2011年度の大規模通信障害、スマホ限定事故が初めて発生


 総務省は、2011年度(2011年4月1日~2012年3月31日)に発生した電気通信サービスの大規模事故の発生状況をまとめた。

 総務省が規定する「大規模事故」とは、電気通信サービスの停止または品質低下を伴う事故が3万人以上に影響し、2時間以上継続した事故のこと。2011年度は、17件の重大事故が通信事業者などサービス提供各社から報告された。

最多報告はKDDI、LINEやMobageの障害も

 その内訳は、携帯電話に関する事故が10件、それ以外の事故(固定網など)が7件となった。2011年度は、携帯電話に関する事故のうち、初めてスマートフォンの利用者のみに影響がある事故が発生した。発生件数は4件。

 携帯電話事業者では、KDDIが6件の事故を報告しており、NTTドコモが4件、ソフトバンクモバイルは1件となった。KDDIの事故報告には、固定網の事故も含まれている。

 携帯電話以外の事故には、携帯電話と親和性の高いサービスの事故が含まれている。無線ブロードバンドのUQコミュニケーションズのほか、NHN Japanのコミュニケーションサービス「LINE」の障害や、携帯SNS「Mobage」を展開するDeNAのメールサービス障害なども2011年度に発生している。

 なお、2010年度は15件の重大事故が報告され、このうち携帯電話に関する事故は3件と少なく、多くは固定網のトラブルだった。2009年度は18件が報告され、携帯電話関係は6件だった。

データ・音声ともに小規模事故は固定網が6割

 また総務省では、大規模事故よりは影響人数や事故の継続時間の面で規模の小さい障害についても、四半期毎の報告を義務づけている。サービス別の事故発生状況を見ると、データ通信サービスの事故が65%を占めており、音声サービスの事故報告は25%に留まった。

 データ通信サービスの事故のうち、携帯関連の事故は24%で、60%は固定通信関連の事故となった。音声サービスについても、携帯関連の事故は30%、固定通信関連は64%だった。

 事故発生要因の49%は設備に関するもの。47%が他の事業者の事故や第三者要因、停電、自然災害などを含む外的要因で、人為的な要因による事故は2%に留まった。

 

(津田 啓夢)

2012/8/31 21:54