スマートパスポート構想の中核、「au ID」に障害


 KDDIは、8月1日9時47分より、au IDを使った全サービスが利用できないという障害が発生していると発表した。

 au IDは、ひとつのIDで複数のサービスやコンテンツを横断的に利用できるサービス。KDDIでは、マルチデバイス化が進む近い将来への布石として、「auスマートパス」「auスマートバリュー」「au ID」の3つの柱からなるスマートパスポート構想を打ち出している。今回、その核となるau IDに障害が発生している。

 au IDは、サービスの利用や設定変更のほか、auの利用料と合算して支払える「auかんたん決済」を利用する際の加入退会処理、年齢確認、iPhoneのメール初期設定など、多岐に渡り利用されている。これらのサービスに対して、現在、利用できないもしくは利用しづらい状況が発生している。

 なお、iPhoneのメール設定については13時25分に復旧しており、現在、それ以外のサービスなどについても、段階的に復旧させている状況という。復旧に時間を要しているのは、データの整合性をとるための確認処理に時間が必要なためという。

 障害の原因はシステムに高負荷がかかったことによるもの。そもそも月初は課金処理など内部処理に負荷がかかる。これに加えて、KDDIが想定する以上のユーザーの利用があり、処理が追いつかずにシステムダウンした。

 KDDIでは「au ID」の利用者数については公表していない。ただし、7月25日の決算会見では、「au ID」が必要な「auスマートパス」について、150万契約以上と発表しており、これに近いユーザーに対し影響が出ているものと見られる。

【追記 2012年8月1日 19時30分】

 KDDIは、15時30分に障害から復旧したと発表した。ただし、アクセス集中により、しばらくの間は利用しにくい状態が続くという。同社では、8月2日1時頃を目途に全ての処理が正常になる見込みとしている。

 




(津田 啓夢)

2012/8/1 17:39