KDDI、海上から被災地をカバーする船上基地局の試験


 KDDIは、携帯電話基地局を船上に設置し、災害発生時に海上からエリア復旧を行う実験を11月下旬に実施する。実用化は2013年度中を目指す。

 KDDIは総務省中国総合通信局が主催する「災害時における携帯電話基地局の船上開設に向けた調査検討会」に参加しており、今回、国内初の取り組みとして、海上保安庁の船舶に携帯電話を開設し、携帯電話システムとしての品質を検証する実地試験を行うことになった。

 同社は車載型基地局や可搬型基地局、無線エントランス回線の増強など災害時に向けた取り組みを行っているが、これら陸上での復旧に加えて、陸上の被災状況の影響を受けにくい海上から復旧を行うことで、さらなる早期復旧の仕組みを構築する考え。

 11月下旬に予定されている試験は、広島県呉市の海上にて、海上保安庁の巡視船くろせに開設した携帯電話基地局の電波を、沿岸部で受信するというもの。音声通話、データ通信の品質が測定され、具体的には電波強度の確認のほか、潮位の変化による品質への影響、波による船舶の揺れに伴う品質への影響なども検証される。船舶の基地局からKDDIのネットワークに接続する部分は通信衛星を利用する。


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(太田 亮三)

2012/9/27 16:22