ニュース

小中学生の子供持つ親向けに「正しいスマホの持たせ方」セミナー開催

セミナーの一コマ。親子で触る姿があちこちで見られた

 3月3日、都内のカフェにて、小学生から中学生の子供を持つ親を対象にした「スマホの正しい持たせ方」セミナーが開催され、篠崎ゆき氏による司会のもと、元小学校教員のITジャーナリスト 高橋暁子氏と、本誌でもおなじみのジャーナリストの法林岳之氏が講演を行った。

 本セミナーは、「安心安全なスマホデビューを応援する 小学生〜中学生の子供を持つ親御様向けセミナー」と題して、AQUOS PHONE Watch Facebookページを中心に受講者を募集したもの。「子供を取り巻く現状と、スマートフォンを持たせる危険性と効果」(高橋氏)、および「保護者として知っておきたいスマートフォンの基礎知識」(法林氏)という2部構成となっており、環境と端末の両面から学べる内容になっている。

 当日は16名の保護者と、9名の子供が参加。参加者1人に1台ずつ「スマートフォン for ジュニア SH-05E」が貸し出された。時折防犯ブザーが鳴り響く場面も見られたが、大人も子供も、到着するなり端末を手にして、操作を楽しんでいる様子だった。

セミナー中の様子。ほとんどの保護者がLINEを使っていたのは印象的だった
スライド
会場で配布された資料
資料とともに、お守りもプレゼントされた
おかわり自由のお茶とお菓子も振る舞われ、子供に人気だった
司会を務めた篠崎ゆき氏

家庭での話し合いと、大人のリテラシー向上が大切

ITジャーナリストの高橋暁子氏

 前半の講演を担当した高橋氏は、学校や家庭で、子供達を取り巻く環境や、実際に子供達の周りで起きている事例について解説。子供の携帯電話、スマートフォン所有率の変化といった流れから、ネットでトラブルに巻き込まれる子供達の事例、フィッシング、ワンクリック、架空請求、不正請求の存在、裏サイト問題、ネットのいじめ、ネット依存の危険性などを紹介した。

 架空請求や不正請求については、「本当は払う必要はないのに、脅されてつい払ってしまう」と知識がないために起こる点を指摘。また、ネットのいじめについては、被害に焦点が当てられがちだが、「ネットいじめは、加害者にもなりやすい」という逆の点についても言及した。

 ネット依存については、事前のアンケートでも心配する声が多く寄せられていたという。そこで「子供たちは、自分が友達にどう思われているかを非常に気にしており、友達であるということを証明するために、3分位内に返信するなどのルールに縛られやすい。そのため、1日に100通もメールを送った子供もいるほど」と背景を紹介した上で、「コミュニケーションはフィルタリングできないので、システムでトラブルを防ぐことは難しい。親が子供の様子をよく観察すること、家庭でルールを決めることも大切」と訴えた。

 高橋氏によれば、トラブルは野放しにされているスマートフォンユーザーに多いという。また、19歳になってフィルタリングの対象から外れたとたん、頻繁にトラブルに合う子供もいるとして、「その前に、何が危険で、どうしたら正しい使い方ができるかを家庭で教えなくてはならない」と、リテラシーを高めていくことの必要性についても言及した。

 スマートフォンを持たせるメリットについては、連絡が取りやすい、災害情報が得やすい、GPSで子供の居場所を把握しやすいといった点を挙げ、「スマートフォンが使えると就活に便利で、情報リテラシーの高さが就職に有利に働くこともあるため、これからは積極的に活用することがメリットになる。問題が起きたときに、相談にのれる関係であることが大切で、そのためには大人のリテラシーも必要である」と説いた。

 質疑応答では、保護者からの「周りの子がみんな持っていたら、持たせるべきなのか、持たせる時期はいつがいいのか」という事前の質問に対して「(小学校)低学年は理解度の問題から、ジュニア向けのケータイのほうが安心。中学年くらいになってきたら、相談の上、持たせてもいいかもしれない。ただ、その場合はフィルタリングや、ペアレンタルコントロールを設定したうえでのほうがいい」と回答。

