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au、LTEの実人口カバー率の詳細を公表

 KDDIは、LTEサービス「4G LTE」を利用できるエリアとして、2.1GHz帯を中心に実人口カバー率の詳細を公表した。KDDIが10日に開催したLTEの通信障害に関する説明会の中で触れられたもので、通信障害とは関係がなかったものの、総務省から指導、また消費者庁から景品表示法違反で措置命令を受けるなどしたため、LTEのエリアについて合わせて説明された。

auの「4G LTE」は3つの周波数帯で構成

 KDDIは2012年9月より「4G LTE」のサービスを開始しているが、周波数という観点では、同じ「4G LTE」のくくりでも、800MHz帯、1.5GHz帯、2.1GHz帯という3つの周波数帯でLTEを展開している。周波数帯が異なると、設備が異なるため、展開されているサービスエリアは異なる。また、スマートフォンなど端末側が対応している周波数帯も、機種やシリーズにより異なる。なお、今回説明されたのはいずれもLTEに関してで、ほぼすべての機種が2.1GHz帯を利用する3G網に対応している。

 まず端末側では、現在の「iPhone 5」が対応するLTEの周波数帯は2.1GHzのみ。このため、「iPhone 5」における「4G LTE」のエリアとは、2.1GHz帯のエリアを指すことになる。

 Android端末における「4G LTE」だが、こちらは2013年春モデルまでは、基本となる800MHz帯に1.5GHz帯を加えた2つをサポートする。2013年夏モデルからは、この2つに加えて、これまでは実質的に「iPhone 5」専用となっていた2.1GHz帯をサポートし、800MHz帯、1.5GHz帯、2.1GHz帯の3つをサポートする端末が登場している。

 次に、各周波数帯では、どれだけの“幅”を利用して通信を行えるかで、収容できるユーザー数や、理論上の最大通信速度が変わることになる。周波数の幅と通信速度については通信方式で規定されており、800MHz帯や2.1GHz帯といった周波数帯とは基本的に関係がない。例えばKDDIの「4G LTE」では、5MHz幅を利用(確保)できれば、ネットワーク側では理論上、下り最大37.5Mbpsの通信速度が実現できる。同様に10MHz幅では75Mbps、15MHz幅では112.5Mbps(カテゴリー4)などとなる。

 各周波数帯でどれだけの幅を確保できているかは通信事業者により異なり、また都市部とそれ以外など、地域によっても異なる。15MHz幅など、広い幅を必要とするサービスが都市部で提供されないといった場合、確保できている周波数の幅が地域により異なることが影響している。周波数は国から免許を得て運用するもので、周波数の幅を含めて、事業者側の一存で増やすことはできない。

 KDDIでは、上記にように複数の周波数帯を利用するマルチバンドのサービスとして「4G LTE」を展開しており、各周波数帯ごとに実人口カバー率を公表することには否定的な立場をとってきた。田中社長によれば、社内でも議論はあったとのことで、「利用できるエリア」を地名で公表するなどしている。

 KDDIはまた、これまで「4G LTE」のうち、2.1GHz帯の実人口カバー率について公表してこなかったが、消費者庁がKDDIに対し、景品表示法違反で措置命令を下した際に、問題となった10MHz幅(最大75Mbps)のエリアが2013年3月末時点の実績値で14%だったことを明らかにしている。

「4G LTE」の2.1GHz帯、5MHz幅は実人口カバー率71%

LTEの実人口カバー率
カバーエリアの表記について

 10日に開催された説明会では、2.1GHz帯でKDDIが利用できる5MHz幅、10MHz幅、15MHz幅の各帯域について、同社が算定する実人口カバー率が公表された。

 それによれば、「4G LTE」の2.1GHz帯のうち、5MHz幅(37.5Mbps)は2013年3月末時点での実績で63%。2013年5月末現在で71%となっている。2014年3月末(2013年度末)の予想は、80%。

 「4G LTE」の2.1GHz帯のうち、10MHz幅(75Mbps)は2013年3月末時点での実績で14%。2013年5月末現在で20%となっている。

 同様に15MHz幅(112.5Mbps)のエリアは2013年5月末現在で1%以下。10MHz幅、15MHz幅ともに、2014年3月末(2013年度末)の予想は精査中。これは、KDDIが利用する2.1GHz帯では3Gのサービスも展開しているためで、3Gサービスのトラフィックの推移(減少)などによって展開できるエリアや展開速度が異なるため。

 なお、「4G LTE」の800MHz帯は10MHz幅(75Mbps)で提供されており、2013年3月末時点での実績で96%。2013年5月末現在で97%、2014年3月末の予想で99%となっている。EV-DO(3G)およびCDMA200 1xはどちらも99%。

 上記で記述している通信速度はネットワーク側の仕様で、端末側で最大通信速度は異なる。例えば「iPhone 5」では、15MHz幅でも最大100Mbps(カテゴリー3)というのが本体の仕様になっている。

 田中社長は、「今年の秋にはカテゴリー4の端末が出てきて、もっと速くなる」と、2.1GHz帯を利用する端末について、さらに高速化することを明かしている。

 一方、「人口カバー率」「実人口カバー率」といったエリアの表記については、同社が提唱する実人口カバー率が「厳し目の算出にしている」とする一方、事業者ごとに算出基準が異なり、これらの表示方法を統一した議論が総務省でも行われていると指摘し、総務省や研究会、業界団体における表示方法の議論を踏まえて対応していく方針を明らかにした。

(太田 亮三)