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ドコモ、山間部などで屋外設置も可能な小型LTE基地局を運用開始

 NTTドコモは、LTE方式に対応した小型の基地局装置を開発し、運用を開始した。

 今回開発・運用が開始された小型の基地局装置は、”親局”と“子局”からなるリモート設置型基地局(光張り出し基地局)において、“親局”にあたる装置。一般的に、アンテナや関連設備など電波の送受信機能を備える“子局”とは離れた場所に集中的に設置され、1つの親局で複数の子局に接続し、制御を行う。

 これまでのLTE基地局装置は、主にトラフィックの高い地域を中心に導入され、Xiエリアを拡大してきた。一方、山間部では、規模が大きいこれまでの親局を設置できる場所が限られるため、子局と離れすぎて接続できないなど、Xiエリアの展開が困難な地域があったとしている。

 今回運用が開始された小型の基地局装置は、親局として大幅な小型化を実現し、屋外にも設置が可能。子局との接続がより容易な場所に設置できることで、Xiエリアの拡大、品質向上が経済的・機動的に進められるとしている。また、LTE専用ではなくW-CDMAにも対応し、FOMAエリアの構築も可能になっている。

LTE対応の小型基地局装置(親局)
設置イメージ

 LTEに対応した小型の基地局装置の仕様は、LTEが下り最大75Mbps、上り最大25Mbps、W-CDMAが下り最大14Mbps、上り最大384kbps。大きさは約29リットルで、重さは約24kg。最大子局接続数は2局で、消費電力は280W以下。

 なお、従来から運用されている、光張り出し基地局構成における基地局装置(親局)は、通信速度が下り最大150Mbps、上り最大50Mbps。大きさは約410リットルで、重さは約120kg以下。最大子局接続数が6局、消費電力が1200W以下となっている。

 ドコモは2013年3月末時点で2万4400局のLTE基地局を展開しているが、今回運用開始した基地局装置を含め、2013年度末までに5万局のLTE基地局を展開する計画。また通信速度については、最大通信速度が112.5Mbpsのエリアを、2013年3月末時点の33都市から、2013年6月末までに100都市に拡大、2013年度中には東名阪で150Mbpsの通信サービスを開始する予定。

LTE(Xi)対応の基地局ラインナップ ※横軸のトラフィック量は屋外同士、屋内同士の比較

太田 亮三