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スマホで知育、学習補助を――KDDIが幼児・中高生向けアプリ

 KDDIは、未就学児、あるいは中高生向けと、知育・教育関連のスマートフォン向けサービスを7月1日より提供する。未就学の幼児向けサービスは米FUHU(フゥフー)とともに「こどもパーク」として、中高生向け学習サービスは英Quipperや学習コンテンツ事業者とともに「GAKUMO(ガクモ)」として提供される。

 24日、KDDIでは記者説明会を開催し、新規ビジネス推進本部長の雨宮俊武氏から説明が行われた。

こどもパーク

 「こどもパーク」は、親の持つスマートフォン上で、幼児(0〜6歳向け)の利用に適したアプリを楽しめるサービス。

 こどもパークで利用できるアプリは、お絵かきアプリの「ぐるぐる」、音楽アプリの「おやこでリズムえほんプラス」、計算アプリの「ペネロペのすうじであそぼっ!」、言葉や鉛筆の動きなどを学べる「いろぴこ+」など。月額会員はアプリが使い放題となるが、月額会員ではなくとも、アプリを個別にダウンロード(1アプリ100円〜)することもできる。

起動後の画面
マーケット
アプリ一覧
ゲームアプリも
色と色の名前を覚えられるアプリ
利用時間の制限

 起動直後の画面は、保護者向けの画面で、利用したアプリの履歴、利用時間を制限する設定メニュー、「こどもパーク」専用アプリマーケットへのリンクなどが表示される。誤操作を防ぐ「こどもモード」にしてから、各アプリを利用する。親にとっては、スマートフォンを子供に持たせても、利用時間制限やこどもモードなどによって、使いすぎや誤った操作を防ぐなど、安心して利用できるよう、配慮した形となっている。

 利用料は月額790円(一部無料)。auスマートパス(月額390円)の会員の場合は、200円の割引となり、auスマートパスと「こどもパーク」あわせて月額980円で利用できる。

 KDDIともに提供するFUHUは、昨年11月、KDDIから出資を受けている。FUFUでは既に米国内で子供向けタブレットを提供しており、既に100万台以上を販売しているとのことで、日本でもタブレットの展開も期待される。また「こどもパーク」のユーザーインターフェイスは、幼児向けアプリに一日の長があるという株式会社スマートエデュケーションが担当している。

GAKUMO

 一方、中高生向けサービスとして提供されるのが「GAKUMO」だ。学習塾や教材を手がける企業が各教科の問題を用意し、ユーザーとなる中高生は、契約したコース(科目)のアプリを起動して問題を選び、一問一答式で約15分、勉強できる。

 教材のうち、高校生向けは全てベネッセが提供するが、今後は拡充される可能性もある。中学生向け教材の提供企業は以下の通り。

科目 企業
社会 ディートゥーアール
英語、数学 個別指導塾 TESTEA(テスティー)
数学 マイスクール慶應修学舎
英語、社会(10月からは国語、理科も) 学習塾プリオーレ

 1科目が1コースという形となり、1コースのみで月額980円、2コースで月額1480円、3コースで月額1980円。4コース以上の同時利用は当初できず、今後検討されるとのこと。また7月1日〜9月30日までは、どの科目も最大3カ月、無料になる。問題数は高校生で7000〜8000問程度、用意されているとのこと。

iPhone、Androidに対応
動画でレッスンも
問題の1つ
日本史の問題
問題の図版を上から引き出して表示
メニュー
問題クリア後
苦手克服ボックス
学習履歴
ランキング
アバターと問題一覧

 成績の中位にあたる生徒の利用を想定したコンテンツで、学習に必要な時間も1回あたり15分程度となる。ただ、15分のコンテンツをいくつもこなすことで、たとえば2時間勉強する、といった使い方もできる。飽きさせず、継続利用を促すためにゲーミフィケーションの要素が取り入れられており、学習するたびコインが付与される。このコインは、当初、アバターの利用で消費できるという。また、他のユーザーと比較できるランキングも用意される。

