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auから“本命”の「iPhone 5」発売、田中社長が熱弁


剛力彩芽とKDDI田中氏
発売カウントダウン

 9月20日、原宿のKDDIデザイニングスタジオでは、au版「iPhone 5」の発売記念イベントが開催された。KDDIはイベントにおいてiPhone 5を購入するユーザーを50人に限定し、購入者が周辺の交通に支障をきたすことなく執り行った。

 KDDIの代表取締役社長の田中孝司氏は、冒頭、iPhoneへの「思い」を口にするとともに、ネットワークを着実にチューニングしてきたことをアピールした。

 「ちょうど1年前、ここでiPhone 4Sの発売を行った。我々は最初(のiPhone)ということもあり、一部の機能が間に合わず、孫さん(ソフトバンクの孫正義氏)に機能が足らないと揶揄された。私も一応技術屋。KDDIの技術陣に本当にこのままでいいのか、僕らが目指す世界はそんな中途半端なことでいいのか、と問い詰めた。技術陣もその思いを感じてくれて、足らなかった機能を急速にキャッチアップしてくれて、今年の春には追いついた」(田中氏)

 田中氏によれば、技術陣から機能の対応状況の報告を受ける中で、「他社比較ではなく、今後のiPhoneに向けて、もっともっとすばらしいところまでチューニングしろと指示をした」という。発売記念イベントで田中氏は「その思いが今日発表できる。本当にうれしい」と語った。

いろいろな場所で速度を測定して欲しい

 田中氏はiPhone 5について「全て対応」と自負し、また、今日からスタートする「4G LTE」については「本当に速い」とアピールした。さらに、「初期段階ではトラフィックの多い都心部を中心にスタートする。購入していろいろなところで測定していただければと思う。実は私も一昨日、朝5時15分に山手線に乗って1周まわってきた。いろいろなところで(電波を)吹いており楽しい思いをした。デザインスタジオの中でも測定して欲しい。この場所は10MHz×2のエリアで、下りの速度は50Mbpsぐらい出ている。それほど今回のiPhone 5はKDDIのネットワークにチューニングできている」と語った。

 KDDIでは、今日現在のネットワークはあくまでも通過点だとし、田中氏は「毎日のように基地局が更新されている。今、東京都内では薄くエリアができているが、さらに基地局を打っているところで、最高の速度で最高のパフォーマンスでやっていきたい」と語った。



アップルとの連携

 さらに田中氏は、3G網の「WIN HIGH SPEED」(CDMA2000 1xEV-DO MC-Rev.A)についても言及し、下り最大9.2Mbpsを実現したことを説明。「世界の3GでおそらくWIN HIGH SPEEDに対応しているのは我々だけだが、アップルは我々のために対応してくれた。これもとんでもないスピードが出ている」と話した。

 また、KDDIは2.1GHz帯において、新たにPHSの隣接バンド(ガードバンド)が利用できるようになったことで、速度もキャパシティも余裕があるとしている。「WIN HIGH SPEED」はLTEのようにこれからエリアを拡大していくものではなく、既存のネットワークとなる。田中氏は「日本中で使える。楽しんで欲しい」などと語った。

 今回のiPhone 5では、Wi-Fiの2.4GHz帯よりも繋がりやすいとされる、5GHz帯もサポートしており、1つのトピックとなっている。田中氏は「iPhone 5が5GHzに対応してくると想定し、auがWi-Fiサービスをスタートする際に、将来のために5GHzを使っていこうと決めた。Wi-Fiのプロファイルも予めiPhone 5の中に入れており、なんの設定もなく利用できる。相当スピードが出る」と強調した。

テザリング、その他の優位性

 テザリング機能については、「世界で95%ぐらいのキャリア(通信事業者)がテザリングに対応している。iPhone 5の最初から使える」とアピールした。また、19日にソフトバンクの孫氏がテザリング対応を発表したことに触れて「我々は強い思いでやってきた。やっとソフトバンクを追い抜いて、我々のiPhoneのネットワークが最初にやれた」とした。

 それでは、ソフトバンクのテザリング対応によって機能的に横並びになったのか? 田中氏は「細かいところだがいろいろな機能を追加している。例えば最大3MBのメールが送れるのは優位点、メールの通知も件名も相手のメールアドレスも本文の一部も確認できる。去年は少し遅れていたが、今年は完全に追い抜いた機能だと思う」と述べた。

 通信料金については、「月額5460円で値上げしていない。ソフトバンクが値上げしたため並んだ。さらに、スマートバリューをセットにすると月額3980円でもっともお得だ」とした。



auスマートパス拡充

 さらに今回、「auスマートパス」のサービスを拡充し、これまでのアプリやオンラインストレージなどのサービスに加えて、Webサービスも展開する。これにより、Androidだけでなく、「auスマートパス」がiPhoneでも利用できるようになる。

 田中氏はiPhoneへの展開について「一気に行くぞ、という技術屋の思い。KDDIといえばauスマートパス。当初、Webサービスから開始したい。おそらくいろいろなことが年末に向かって起こると思う。楽しみにして欲しい」とした。

 auでは、LTEや3Gのインフラ、そしてWi-Fiのインフラなどを総じて「スマートネットワーク」と呼ぶ。こうしたネットワークとネットワークに最適化され、コンテンツサービスも提供することで「史上最高のiPhone 5」とアピールしている。

