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ドコモ、2013年度第1四半期決算は増収減益

「ツートップ戦略に一定の成果、冬商戦もラインナップを絞る」

 NTTドコモは、2013年度第1四半期(2013年4〜6月)の連結業績を発表。その席上、同社の加藤薫社長は、ツートップ戦略の現状について説明。5月17日に発売となった「Xperia A SO-04E」は約110万台、5月23日に発売となった「GALAXY S4 SC-04E」は約55万台を出荷したことを明らかにした。

NTTドコモ 代表取締役社長の加藤薫氏

ツートップ戦略の成果、冬商戦、iPhone

 Xperia Aの購入者のうち、約62%がフィーチャーフォンからの機種変更となる一方、GALAXY S4は約50%がスマートフォンからの機種変更となり、「全部入りのXperia A、高機能モデルのGALAXY S4といった製品の特徴が出た。Xperia Aは当社のスマートフォンとしては過去最高のペースで売れており、発売から10週間のうち9週間で首位となった。高い支持を得ている」と語った。

 加藤社長は、「ツートップ戦略には一定の成果があり、求めやすい価格による提案もできた。スマートフォン基盤の拡大につながっている」と自己評価する一方で、「だが、ツートップ戦略では、もう少しポートイン(他社からの転入)に効果があると考えていた。6月は苦戦した」とも述べた。しかし、「7月はポートインも改善しており、手応えを感じている」とも述べた。

 また、加藤社長は、「冬商戦においてもラインアップを絞る、というトレンドのなかで展開する。機種数は1つになるか、2つになるか、3つになるかはわからないが、20機種も揃えてやるということはない。電池が3日間持つといったものを含めて、できるだけお客様に選んでいただけるものにしたい」と、基本的にはツートップ戦略を踏襲することを明言。「個別のメーカーについての話はできないが、ツートップ以外のメーカーの製品には影響はあるだろう。だが、これはここ3〜4年のスマホシフトの競争のなかでの結果である」などとした。

 一方で、iPhoneに関しては、「以前と状況はまったく変わっていない。市場の動向を注視して、あらゆる選択肢を検討しているというスタンスには変更がない」とコメント。

 また、Tizenについては、「今年冬に向けて順調に準備が進んでいる」としたものの、一部報道にあったLINE Phoneに関しては「私の知らないような報道もある。今は言える段階にはない」とした。Windows Phone 8については「進捗はない」と語った。

第1四半期の業績

 NTTドコモが発表した2013年度第1四半期(2013年4〜6月)の連結業績によると、営業収益は前年同期比3.9%増の1兆1135億円、営業利益は前年同期比5.8%減の2474億円、税引前利益は前年同期比4.7%減の2524億円、当期純利益は前年同期比2.8%減の1580億円となった。

 加藤社長は、「増収減益となったが、営業利益は計画を上ぶれて推移しており、堅調であると判断している」と総括。「スマートフォンの販売台数は大幅に伸びており、Xi契約数も4.3倍。将来の成長に向けて、一定の成果をあげている」と語った。

 設備投資は前年同期に比べて320億円減の1454億円となっているが、前年同期には災害対策の重要施設への投資として110億円、ネットワーク基地局の高度化で130億円を計上しており、これを除くと実際には80億円減に留まるとした。

 携帯電話全体の総販売台数は前年同期比4.4%増の539万台。そのうち、スマートフォンの販売台数は、前年比34.4%増の335万台。スマートフォン比率は前年同期の48.3%から62.2%へと拡大。全体の約3分の2を占めている。

 スマートフォンの利用者は、前年同期の約1200万台に対して約70%増の約2050万台となり、初めて2000万件を突破した。

 Xi契約数は4.3倍の1420万件。スマホ利用者のXi契約比率は前年同期の18%から60%にまで拡大した。

 パケット収入は前年同期比7.9%増の5113億円、そのうち月々サポートを除いたパケット収入は4749億円。スマートARPUは24.3%増の460円となった。「スマホ、Xiの拡大により、パケット収入、スマートARPUは着実に伸びている」と述べた。

純増数は「厳しい結果」、加熱する乗り換え競争には自ら釘

 一方で、加藤社長が「厳しい結果になった。残念である」としたのは、純増数の減少。前年同期には26万6000件の純増数であったものが、今期は8万7000件の純増に留まった。

 「ポートアウトや解約率は、ツートップの発売以降改善の兆しがある。だが、ポートインのところに改善の余地がある。ポートインの改善を含めた競争力を強化している」と、今後の施策にも意欲をみせた。

 なお、解約率は0.86%となった。

 加藤社長は、「なかには、他社で端末を契約してスイッチする、あるいは解約金を払ってもメリットがあるとして、スイッチを繰り返すという人もいると聞く。競争環境はあるが、行きすぎないように是正することも必要である。消耗戦をやる気はない。できるだけ健全に戦っていきたい」と昨今のキャッシュバックを含む、乗り換え競争に自ら釘を刺した。

