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Bluetooth機器は来年25億台規模へ、Bluetooth SIGが会見


スーク・ジャワンダ氏

 Bluetoothの仕様策定、対応機器の普及促進を図るBluetooth SIGは、8日、都内で記者説明会を開催した。

 来日したBluetooth SIGのCMOスーク・ジャワンダ氏は、Bluetoothがパソコンやヘッドフォン、携帯電話などへ採用されているだけでなく、医療機器やゲームコントローラー、フィットネス関連製品など、幅広く採用されていることをアピールした。

 Bluetoothが2000年に登場して以来、これまでに世界で90億台の対応端末が出荷されており、対応機器を投入する企業は1万7000社に及ぶ。日本国内では約800社がBluetooth SIGのメンバーとなっており、パナソニックやソニー、任天堂、オムロンといった大企業のほか、中小企業も参加しているという。2012年だけで20億台の対応機器が出荷されるという、調査結果も明らかにされた。

 ジャワンダ氏は「Bluetoothが重視しているのは高品質で安全、かつ便利なこと」と話し、Bluetooth BR(Basic Rate)や、より大容量なデータが扱えるBluetooth EDR(Enhanced Data Rate)に加え、最新版となるBluetooth 4.0では、低消費電力で利用できるBluetooth Low Energyをサポートしたことを紹介した。



 Bluetooth SIGでは、ヘッドセットやカーナビゲーションなどこれまでの対応機器を「Bluetooth」、Belutoothをセンサーとして活用する機器を「Bluetooth SMART」、そしてそれらを接続して機器間のハブとなるスマートフォンやタブレット、パソコン、テレビなどを「Bluetooth SMART READY」と呼ぶ。

 「Bluetooth SMART READY」の最初の対応製品はアップルの「iPhone 4S」で、以降のiOS製品は、いずれも「Bluetooth SMART READY」対応となっている。また、マイクロソフトのWindows 8もBluetooth 4.0をサポートしており、ジャワンダ氏は「Bluetoothのエコシステムにおいて非常に大きなニュースだ」と語った。

 さらに同氏は、GoogleがBluetooth SIGのメンバーになったことに言及し、「Android製品のBluetooth対応もさらに推し進めてくれるだろう」と話した。

Bluetoothをセンサーに活用

 説明会では、歯ブラシやゴルフクラブ、血糖値測定器など「Bluetooth SMART」対応機器が紹介された。こうした機器で測定したデータを「Bluetooth SMART READY」を経由してクラウド上で管理することにより、これまでよりも“スマート”な生活が送れると紹介された。



 Bluetooth対応歯ブラシは、子供の利用を想定したもので、保護者は子供がどれぐらいの頻度で歯を磨いているか、どの程度の力をかけているかなどが把握できるという。対応ゴルフクラブは、スイングした際のヘッドスピードやボールのどの部分を打っているかなどといった情報が得られるものだ。これらはいずれもBluetooth Low Energyのチップを搭載している。

 また、ジャワンダ氏は医療やヘルスケア分野について、「巨大な可能性のある市場」と語った。この分野は現在、世界で1500万台規模の出荷数だが、今後3年間で20億台にまで拡大する可能性があるという。利用者が自身の測定結果を確認し、アプリケーションからアドバイスなどが得られるほか、医者側のデータ管理も容易にし、これまでよりも適切な処置が施せるとした。

M2M市場

 このほかジャワンダ氏は、機器間通信を意味するM2M市場においてもBluetoothに明るい未来が待っているとする。Bluetoothは通常30m程度の範囲までが通信エリアとなる近中距離の無線通信技術となる。ジャワンダ氏の説明によると、産業用のより大きなアンテナを使うことで、通信エリアは1kmまで拡大できるという。これにより、たとえばBluetooth対応のパーキングメーターから満空車情報を発信し、運転者に空いているパーキングを通知するといった利用が可能になる。

 なお、Bluetoohtは2.4GHz帯を利用した通信技術だ。同帯域はWi-FiのIEEE802.11a/b/gも採用しており、日本でも2.4GHz帯のWi-Fiの混雑が問題になっている場合もある。発表会終了後、電波の干渉と帯域の混雑状況についてジャワンダ氏に質問すると、同氏は「Bluetoohtについては問題が起こりにくいだろう」と話した。

 Wi-Fiは2.4GHzの数チャンネルを利用し、通信が混雑した状況ではしばしば輻輳が起こりやすい状況にある。これに対してBluetoothは、2.4GHz帯の全てを使えるという。ただし、帯域を全て占有するのではなく、同じ帯域で動作する機器を探し出し、使用中の周波数を避けて帯域を確保し、通信の利用効率を上げている。この技術を「Adaptive Frequency Hopping(AFH)」と呼び、ジャワンダ氏は「AFHによって影響は受けにくい」と話していた。

 Blueooth SIGでは、2013年にも25億台のBluetooth製品が出荷されるとし、2017年には270億台にまで拡大すると予測している。ジャワンダ氏は「Bluetoothはいろいろなモノを繋げる、モノのインターネットを実現するために重要だ。今後さらに繋げられる製品を拡大していく」と話した。

 発表会後半には、Bluetooth機器を展開する各社が短いプレゼンテーションを行ったほか、タッチ&トライにはさまざまな対応製品が並んだ。


Bluetoothのプロトコルスタックなどを手がけるAdvanced and Wise Technology
Bluetooth Low Energy対応のアナログ腕時計などを展開するワイヤレステクノロジー。同社の「cookoo」はAPIを公開してアプリ開発しやすい環境を提供しているという
バッファローのBluetooth 4.0対応ヘッドセット
こちらもバッファロー、Bluetooth Low Energyを採用したキーホルダー。iPhoneが探せる
カシオ計算機は、同社が関わっているBluetooth SIGのPUID(Personal User Interface Devices)グループの活動を紹介。国内の時計メーカーが中心となって標準化を行ったという
Bluetooth Low Energy対応のG-SHOCK PUIDでは、時計で緊急事態を知らせる機能などの規格化を検討しているという
スマートフォンの専用アプリを使い、Bluetoothで通信しながらコントロール

 

(津田 啓夢)

2012/11/8 16:05