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Google、iPhone向け「Google Maps」提供開始

 グーグルは、iPhoneで利用できる地図アプリ「Google Maps」の提供を開始した。iPhone 3GS以降(iOS 5.1以降)とiPod touch(第4世代以降)に対応する。iPadはまだ非対応機種だが、互換モードで表示はいびつながら利用することはできる。

 利用できる主な機能は、地図表示、経路検索(自動車/徒歩/公共交通、バス含む)、周辺の施設検索(ローカル検索)、ストリートビューなど。まずはベーシックな機能の実現を目指したとのことで、Android版で利用できるインドアマップ、オフライン機能(日本のAndroid向けGoogle Mapsでは非対応)などが利用できないが、今後、順次対応していく見込み。ユーザーインターフェイスは過去の地図アプリ、あるいはAndroid版とは異なる形になり、地図表示や店舗検索時に情報を上下左右にスライドして、一画面で、さまざまな情報を確認しやすい形になった。

店舗情報(左)と店内を紹介するおみせフォト
ナビ画面

 地図はベクトル方式で描画され、ズームインや回転などの操作ができる。バードビュー風の斜め上からの視点にして、拡大していくと建物が3Dで表示される。検索時には、周囲の施設が「サジェスト」(提案)として表示される。

3Dで表示
経路検索
航空写真
地図

 地図右下のアイコンに触れて、右から左へ指をはらうと、画面右に「交通状況」「路線図」「航空写真」などのボタンが表示され、地図の上に渋滞の様子、鉄道路線図を重ねて表示できる。

 たとえば店舗を検索するとピンが立ち、その場所までの移動時間もあわせて表示される。店舗とストリートビュー、店舗情報をあわせて表示することもできる。店舗情報では通話や保存といった基本的な操作のボタンも用意されており、スムーズな操作を実現した。

 このほか、ユーザー自身のGoogleアカウントを登録し、自宅や勤務先の住所を登録して、手軽に自宅や勤務先を出発地/目的地にした検索を行うこともできる。パソコン版のGoogle Mapsと同期しており、パソコンで検索した履歴をiPhoneで参照できる。

 一般的なiPhone向けアプリと同等の振る舞いになり、Safariで閲覧中のサイトに、「Google Mapsを起動する」といったURLが記されていれば、Google Mapsを起動できる。ただし標準で起動する地図アプリには設定できない。

 このほか店舗が閉店しているなど、情報が間違っている場合、iPhoneを振ると画面上に「フィードバックを送る」といったメニューが表示され、報告できる。

何も入力しなくても過去の履歴などからサジェスト
地図、店舗情報、ストリートビューを一覧表示
地図の情報をメッセージ、メールに渡せるほか、クリップボードにコピーすることも
キーワード検索して店舗情報を見ているときに……
店舗情報を左右へスライドすると
次の検索結果の店舗に切り替えられる
すると地図も移動する
閉店情報などは端末を振って表示されるフィードバックの送信から

いかにGoogle Mapsを届けるか

グーグルの牧田氏

 アップルのiPhoneでは、最新版の「iOS 6」とあわせて、地図アプリが刷新された。それまでアップルの地図アプリのデータはGoogle Mapsをベースにしたものだったが、アップル独自の地図への変更された。ただし、施設の情報などに不備が多く、アップルでは9月下旬に謝罪声明を発表していた。

 13日、都内で行われた記者説明会で、プレゼンテーションを行ったグーグルのGoogleマップ製品開発担当部長、プロダクトマネジャーの牧田信弘氏は、アップルのアプリについては何もコメントできない、としつつ、「(iPhoneの地図アプリが変更され)ああいう状態になってから、どうしたら我々のGoogle Mapsが届けられるか考えてきた。開発は常に行っており、良い機会ということでユーザーインターフェイスも一新した」と説明する。

 牧田氏は、以前の地図からの進化は意識せず、「今回、全てスクラッチで(ゼロから)開発した。地図を見せるとき、どうやって表現したらいいか、という点を最初から考えた。その結果、直観的なユーザーインターフェイスになったと思う。左右へのスライドなどは、ダウンロード直後のチュートリアルで案内して、利用しやすくした」と説明している。

 機能面ではAndroid版と大きな違いはないが、ユーザーインターフェイスは異なる。この点について、牧田氏は「もともとGoogleのミッションとして、ありとあらゆる情報をデバイスやOSにとらわれず届けたいと考えており、今回は1つのステップに過ぎない。同じようなユーザー体験が、ありとあらゆるプラットフォームで実現できるようにしていきたい」と述べ、各OSごとに今後も進化を続ける方針を示した。

開発者向けにSDKも

 グーグルでは、今回初めて、iOSアプリ開発者向けに「Google Maps SDK for iOS」の提供を開始した。これにより、Google Mapsを取り込んだサードパーティ製アプリを開発できる。

 これまではデスクトップ版の地図を取り込むことはできたが、今回、iPhoneのネイティブアプリ向け地図を利用できるようになったとのこと。

(関口 聖)