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ドコモのフルHDスマホ、ひかりTVのSTBと連携可能に

ドコモのフルHDスマホ、ひかりTVのSTBと連携可能に

 NTTドコモの2013年春モデルのうち、ディスプレイがフルHD(1920×1080ドット)となる機種では、1月31日より、NTTぷららの映像配信サービス「ひかりTV」のセットトップボックス(STB)と連携できるようになる。

今春提供のSTBではムーブ対応

 この取り組みは、ひかりTVの機能「ひかりTVリンク」を拡充し、スマートフォン側ではパケットビデオのアプリ「Twonky Beam」を利用することで実現するもの。「ひかりTVリンク」では、ひかりTVのSTB「IS1050」内に録画した番組をDLNA/DTCP-IP対応機器で視聴できる。

 これにより、ひかりTVユーザーは、手持ちのフルHD対応スマートフォンで、ひかりTVのSTBを介して、60以上のチャンネルで提供されるテレビ番組を宅内でストリーミング視聴したり、スマートフォンにムーブして外出先で楽しめるようになる。

 現在提供されているひかりTV対応チューナー「IS1050」では、録画した番組を、ドコモのフルHD対応スマートフォンおよびタブレットでフルHD画質のままストリーミング視聴できるようになる。今春、ぷららから提供されるAndroid搭載の多機能STBではストリーミングに加えてムーブも可能になり、外出先でも視聴できる。

お試しキャンペーンも

 なお、ひかりTV会員ではないユーザーに向けて、お試しコンテンツの提供キャンペーンが2月1日~4月30日まで実施される。同キャンペーンでは、ひかりTVで提供されるフルHD番組の一部が無料で視聴できる。利用する際には、キャンペーンアプリを「Google Play」やキャンペーンサイト経由でダウンロードする。

STB連携の背景

 「ひかりTV」は、NTTぷららが提供する映像配信サービス。80以上のチャンネルを用意してケーブルテレビやCS放送のように利用できるサービスや、オンデマンド型のサービスが用意されており、どのサービスを使うかによって、料金が異なる。

 たとえば月額2625円の「テレビおすすめプラン」に加入すると、多チャンネルテレビ型の「テレビサービス」のベーシックチャンネルが利用でき、月額3675円の「お値うちプラン」はベーシックチャンネルに加えて、オンデマンドの「ベーシック見放題」なども利用できる。

 このように、通信業を主とするNTTグループにおいて「ひかりTV」は、ケーブルテレビ的なサービスと位置付けることができる。一方、スマートフォンを軸とした業界間の競争に目を転じると、たとえばKDDIは、ケーブルテレビ会社を傘下に抱え、スマートフォンとケーブルテレビサービスを組み合わせたパッケージを展開している。今回のひかりTVとの連携は、フルHDディスプレイを活かすための施策の1つであり、コンテンツの提供環境を整備することが目的とされ、加藤社長のプレゼンテーションでも踏み込んで案内されることはなかったが、競合他社への対抗策という一面も見え隠れしており、今後、どう進化するか注目のサービスと言える。

関口 聖