 「男の子なので落としそうで怖い。なくすのではと心配」という声も多いとのことで、「いざというときは、遠隔操作で利用停止などが可能。男の子は首から提げるケースは多い。ぶつける可能性はあるので、丈夫なケースに入れれば」と説明した。

スマートフォンとケータイの違いを知ったうえで、上手に活用を

ジャーナリストの法林岳之氏

 後半は、法林氏からスマートフォンとケータイの違いやセキュリティ問題、なぜジュニア向けスマートフォンがいいのか、という点について語られた。

 本誌の解説やコラムでもおなじみの法林氏だが、冒頭の挨拶で、「1人でも多くの方に、ケータイやスマートフォンを便利に使って欲しいという思いから、消費者センターや国民生活センターの相談員の方向けに、スマートフォンについて説明するため、全国各地を回っている」と、ライター業以外の活動が語られた。その中で法林氏は、スマートフォンに関する相談事例が確実に増えていることを肌で感じているという。中でも子供に関する相談事例が非常に多く、「持たせておけばなんとかなると思っている親御さんが、トラブルに合っているケースが多い」という現実を紹介。そういった背景から、スマートフォンとケータイがどう違うか、なぜジュニア向けのスマートフォンがいいのかを説明したいと述べた。

 そもそもスマートフォンとケータイの違いが分からない、という保護者が多いことに触れ、「スマートフォンとケータイの違いを定義するものは、形ではない」として、ケータイが音声通話へのニーズをベースに、機能的進化を遂げた一方で、スマートフォンは、「パソコンをもっと小さく」というニーズから進化していると、その歴史の違いを紹介した。

 「ケータイは、キャリアとメーカー以外は作れない仕組みを持っており、それが安全性に結びついているが、スマートフォンはOSが公開されており、誰でもアプリが作れ、インストールできる状態にある。すべては自己責任という世界で、それが危険を誘発している」とし、まず両者の違いを知ることが、知識を高めるきっかけになることを強く印象づけた。

 危険性が指摘される中、「これからの時代はスマートフォンのような情報端末に触れざるを得ない時代で、情報の善し悪しを自ら見分けられるスキルも求められており、使えなくてはやっていけない時代でもある。使えることで得られるメリットも多い」と利点についても触れ、「最も危険なのは、大人が機種変更するからという理由で、自分のお古を与えてそのままにしていることだ」と苦言を呈した。

 ジュニア向けのスマートフォンを持たせるメリットとしては、利用を制限できる仕組みがある、必ずキャリア(今回ならドコモ)のネットワークで制御されるので安心できる、防犯ブザーの存在や防水防塵である、大人向けの端末と遜色ないスペックである、料金体系が安心できる内容である、制限されてはいるが、勉強にも役立つコンテンツを揃えている、人気ゲームが用意されているので楽しめる、楽しみながらアプリに慣れる機会は用意されている点などを挙げた。

 事前アンケートでは料金に関する不安が多かったようで、「子供向けの料金体系が用意されており、さらにキャンペーンもある」と、決して青天井ではないと安心を促した。また、電話帳に登録していない人からの連絡について不安視する声には、「ちゃんと着信拒否機能があるので安心して欲しい」と述べた。

 「全く触らせないのではなく、問題点を理解しながら、持つメリットも考え、上手に活用することが大切。いい形で育て、しっかり活用して欲しい。そのためには、やはり親のリテラシーも大切」と最後を締めくくった。

 セミナー後には、液晶テレビAQUOS、ココロボ、プラズマクラスターのスチーマーやドライヤー、インテリアホンを景品としたじゃんけん大会も開催され、「今はキッズ向けのケータイを使っているが、スマートフォンに興味がある」という子供が勝ち残り、親を喜ばせる場面も見られた。

じゃんけん大会
じゃんけん大会では、液晶テレビやココロボ、プラズマクラスター製品、インテリアホンなどが提供された

(すずまり)