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パナソニック、ビジネス向け堅牢スマホにシフト

パナソニック、ビジネス向け堅牢スマホにシフト

コンシューマ向けは外部委託を推進

津賀一宏社長

 パナソニックは3月28日、中期経営計画を発表。その中で携帯電話事業の再編について言及した。

 津賀一宏社長は、「携帯電話事業は、BtoB向けの堅牢スマートフォン市場へ新たに参入する。あわせて開発および生産の外部委託を進め、固定費の削減に乗り出す」と語った。

 パナソニックでは、今後、BtoB向けの堅牢スマートフォンを収益の柱に位置づけ、BtoC向け製品に関してはターゲットを絞り込んでいく方針を示す。また、外部委託による開発、生産体制を敷くことで、収益性の改善を図るという。

 津賀社長はこれを「BtoB事業への転地」、「BtoC開発効率化」と表現をする。

 パナソニックにとって、携帯電話事業分野はテレビなどと並んで5つの赤字事業分野の1つだが、「2015年度に赤字事業部ゼロを目指す」として、赤字脱却に向けて取り組む姿勢を示し、一部報道などにあった携帯電話事業からの撤退を否定した。

 津賀社長は、「事業撤退は、最後の手段。撤退すれば赤字は解消するが、我々が目指すのは継続することであり、赤字を消すということ。携帯電話事業も、事業撤退という安易な選択肢は選ばない。赤字の垂れ流しをやめることを目指す」とした。

 なお、同社の中期経営計画では、2015年度に全社営業利益で3500億円以上、営業利益率5%以上、フリーキャッシュフローで3年間累計で6000億円以上を目指すほか、2013年度には、営業利益で2500億円、純利益で500億円以上、フリーキャッシュフローで2000億円以上を目指す。

 「2013年度には最低限の目標として純利益500億円以上を生み出し、2014年度までに、赤字事業の止血、課題事業を中心とした構造改革を実施する」としたほか、「この中期経営計画によって、連結収支の赤字を必ず解消する」と決意をみせた。

大河原 克行