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ウィルコムが会社再建、ソフトバンク連結子会社に

 ウィルコムは、7月1日、会社更生手続きの終結決定を受けたと発表した。同社の債務は繰り上げ弁済されており、裁判所と管財人の監督下から晴れてソフトバンクの連結子会社となった。

 ウィルコムは、2009年9月、債務返済期限の延長を求め、事業再生ADR(産業活力再生特別措置法所定の特定認証解決手続き)による私的整理を目指すものの、これを断念した。

 2010年8月には、ソフトバンクをスポンサーに迎え、2010年11月、会社更生法による法的整理へと向かい、同年12月、ウィルコムの発行済み株式は全てソフトバンクに移った。更生計画は、2011年から6年をかけて総額約410億円の債務を弁済するものだった。

 ピーク時には466万契約(2007年7月末)まで契約者を増やしたウィルコムだったが、2010年12月末には378万契約にまで落ち込んでいた。その後、ソフトバンクの支援もあって端末ラインナップを拡充し、戦略的な料金プラン「だれとでも定額」などを導入する。

 2011年1月には純増に転じ、2012年9月には累計契約者数が500万件を突破、2013年5月までの加入数は545万件となっている。なお、2011年度第2四半期には営業黒字を達成し、現在まで黒字を維持している。

 業績が好調に推移していることから、ウィルコムはソフトバンクから資金調達する形で、債権の残額約271億円を一括繰上弁済した。2013年6月17日には、東京地裁に対して会社更生手続きの終結の申し立てを行っており、今回、これが認められた形。

 ウィルコムがソフトバンクの連結子会社となることに伴い、ソフトバンクが100%保有するウィルコム株の価値が再測定される。株式の取得原価と公正価値の差額がソフトバンクの損益計算書に計上される予定。

津田 啓夢