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スマホ連携はウェアラブル端末に注目、矢野経調査

 矢野経済研究所は、スマートフォンと連携するサービス・機器を調査し、今後の動向をまとめたレポートを発表した。今回はスマートグラスとスマートウォッチが主に取り上げられている。

 調査は2013年2月~6月に、携帯電話・スマートフォンメーカー、コンピューターメーカー、国内半導体メーカー、関連業界団体などを対象に行われた。

 調査結果によると、今後スマートフォン連携はワイヤレス接続が主流になると予測されている。BluetoothやWi-Fi、NFCなどのワイヤレス接続に対応した製品の増加が主な理由。現在は、スマートフォンと連携する機器は、AV機器やカーナビゲーションなどが中心だが、今後はスマートテレビや白物家電、ウェアラブル端末との連携が増えるとみられている。

 なかでも、スマートグラスやスマートウォッチなどの、ウェアラブル端末の増加により、収集した個人の身体データを活用したセルフケアやヘルスケアサービス事業が期待されるとのこと。

 スマートグラスは、頭部に装着する眼鏡型のディスプレイ端末。無線機能を搭載し、スマートフォンと連携してさまざまな情報を表示でき、音声入力での操作が可能になっている。スマートウォッチは、スマートフォンと連携可能な時計型端末。時間や天気、メール着信などを表示するほか、内蔵センサーで体温・血圧など身体データの検知・収集もできる。

 スマートグラスの2013年の世界市場規模は、メーカー出荷台数ベースで45万台の見込み。これまでスマートグラスは開発者向けに一部販売されているが、ビジネスモデルの構築や、装着時の安全性確保のための法整備の必要性といった課題を抱えており、当面は普及に時間がかかるとの予測を示した。しかし、2014年末以降、IT企業やスマートフォンメーカーなどの企業が本格的な市場参入を始めるとみられ、2016年の出荷台数は1000万台になると予測している。

 スマートウォッチは既に市場へ導入されており、ウェアラブル端末の本命として注目されている。2013年の世界市場規模は、メーカー出荷台数べースで1000万台の見込み。大手IT企業の商品開発の動きをみても、市場に対する期待度は「極めて高い」と分析されている。2014年以降、他業種からの参入が見込まれ、2016年には出荷台数は1億台になると予測された。

西村 夢音