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MetaMoJi、iPad用手書きノートアプリ「Note Anytime」を無償公開


 株式会社MetaMoJiは9月26日、モバイル端末用の手書きノートアプリ「Note Anytime(ノート・エニイタイム)」iPad版を無償公開した。App Storeから無料でダウンロードできる。

 アプリはワールドワイドで無料公開し、ガイドムービーも13カ国語を用意。9月26日にiPad版を提供開始し、今後10月末にWindows 8版、年末までにiPhone版、来春にはAndroid版の提供を順次開始する。

 「Note Anytime」はアプリ本体は無償で提供し、日本語手書き入力「mazec」や、高付加価値機能のアドオン、デザインされた表紙や用紙テンプレート、および特別に描かれたイラスト、カリグラフィー文字などはオプションで有償提供する。

スマートデバイス上の「新しい紙とペン」

株式会社MetaMoJi 浮川和宣社長

 発表会で株式会社MetaMoJi 代表取締役社長 浮川和宣氏は、「昨年2月3日、手書き認識技術Mazecを用いた7notesを発表し、最近では法人からの引き合いを大変多くいただいている。スマートデバイスが日本でも普及し、世界的な潮流となっている。スティーブ・ジョブズ氏はiPadを『紙とペンの新しい発明だ』と言ったが、それはハードウェアだけでは実現できない。ソフトとハードの環境がすべて整った時にはじめて実現できると考えている。私たちもそこに壮大な夢を抱いて、『Note Anytime』という製品を作った」とコメント。

 製品開発の狙いを、紙とペンのように自然に使える日本語デジタル入力環境の実現だと述べた。また、もうひとつの悲願として、「世界を舞台に活躍したい」と延べ、「Note Anytime」をリリース当初からワールドワイドで展開できる製品として開発してきたと説明した。

 浮川氏はコンセプトとして、(1)紙と鉛筆が進化した新世代デジタルノート、(2)トップクラスの使用を持ち、世界で販売、(3)様々なオプション、機能を追加できる発展性のある構造(4)iOS、Android、WindowsすべてのOSに対応する――の4項目を上げた。


Note Anytimeで作成したドキュメントの例


Note Anytimeのおもな機能

 「Note Anytime」では、描画、ペン、消しゴム、テキスト入力の機能を持ち、手書きでは丸ペン、カリグラフィーペン2種、点線の4種のペンが利用できる。Undo & Redo、グループ化、ユニット編集(追加、拡大・縮小、回転、消去)が可能。また、写真やウェブページの取り込みや、オプションのイラストやカリグラフィーを取り込むことができる。イラストやカリグラフィーは、ベクターデータとして登録されているものは取り込んだ後に再編集が可能だ。

 アイテム・ライブラリとしては、あらかじめ登録されている「ベーシック・アイテム」のほか、自分が作成した手書き文書の一部を登録する「マイ・アイテム」、サーバーからダウンロードして使うことのできる「アイテム・ライブラリ」が利用できる。

 文書管理はMetaMoJiが運営するクラウド・ストレージ「Digital Cabinet」への保存が可能で、ストレージ容量は無料で2GBまで利用できる。「Digital Cabinet」では、文書タグを設定し、タグからフォルダを生成することで、文書を見やすく整理できる。タグは、ひとつの文書につき、複数付与することができる。

 他のアプリとの連携機能も持ち、メールにNote Anytime形式、PDF、画像ファイルで添付して送付できるほか、Twitter、Facebook、Tumblrなどとも連携できる。

 アプリ本体は無償だが、高度な機能は有償オプションとして用意されており、日本語手書き変換アドオン(mazec) は600円、カスタマイズカリグラフィーペンは450円、追加ノート(プレゼンテーション) 85円から、追加用紙(表紙)は85円から、追加アイテムは170円から。インクセットは、パステル、グレイッシュ、アースカラーの3種が用意され、それぞれ170円。インクセットは消耗型で、使用に応じて減っていき、補充が必要になる仕組み。カリグラフィーペン用グラデーションインク(消耗型)は350円。

 なお、株式会社MetaMoJiの既存製品となるアプリ「7notes」との互換性については、現在は7notesとNote Anytimeのファイルはそれぞれ独自フォーマットで互換性はないが、「7notes側がNote Anytimeに合わせる形で互換性をとる方向で、来年春ごろまでには対応したい」(浮川初子専務)とした。クラウドサービスについても、Note Anytimeのデジタルキャビネットに収束していく予定だという。

 また、7notesのユーザーでも、iOSでは複数アプリでひとつのIMEを共用することができないため、Note Anytime用のmazecは別途600円で購入する必要がある。

ベクターデータのため、後から文字色やペンを変更でき、拡大・縮小・回転もできる mazecを使った日本語手書き入力もできる テキストや手書き文字も回転や縮小ができ、回転後の文字も編集できる
ライブラリには無料の標準アイテムのほか、オプションで購入できるアイテムや自分で作成した文書なども保存できる 標準のカリグラフィーはペンが2種あり、自由に編集できるペンもオプションで購入可能 文書はタグ付けして管理できる。ひとつの文書に複数タグを付与することもできる
Windows 8で、タッチパネル付き大型液晶を使ってピンチイン・ピンチアウトのデモをする浮川社長 ピンチインを繰り返して拡大した文書には、浮川専務の写真が貼ってあった iPhone 5のデモ。上下に黒い帯が表示されることなく、フィットした画面表示になっている


