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国内メーカー冬の時代も国内需要は伸長、JEITAが携帯動向調査

 電子情報技術産業協会(JEITA)は、スマートフォンなどに関する調査を「移動電話に関する市場調査報告書~スマートフォンの拡がりと新たなステージに向けて~」と題してまとめた。国内市場全体では好調に推移するも、国内メーカーには厳しい状況が続いている。

 JEITAの調査は、国内の携帯電話・PHSメーカーが参加しており、アップルやサムスン電子、LGエレクトロニクスなど、海外メーカーは参加してない。国内メーカーの2012年の国内出荷台数は2796万8000台となり、前年比94.2%を2年連続で前年割れとなった。また、2年連続で3000万台を下回る結果となった。

 こうした一方で、海外メーカーを含む国内出荷台数は、4366万8000台となり、前年比113.4%を記録、好調に推移している。2012年は、スマートフォンフォン比率が69%と大きく拡大した。2010年はわずか17.4%であり、大きく飛躍した年となった。2015年には8割を占める見通しという。

 スマートフォンによって、海外と国内の垣根が低くなり、グローバルメーカーが参入しやすい状況となった。JEITAでは、国内メーカーと海外メーカーの競争は今後も激化すると予想し、国内メーカーは常にグローバル市場で展開される競合モデルを念頭においた商品開発をしなければ生き残れないとしている。

 また、携帯電話およびPHSの世界の生産台数は、2013年、16億5435万台で前年比106.1%となる見込み。スマートフォンについては、前年比129.5%の8億5869万台と伸びている。世界市場でもスマートフォンの比率が高まっており、前年の42.5%から51.9%に拡大するとしている。JEITAでは世界市場でNFCが注目されているとし、世界的に新サービスの増加が期待されるとしている。

 このほか、販売店への調査では、スマートフォンを買い換えるユーザーにメーカーのこだわりはなく、国内メーカーにとってチャンスであるとしている。また、JEITAの予想では機種数が絞られる見込みだったが、予想に反してこの半年間はむしろ増加しているという。

津田 啓夢