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シャープ、米クアルコムとディスプレイ開発で資本提携

シャープ、米クアルコムとディスプレイ開発で資本提携

 シャープは、米クアルコム(Qualcomm Incorporated)の子会社、Pixtronix(ピクストロニクス)と、MEMSディスプレイを共同開発することで合意したと発表した。これに伴い、クアルコムを割当先とした最大約99億円の第三者割当増資も行う。

 MEMSディスプレイは、微細な加工技術を利用するディスプレイで、色再現性、低消費電力、既存生産インフラの効率的な利用といった特徴を持つ。両社は、共同開発するMEMSディスプレイの実用化に向け、シャープのIGZO技術と統合し、開発を進めていくとしている。

 合わせて実施される第三者割当増資は、新株式を発行し、クアルコムを受け入れ先として実施され、最大で1億2000万ドル(約99億円)がシャープに対して出資される予定。この資金はMEMSディスプレイの開発および設備投資費用に用いられる。第二次の第三者割当増資は、技術開発の段階に応じて設定された条件の達成が前提としている。

 シャープとクアルコムはまた、今回の契約を機に、クアルコムの子会社、Qualcomm Technologiesが提供するチップセットとIGZO技術のさらなる取り組みの可能性を検討していく。

 なお、ピクストロニクスは2012年に入ってクアルコムが買収した企業。クアルコムでは、ピクストロニクスのMEMSディスプレイ技術は、クアルコムMEMSテクノロジーズが開発しすでに採用端末も登場している「mirasolディスプレイ」とは全く異なる技術としている。

太田 亮三