ドコモが顧客情報流出の疑い、コールセンターなど監視体制強化


 NTTドコモは、業務委託先の元派遣社員が同社の顧客情報システムを不正に検索し、個人情報を社外に流出させた疑いがある発表した。愛知県警はこの元派遣社員を不正競争防止法違反の容疑で逮捕している。

 NTTドコモの顧客情報管理システムを不正に検索し、顧客の連絡先電話番号を社外に流出したとして、30日、愛知県警はドコモのコールセンターに勤めていた元派遣社員を逮捕した。ドコモでは、捜査に協力して全容解明に尽力し、監視体制を強化するとしている。

 ドコモではコールセンター業務を携帯電話のアフターサービス事業や携帯電話機補償サービス事業を展開するアシュリオン・ジャパンに業務委託している。アシュリオンはさらに、ドコモ100%出資子会社のドコモ・サポートに業務を発注しており、逮捕された元派遣社員は、孫請けとなるドコモ・サポートの元スタッフ。2012年1月に愛知県警より捜査協力を求められ、社内調査を進めていたという。

 なお、コールセンターで顧客情報を検索する場合、アクセスログを取得し、検索頻度などが監視されている。逮捕された元派遣社員は、この監視水準を下回る検索回数だったという。今回の事態を受けドコモでは、監視水準の見直しを図るとともに、チェック体制を強化、新たな水準をほかのコールセンターなどへも拡大していく方針だ。ただし、過去にさかのぼって新たな監視水準を適用することは予定していないという。

 

(津田 啓夢)

2012/7/31 12:21