複雑な処理でも追従性を損なわない、操作性へのこだわり

株式会社MetaMoJi 浮川初子専務

 「Note Anytime」は、フルスクリーンモードではボタンが1つだけ表示され、そのボタンを押すと様々な編集操作を行うメニューアイコンが花びらのように表示され、メニューバーも同時に表示される。分かりやすい操作性で、世界中の誰でもが短い習得時間で利用できることを目指したという。

 手書き入力ではあるが、すべてをベクターデータとして保持。手書きの文字については、カリグラフィーペンを標準で用意。手描きでびっしり書いても、文字が美しく見えるよう配慮した。ワールドワイドで販売することも踏まえて、カリグラフィーペンの採用を決めたという。

 カリグラフィーペンでたくさんの線を書いて、多数の線を横断するように消しゴムツールを使った場合に、カリグラフィーの情報を保持しながら、切断された多数の線それぞれをベクターデータとして再計算するなど、内部的にはかなり手の込んだソフトウェア処理を行う仕組み。複雑な処理を行いながら、遅延なく描画する操作性を実現できたのは、「すべて自社開発で快適なレスポンスを追求した」ことによると浮川社長は説明する。

 描いた絵や文字はすべてベクターで保持され、あとから拡大・縮小・回転などの処理を行うこともでき、mazecによる日本語手書き入力、テキスト化が可能。カリグラフィーペンのペン先は、標準では2種が用意されているが、自由にペン先の角度などを編集できる機能をオプションで用意する。

 「Note Anytime」は、自由に手書きで書くこと以外にも、ワープロのようなテキスト編集を可能とする「テキストボックス」機能を提供。付箋に書き出して自由に配置を変えるブレストミーティングのようなことも「Note Anytime」上で行える。

 iPadで撮影した写真や、カメラロール内の写真の取り込み、ウェブ画面の取り込み機能を持ち、それぞれを拡大・縮小、回転させて思い通りに配置することができる。写真は背景に設定したり、ノートブックのような種々の表紙や中の用紙に設定することも可能。

自由に描いた線を、消しゴムツールで消したあと。切れ切れになった線は、ひとつずつのベクターデータとしてカリグラフィーの情報なども含めて再描画される


PDFに赤入れ、クラウド上に保存、プレゼンなどビジネス用途にも

 PDFを取り込み、手書き文字で文字などを書き入れるアノテーションも可能で、ビジネス文書の校正やチェックに利用できる。書き入れた文字もベクターデータやテキストとして保持するため、後から編集が可能だ。また、PDFに赤入れしたファイル全体をPDFとしてファイル出力し、メールで送ったり印刷することもできる。

 よく使う文書パターンについては、自分の手書き文書を登録できる「アイテム・ライブラリ」に登録して、呼び出して使うこともできる。

 「Note Anytime」では、ネットワークに接続している時に、MetaMoJiが運営するクラウド上のオンライン・ストレージ「デジタル・キャビネット」と自動的に同期し、データの保管を行います。「デジタル・キャビネット」は、2GBまで無料で利用可能。Windows、iPhone、Androidなど各種OSや端末に今後対応を予定しており、対応後は異なるプラットフォームの端末で文書データ共有が容易に行えるようになる。なお、利用にネットワーク環境は必須ではなく、ネットワークが使えない環境では「オフラインモード」で使用できる。

 ベクターデータで保持し、ピンチイン・ピンチアウトにより拡大・縮小が自在に行えるため、たくさんの情報を一画面に書き込むことができる。MetaMoJiによれば、iPad上で、最大縦4.0メートル、横5.3メートル、広さにして約12畳に相当する広大な編集領域が利用できるという。

 このため、プレゼン資料などを一覧する画面を作り、顧客が興味を持った画面を拡大して見せるといったプレゼンテーションも行える。描画画面の一部分を拡大して編集できる「ディテールウィンドウ」機能も搭載。メモ書きや赤入れの際も、通常のPDF校正ツールのように書くスペースを気にすることなく、たくさん書き込みたい場合は拡大表示して小さい文字で書き入れることができる。

 「Note Anytime」の発表にあたっては、NECパーソナルソリューション販売推進本部 本部長 橋本 欧二氏が賛同コメントを寄せており、「Note Anytime」とNEC新商品のタッチパネル内蔵65型LCD搭載ディスプレイ「BrainBoard」と組み合わせた商品・サービスを提案していく方針を明らかにしている。

手書きながら大量の情報を書き込めるため、一覧画面から、興味のあるところを拡大して見せるといったプレゼンが可能になる
PDFの校正も、自在に拡大縮小してスペースを気にせず書き込め、後から編集も可能 紙とペンのように、図や文字が自在に書き込める






(工藤 ひろえ)

2012/9/26 18:10