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KDDI、Android 4.0搭載のCATV向けSTB「Smart TV Box」を開発


「Smart TV Box」

 KDDIは、ケーブルテレビ(CATV)向けセットトップボックス(STB)として、Android 4.0搭載の「Smart TV Box」を開発した。8月よりジャパンケーブルネット(JCN)と共同で試験が開始される。

 今回開発された「Smart TV Box」は、CATVのSTBとしての機能のほか、Android 4.0を搭載することでインターネットコンテンツの利用も可能な端末。開発・製造はパナソニックが全面協力する。日本ケーブルラボの仕様に準拠し、地上デジタル放送・BS・CATV放送対応のチューナーを3機搭載。別途追加できるUSB接続のハードディスクに番組録画でき、視聴しながら裏でダブル録画も可能。電子番組表(EPG)を利用した録画予約や、外出先からの録画予約も可能。

 Android 4.0端末として、Google Playストアなどに対応。auスマートパスの会員はAndroidアプリを追加料金無しで楽しめるほか、同端末向けに操作系などが最適化されたアプリも配信される予定。DLNAサーバー・クライント機能により家庭内のテレビやレコーダー、タブレット、スマートフォンなどほかの機器とも連携でき、放送中の番組の転送にも対応する。本体にはタッチパッドを備えたリモコンが付属、Android端末として、USB接続のキーボード、ゲームコントローラーも利用できる。

 また、CATVのインターネットモデム機能を搭載(DOCSIS 3.0)。無線LANアクセスポイント機能、有線LAN・WANポートも搭載されている。映像出力はHDMIで、アナログ映像出力と光デジタル音声出力、SDカードスロットを備えている。大きさは約176×51×17.6mm。

 「Smart TV Box」はKDDIから各CATV事業者に卸される形で、実際の端末の提供は各CATV事業者が行う。


「Smart TV Box」と付属のリモコン
基本となるホーム画面。中央は前回選択したチャンネルの番組が表示され、決定ボタンで全画面表示。また、一定時間が経つと自動的に全画面表示になる ホーム画面から右に進んだテレビメニュー。録画予約などが可能
ホーム画面から上に進んだ生活情報メニュー。中の「くらし」メニューではスーパーのショッピングも可能 ホーム画面から左に進んだエンタメメニュー。インターネットの動画・音楽サービスやゲームが用意されている
ホーム画面から下に進んだアプリメニュー。一般的なAndroid端末のようにアプリ一覧画面も用意され、アプリのダウンロードも自由に行える

 

担当者が語る「Smart TV Box」

KDDI メディア・CATV推進本部 副本部長の神山隆氏

 「Smart TV Box」は、ケーブルテレビのセットトップボックスという基本機能のほかに、有料のオプションチャンネル、auの動画・音楽サービス、インターネット上の動画サービスなどを、Android搭載の機器の上で一緒に利用できるという、“スマートTV”と呼ばれるコンセプトを色濃く反映した内容になっている。ケーブルテレビ用のチップのほか、OMAP4460が搭載され、アプリやインターネットサービスの面ではAndroidスマートフォンやタブレットと同様の利用も可能。一方、セットトップボックスとして高いシェアを誇るパナソニックが開発を担当し、録画機能などはパナソニックのレコーダー譲りの機能を搭載。ハードディスクはUSB3.0で外付けと、内蔵せず割り切りながらも柔軟性は高い仕様になっている。また、タブレット、スマートフォンで操作できるようなアプリも開発中という。

 KDDI メディア・CATV推進本部 メディアプロダクト技術部 技術開発グループリーダー 工学博士の宮地悟史氏は、有料のオプションチャンネルも含めてチャンネルをまとめて表示できる点や、高解像度の画面を活かしたデザインになっていることに触れる。また、検索機能では、録画済みの番組やインターネット上の動画サービスもまとめて検索できる。「生活情報」メニューでは、スマートフォンから入力したカレンダーの予定をデータを共有したり、ウィジェットで天気予報などを表示したりでき、ユーザーが契約するケーブルテレビ局が自由にコンテンツを提供するエリアも用意されている。また、「Smart TV Box」で利用する有料コンテンツの課金はケーブルテレビの請求書に合算できるとのこと。

 「Smart TV Box」は加入者情報などを含めて設定情報はサーバー側で管理しており、基本メニューのカスタマイズはできない(アプリ管理など一部画面を除く)。一方、メニュー構成などは必要に応じて変更・配信される仕組みが用意されており、例えばケーブルテレビ事業者から新しいサービスが追加されると、ユーザーからは自動的にメニューに項目が追加されたように見える形となっている。

 KDDI メディア・CATV推進本部 副本部長の神山隆氏は、「ケーブルテレビにおいて、インターネットとスマートフォンを取り込むのは一生懸命やっているところ。これまで『auスマートバリュー』を提供しているが、多チャンネル(ケーブルの有料チャンネル)やインターネット、auのコンテンツなどを提供できる」と、ケーブルテレビ事業でこれまで課題となっていた分野のコンテンツを一気に提供できる内容になっているとする。KDDIにとっては、ケーブルテレビ事業者側に明確なメリットを提供できる機器が登場することで、auスマートバリューの意義を高めたり、参加を後押ししたりする狙いもある。

 神山氏は、「インターネットと放送が一体となったもの。これまでのケーブルテレビの上にネットを乗せていくものになる。スマートフォンの上位レイヤーのエコシステムに乗れるSTBで、インターネットを軸に戦っていこうというもの」と、従来のケーブルテレビのサービスに留まらない内容が特徴としている。

 




(太田 亮三)

2012/7/18 11:43