ルネサス、非接触IC兼用のNFC方式の無線給電ソリューション


 ルネサス エレクトロニクスは、NFC方式のワイヤレス給電ソリューションを開発し、それらを構成するNFCマイコン「RF20」、送電IC「R2A45801」、受電IC「R2A45701」を製品化する。11月よりサンプル出荷が開始される。サンプル価格は各500円。

 ルネサスが開発したワイレス給電システムは、スマートフォンなどに内蔵される非接触IC「NFC」のアンテナを流用してワイヤレス給電を実現するもの。スマートフォンの充電を想定したもの。給電範囲を10cm程度広くとれるため、送電と受電の位置ずれに強く、相互通信が可能なためよりセキュアに充電できるとしている。

 ルネサスでは、このシステムを構成するNFCマイコン「RF20」と、送電と受電用のICをそれぞれ製品化する。「RF20」は、ワイヤレス給電だけでなく非接触ICカードの用途にも利用できるもの。Android OSに対応し、スマートフォンなどに必要な機能を盛り込んだミドルウェアなども提供される。受電側は最大5Wまで対応する。送電側の出力については非公表で、端末の電池残量によって出力を強めたりといった制御が行える。

 「RF20」の量産は2013年1月より開始する予定で、半年後には月産100万個を生産する計画。また、送電IC「R2A45801」と受電IC「R2A45701」は2013年3月から量産を開始し、2013年12月にはそれぞれ月産100万個を生産する方針だ。

 

(津田 啓夢)

2012/9/12 13:42