 間違った問題を再び復習できる「苦手克服ボックス」のほか、短い時間にまとめたレッスン用動画なども用意される。塾の代替、あるいは受験用の教材といったパワフルな学習をこなすためのツールではなく、通学時間など、“隙間”の時間にこなせる教材という位置付け。特に、成績の中位者は、問題を解いても、その問題を見返さない傾向が強いとのことで、そうした“穴”を埋めるのに最適だという。

Quipperの渡辺氏

 KDDIと協力して「GAKUMO」の仕組みを開発したのが英国ロンドンに拠点を置くQuipper(クイッパー)という創業2年あまりのベンチャー企業。英国が本社ではあるが、創業者のCEOは日本人で、かつてディー・エヌ・エーの創業にも携わったという渡辺雅之氏。この1月には日本にもオフィスをオープンし、「GAKUMO」の開発を進めてきた。渡辺氏によれば、ゲーミフィケーションの要素を取り入れる際にも、ゲームの要素が強すぎると子供は学習よりもゲームに熱中する傾向があるため、その味付けにノウハウが必要という。また、たとえば数式もWebページ(HTML)で表現するためには工夫が必要で、学習コンテンツを専門の企業が用意する一方で、そうしたコンテンツをきちんとスマートフォン向けに最適化していくという部分を含めた、コンテンツマネジメントシステムをQuipperでは提供しているとのこと。

スマートリレーションズ構想の一環として「学習」「育児」に

KDDIの雨宮氏

 記者説明会で壇上に立ったKDDIの雨宮氏は、今回の「こどもパーク」と「GAKUMO」という2つのサービスは、KDDIが進めるスマートリレーションズ構想の一環と説明する。

 これまでKDDIでは、子供のユーザーに向けて、ジュニアケータイやmamorinoといった端末、安心ナビやフィルタリングなどのサービス、ケータイ教室のような使い方を伝える、といった取り組みを進めてきているが、その一方でKDDIでは「3M戦略」を展開している。3Mとは、「マルチユース」「マルチネットワーク」「マルチデバイス」のことで、いつでもどこでも、どんな機器でも利用できる、という利用スタイルの提案を意味する。この3M戦略に基づいて、2012年度はスマートパスポート構想を掲げ、アプリ使い放題サービスの「auスマートパス」などが提供された。

 そして2013年度、3M戦略の第2弾として、KDDIは、新たに「スマートリレーションズ構想」を押し立て、夏モデル発表時に「auスマートサポート」などが発表されていた。

 生活の中にスマートフォンが浸透してきた今だからこそ、現実(リアル)の中で役立つサービスを提供する。そうした考えに基づき、今回は、誰もが一定の費用を費やす教育方面に着目して、「育児」「学習」に役立つコンテンツを提供することになったという。

 今回のサービスでは小学生向けコンテンツが用意されていない。小学生低学年であれば「こどもパーク」、高学年の進学志望者には「GAKUMO」でカバーできる可能性はある、としつつも、KDDIでは小学生向けコンテンツを今後検討していくとのこと。また社会人向けについて雨宮氏は「もう少し長い目考えているところもある」として、英語学習など、時期を見定めつつ検討すると、やや慎重な姿勢を示した。

 今春、トライアルとして提供した学習アプリ「学習Check」では、「ちょっとした時間であれば学習ツールとして十分利用できる一方で、本格的な勉強の代替になるわけではないことも判明した」(KDDI新規ビジネス推進本部 戦略推進部長の江幡智弘氏)とのことで、「GAKUMO」については手軽に勉強できるツールとして開発されたことも明らかにされた。

 他キャリア向けサービスは現時点では予定されていないとのこと。一方、au IDを使った、マルチデバイス対応については開発が進められており、そう遠くない時期に対応する見通しが明らかにされた。

(関口 聖)