事業戦略の進捗と分析、ツートップ戦略の波及効果とは

 会見のなかでは、2013年度の事業戦略の推進状況についても言及した。

 NTTドコモでは、「スマートライフのパートナーへ」を切り口にモバイル領域および新領域の2つの観点からの事業強化に取り組む姿勢をみせており、デバイス、ネットワーク、サービスの3つを重点ポイントとしている。

 「デバイスはツートップが販売好調、ネットワークはXiを着実に拡大。サービスではdマーケットや新サービスが好調な滑り出しになっている」と胸を張る。

 デバイスでは、ツートップ戦略に関して説明。「スマホへの移行者が一般ユーザーにも広がってきたことで、購入しやすいことを目指すとともに、MNPを改善したいという2つの狙いを持って取り組んだのがツートップ戦略。ツートップ効果として、スマートフォンからの移行数が23%増となり、フィーチャーフォンのポートアウトが32%削減した。また、指名買いが増えたことから、店舗での応対時間や待ち時間が短縮。特定機種をまとめて調達することから調達コストの低減が図れた。これから本番となる8月の夏商戦でも、販売施策を強化し、ツートップ戦略を加速する」と宣言した。

 販売施策としては、解約抑制などの基盤拡大と、新規獲得強化を両輪とし、「はじめてスマホ割」をツートップ以外にも広げるほか、ポートイン施策強化、ドコモ夏の家族セット割といった新たな施策を展開する。

 店頭においては、店頭待ち時間が30分以上となる顧客比率を30%削減。待ち時間にタブレットを利用した機種変更手続きなどの簡素化、オンライン受付の強化などを図るという。オンライン受付では、スマホお悩みサポートメニューへの訪問者数が月724万人に、スマートフォンあんしん遠隔サポートの契約者数が363万人に達したほか、7月24日から24時間365日対応のオンライン修理サービスを開始したことを明らかにした。

 ネットワーク強化では、Xiでの「Strong.」キャンペーンについて言及。Xi基地局倍増計画では6月末までに約3万局を設置し、2013年度末までに5万局へと拡大。75Mbps対応基地局は6月末までに1万7300局、9月末には2万5000局に増加させる。また、112.5Mbps対応エリアについては、6月末で130都市、9月末には150都市に拡張させる計画だ。

 加えて、新たに10月末までに150Mbpsのサービスを、東京、名古屋、大阪で開始することを発表。「7月30日からは神奈川県の一部で試験運用を開始する。だが基地局が一気に増加するわけではない」などと語った。

 そのほか、日経BPコンサルティングの調査において、LTE/4Gエリアにおけるつながりやすさと速度で1位になったこと、富士山においても、山頂および山頂に続く4つの登山道のすべてでLTEが使えるのはドコモだけであることを示し、「タワー、高層ビル、展望施設といったところで、ドコモはとくに強い」と強調した。

 また、dマーケットについては、「順調に伸びている」とし、dマーケット全体の取扱高が前年同期比3.1倍の127億円に達したほか、dビデオは446万契約、dヒッツは125万契約、dアニメストアは81万契約となっていることを示した。

 「直近の数字では、dビデオは455万契約、dヒッツは140万契約、dアニメストアは92万契約になっている。dビデオはdマーケットを牽引する大黒柱。dアニメストアは急激な成長を遂げている。今後もコンテンツの充実を図り、ユーザーのニーズにあった商品、サービスを提供する」と述べた。

 そのほか、おすすめパックが開始70日間で110万契約、あんしんパックが180万契約に達したほか、NOTTVが130万契約、カラダのキモチが開始50日で13万契約に達したという。

 「デバイスではさらなる満足度の向上を目指し、ネットワークでは速さと強さを重視し、Strong.を強化する。サービスも認知も少しずつ高まっており、さらにdマーケットを拡大していく」と語った。

 一方で、加藤社長は新領域への取り組みとして、7月1日付けでスマートライフビジネス本部を設置し、新領域における事業を強化。第1四半期には1500億円強の実績となったことに触れ、「年間7000億円に向けて、順調な滑り出し。2015年度には1兆円を目標に引き続き強化していく」などと述べた。

 新領域における第1四半期実績は、メディア・コンテンツが約300億円、コマースが約350億円、金融・決済が約550億円、その他が約300億円となっている。

 構造改革については、2012年度の年間500億円の削減に加えて、2013年度は1100億円の削減効果を目指しており、そのうち第1四半期には220億円の削減を達成。「コスト削減効果は後半に重心があり、順調に推移していると認識している。今後も着実に推進していく」と語った。

 さらに、7月1日付けで経営企画部のなかに事業改革室を発足。戦略企画部門を本社に集約し、意思決定のスピード化のほか、新領域への大胆なリソースシフト、営業力強化やきめ細かなネットワーク構築などの顧客フロントの強化に取り組むことを強調した。

決算会見プレゼンテーション資料

(大河原 克行)