東京メトロの携帯エリア化、完了時期を2012年度末に


 東京メトロは、移動通信基盤整備協会とともに進めている全線のトンネルでの携帯電話アンテナ設置工事の完了予定時期を、当初予定していた2012年中から、2012年度中(2013年3月末まで)に変更すると発表した。当初の予定より3カ月ほど遅れる形になる。

 同社によれば、工事完了時期がずれ込むのは、8月1日未明に携帯電話用アンテナ設置工事のトラブルが発生したことを受けて、夜間工事の安全管理の強化、再発防止策を講じたため。このトラブルは、南北線の白金高輪駅構内で発生したもので、傾きがある場所に置いていた資材搬送用の台車が、人が乗っていない状態で資材を乗せたまま、ブレーキが緩み、ひとりでに走り出した。この影響で、南北線および併走している都営三田線では始発で運転を見合わせた。トラブルの復旧に時間は要さなかったとのことだが、運行に支障が出たことを重く受け止めた東京メトロでは、安全対策の徹底を図り、その影響で工事完了時期が遅れることになった。

 路線別の工事完了時期の目処は明らかにされていないが、年末年始などの時期的な要因もあって3カ月の遅れになる。なお、有楽町線と副都心線の小竹向原と千川の間は、連絡線を新たに設置する工事が行われており、この工事を終えてから携帯電話のエリアが進められる。そのため小竹向原~千川間のエリア化は2016年度中になる見込み。

 なお、東京メトロでは、既に銀座線(神田~銀座)、丸ノ内線(茗荷谷~淡路町)、日比谷線(日比谷~中目黒)、千代田線(綾瀬~湯島)、南北線(市ヶ谷~赤羽岩淵)で利用できる。




(関口 聖)

2012/10/31 17:44