 田中氏は最後に「auのiPhoneは本命だよね、そんな風に思っている」と語っていた。

剛力彩芽が登場

 iPhone 5のセレモニーには、auのCMキャラクターである剛力彩芽が登場した。剛力は新CMにおいて「auへの乗り換えをアナウンスする車掌」の役をやるという。セレモニーではその制服姿で登場した。

 先にauが発表した「女子割」キャンペーンについて剛力は、「男性の方には“男子割”があります。auへの乗り換えは今がチャンスだと思う」とコメントした。

 iPhone 5の先行予約者のうち30名は、田中氏と剛力とともにステージに登壇し、そろいのiPhone 5のTシャツ姿で発売のカウントダウンを行った。最初の契約者はiPhone 5を手渡しされ、さらにTシャツに剛力が直接サインした。

 先行予約者はその後、アップルストアと同様に、スタッフらとハイタッチで契約に向かった。アップルストアでは恒例の“儀式”だが、KDDIデザイニングスタジオでの唐突な演出に、寿司詰め状態のメディア関係者からは失笑の声が漏れた。



予約状況、田中氏「あれはひどい!」と語る

 セレモニー終了後、KDDIの田中氏はメディアの囲み取材に応じた。この中で田中氏は、予約状況について語り「去年に比べて相当いい。今年は他社を上回っているのではないか」とした。MNPについても好調とし、NTTドコモよりソフトバンクからの乗り換えが多いと語った。好調な要因を田中氏は「ネットワークへの期待票ではないか」とした。

 「あれはひどい!」「勘弁してよ!」と田中氏が語ったのは、19日のソフトバンク孫氏のプレゼンテーションの内容について。19日の会見では、プレゼンテーション資料において、LTEの基地局数を誤って掲載した。田中氏は「2012年8月の数字(基地局数)を2013年3月末の数字に入れ替えて、うちはすごいんだと言っている。さすがにすごいので広報経由で申し入れて、ごめんなさいと返ってきた。基地局数については同じぐらいじゃないかと思っている」と語った。

 なお、ソフトバンク側ではこの申し入れに従って、訂正のメールをメディア各社に送っている。田中氏は2012年度末の基地局数を1万超とし、「我々はトラフィックの多いところ、お客さんの多いところから打ち出しているので、(当初の基地局数について)差が出ている。WiMAXも私はやっていたが、OFDMAへの経験がある。我々は相当チューニングをかけており、とんでもないスピードが出る。LTEもWi-Fiも。古い話だが“ゲロゲロ”という感じ。どうぞ試して欲しい」とした。また、バッテリーについてもこだわったとして、「他社と比較して保つ」と述べた。

auのiPhone 5は「相当チューンされている」

 KDDIデザイニングスタジオは、下り最大75Mbpsのエリアとなっている。会場のiPhone 5で測定したところ、速度は40Mbps〜50Mbps台を計測した。会場スタッフに聞いたところによれば、下り最大37.5Mbpsのエリアでも、下り20Mbps程度は出ているという。

 田中氏はテザリング機能をソフトバンクが開始すると発表したことについて、「あまり気にしていない」と語った。「ソフトバンクのテザリングはまだ先。去年は先に行かれたが、春に追いついて今回僕らが追い抜いた。ユーザーはこれから2年間契約することになってしまう。2年間どちらを信じるんだという世界。追い抜いて先にいろいろ準備したのは、iPhone 5を選ぶ人に相当アピールしているのではないか。営業部門に自信を持ってやれと激励したところ」と話した。

 また、ソフトバンクのiPhone下取り策については、「僕はテッキー(テクノロジーオタクのこと)なところもあって、なかなか自分が使ったものを違う人が使うのはどうかなぁと思ってしまう。海外に売るとあったが、ちょっとやだなぁと思った。オプションとして選べるようにするという考えもあるが、ちょっと様子見だ」とコメントした。

 さらに、販売店などのiPhone対策について、「確かに去年はよくなかったが、相当
よくなってきていると思う。もっともっとマイクロマネージメントして、事故が起こらないようにしていくつもり。ソフトバンクをキャッチアップしたいかと言われれば、向こうが優れているとは思っていない」と話した。

 スマートフォン時代のネットワーク障害について、田中氏は「誤解が出ているが、スマートフォンのトラフィックで通信障害を起こしたことはない。電源の障害や固定回線側の障害でスマートフォンに影響でたことはあった。僕もトラフィックへの経験は豊富。ネットワークのいろいろなパラメーターとレポートは数日おきにレポートを受けている。ネットワークが危険領域になればすぐに設備投資するところまでマネージメントしている。トラフィック対策は相当やっている。UMTS(W-CDMA)が電話型のネットワークなのに対して、CDMAのネットワークはインターネット型のネットワーク。お客に迷惑かけないと約束したいと思う」と説明した。

「auスマートパス」の将来、「想像して欲しい」

 iPhone向け「auスマートパス」でのアプリ提供については、「想像して欲しいんだけど、ノーコメント。Webからということ。期待して」と話した。

 このほか「お客さんの望むことを提供するのがキャリアの使命だと真面目に思っている。最初は機能が足りないなかったがみんなの努力でここまできた。もっといろいろやっていきたい」、「お客が望むものを選んでもらうのが我々のスタンス。(AndroidとiOS)それぞれいいところがあり、それを説明していかなければならない」とした。

 




(津田 啓夢)

2012/9/21 13:04