ソフトバンクの「プラチナバンド」開始、スギちゃんがアピール


 7月25日、ソフトバンクモバイルの900MHz帯によるサービスが開始された。同日午後には、サービス開始を記念したイベントが開催され、タレントのスギちゃんらが出演した。

 イベントは、プラチナバンドをイメージしたきらめく衣装に身を包んだスギちゃんと、同じ衣装をまとった“スギちゃん5”が登場。5人は背の高さが少しずつ違っており、5本のアンテナを模した格好。そのうち1人は「ロンドンに行くはずだったが、暇になってしまった」という猫ひろしが務めていた。途中、3倍遠くまで届く、建物を回り込んで届く、といった表現で、プラチナバンドによってエリアカバーが広がることを紹介した。

 今年3月、総務省での審議を経て、ソフトバンクモバイルに900MHz帯の免許が割り当てられた。700~900MHz帯は、携帯電話サービス向けの周波数として、世界中で利用されており、サービスエリアの拡充に適した周波数帯とも言われる。

スギちゃんからのプレゼントというプラチナ色のアンテナ像登場時は、周囲の観客に“号外”を配る
届きやすさをアピール建物を回り込むと説明
ロンドン行きがなくなり、暇になった猫ひろしがスギちゃんに抱きついて感謝を示すそのスギちゃんは「今がプラチナ」と、今が旬であることをアピールして、次のCMへの起用を求めた

 かねてより、同社代表取締役社長の孫正義氏は、携帯電話事業へ乗り出す際には800MHz帯の割当を求め、参入後も「ソフトバンクモバイルにだけ800MHz帯がない」といった説明で、サービスエリアの拡充において、他社より不利な立場にあると主張してきた。特に近年はiPhoneの登場もあり、ユーザーからは「繋がりにくい」と厳しく評されることが続いており、孫氏は、プラチナバンドの割当を切望してきた。今回、プラチナバンドが利用できるようになったことで、ユーザーの不満を解消し、さらなる繋がりやすさの改善に期待がかかる。ただしエリア整備は一朝一夕に完了せず、周波数帯ごとのノウハウも必要とされ、他社からは「2GHz帯も900MHz帯も、都市部では違いは大きくない」(NTTドコモ加藤社長、6月の就任会見で)との指摘もある。

 ソフトバンクモバイルのWebサイトでは、900MHz帯対応製品として、iPhone 4、iPhone 4S、iPad 2、iPad(第3世代)や今夏モデルが紹介されている。またプラチナバンド対応エリア(9月末までの予定分)を紹介するページも用意されている。この地図では、都市圏よりも山間部や郊外で900MHz帯によるエリア拡充が進むように見えるが、ソフトバンクモバイルでは「基本的な方針として、混雑している地域、郊外で並行して基地局を設置していく」と説明。具体的な地域名は、現時点ではまだ公開できないとのことだが、開局した基地局の情報は、その翌日に同社Webサイトで案内するとのことで、今後の整備状況が逐次、公開される。




(関口 聖)

2012/7/25 15:14