にiPhoneを支給した理由


孫氏

 ソフトバンクは7月11日、ソフトバンクグループのプライベートイベント「SoftBank World 2012」を開催した。基調講演にはソフトバンクの代表取締役社長の孫正義氏が登場し、iPhoneやiPadがビジネスに与えるインパクトについてアピールした。

 「iPhoneを持っている方を手を挙げてください。それではスマートフォンを持っている方は? iPadを持っている方は?」――孫氏は満員の聴衆に問いかけ、多くの人がそれに手を挙げた。

 スマートフォンやタブレット端末を持っていないユーザーに対して、孫氏は「今日から人生を悔い改めていただきたい。すでに時代から取り残されている」などと話し、さらに「少なくとも戦に出たら負ける。龍馬の時代、侍は大刀と小刀、両刀を持っていて片方しかない人はよっぽどの使い手かやや間抜け」と続けた。孫氏は自身の物言いを「過激な言い方」とした上で、情報を武器に戦うことの重要性を説いた。

 かねてより、アップルのスティーブ・ジョブズ氏を敬愛する発言を繰り返している孫氏、今回の講演でも「iPhoneの登場によって世の中が大きく変わった。ジョブズはたった1つの製品で世界を変えた」と話し、数百年後にはフォード創業者のヘンリー・フォードや、発明・起業家として知られるトーマス・エジソン、芸術家のレオナルド・ダ・ヴィンチと同様に歴史上の人物になるとした。



社員全員にiPhone、iPadを支給

 孫氏は、ソフトバンクグループの2万人の社員に対して、iPhoneとiPadを100%支給していると紹介し、100%提供することで「ビジネスワークスタイルが変わる」「会社のプラットフォームが変わる」と語った。



 ソフトバンクが社内業務でのペーパーレス化を実現しているのも、この100%の普及率がポイントだという。孫氏は「多くの企業でIT化が進んでも、相変わらずプリントアウトしてコピーをとっている。ソフトバンクにおいては社内業務でプリントアウトは禁止、会議でも紙を用意する必要がない。社内業務で紙を使うとクビ」などと述べた。

 iPhoneやiPadの導入によって、仕事が迅速に進みコストダウンにつながるという。孫氏は、NTTやKDDIと比較して、ソフトバンク1人あたりの営業利益が高いと話し、「規模の小さい会社の方が経営効率が悪いものだが、大きな差が出てきた。営業マンは事前の提案書類の準備など、前処理、後処理があるが、1人あたりの顧客訪問回数が2倍に伸びた。ワークスタイルのプラットフォームが変わると、大きく変わる」などと話した。



セキュリティ、通信エリア

 また孫氏はセキュリティについても言及し、iPhoneやiPadの遠隔操作機能を紹介。電車の網棚などに端末を置き忘れた場合でも、遠隔操作で端末をロック、保存した内容の消去ができるとアピールした。

 さらに、ウィルスについては、「基本的にiPhoneやiPadのアプリは100%アップルの承認を得なければ提供できないルール。Androidやパソコンはオープンで事前承認ではない。たくさんアプリは出るが、ウィルスを仕込んだものも安易にばらまける。iPhoneやiPadはコントロールド・オープン。さまざまなアプリを作ってもらいながらきちんとしたルールでやっていこうという思想」と語った。



 通信エリアについては、7月25日より900MHz帯でのサービス提供を開始するとし、これまでの2GHz帯よりもカバーエリアが3倍に広がると説明した。現在基地局を敷設中で、「通常の4倍、通信業界では信じられないペース」(孫氏)で展開しているという。孫氏は、「電波がつながらないということもあったなぁ、となつかしんでもらえる。もっとも、現在も他社が99%で、ソフトバンクは98%」と話し、現時点でも他社と差がないとした。

 このほか創業の頃を振り返り、日本で初めて電子稟議システムを導入したなどと説明があった。



競争力

 今回は記者向けのイベントではなく、孫氏が話す内容に新しいものは少なかったが、その分、同氏の考える情報化社会に立ち向かう姿勢を説明する内容となっていた。

 孫氏は、「生きていくため、食っていくためではむなしい。何のための力か。正義無き力は世の中の害かもしれず、力なき正義は無力。正しい義のために命をかけ、正しい義を為すために、情報武装という現代の武器を持ち、競争力を取り戻す。高い人件費、減少する人口、老齢化した社会、成長を失った20年となっているが、もう一度競争力を取り戻し、世界の企業と戦っていければ、国民、家族に幸せや豊かさを提供できる」などと話した。

 さらに、冒頭に手を挙げさせたことに触れて、「なんのために情報武装するのか。武士は1m以内に両刀を置いていた。24時間戦える状況を作っていた」と語り、「9時〜18時まで仕事するだけではもはや戦えない。効率が上がれば空いた時間は余暇に使える。家族との団らんに使える」とした。

法人向けクラウド型PBX「Bizダイヤル」を初披露

 このほか、イベントでは展示ブースも設けられていた。この中でソフトバンクテレコムは、法人向けのクラウドPBXサービス「Bizダイヤル」を展示していた。現時点で未発表のサービスとなり、今秋にも提供される予定。

 「Bizダイヤル」は、クラウド型のPBXを利用することで、iPhoneなどで「03」番号などの固定電話番号が利用できるというもの。アプリから電話をかけると、iPhoneの090/080で始まる電話番号がPBX側で03番号に変換され、相手に繋がる。相手が03番号にかけた場合もiPhoneで着信できる。1つの03番号に対して、1つの携帯電話番号が紐付けられる。

 ソフトバンクテレコムでは、今秋にもサービス化する計画。イベント来場者から反応を得たいという。



導入事例



 

(津田 啓夢)

2012/7/11 15:15