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NEC、1秒以内に通信速度を推定する技術を開発

 NECは、3GやLTEなどのモバイルネットワークやインターネットの通信速度を、低負荷で瞬時に推定する技術を開発した。同技術により、通信速度の変動に追随させた通信量の調整が可能になるという。

 同社が今回開発した技術は、数十KBのわずかなパケット量で、1秒以内に、80%以上の精度で通信速度を推定できる技術。推定に必要なパケット量は従来の180分の1、推定にかかる時間は従来の40分の1程度としており、推定にかかるネットワークへの通信負荷が軽減されることで、繰り返し推定することも可能になっている。

 この推定技術を用いることで、ユーザーにデータを配信する直前の通信速度を、データの制御に反映できる。例えば通信事業者は、低負荷で通信速度を監視でき、IP電話などのサービスの品質向上が可能になる。映像配信やWebサービスを提供する事業者は、配信する画質を通信速度の変動に追随させるといったことが可能になる。

 また、本技術をアプリなどに搭載すれば、ユーザーが通信速度の変動をリアルタイムに確認できるとしており、モバイルネットワークと無線LAN(Wi-Fi)の使い分けといった場面で参考になるという。

 NECでは、ネットワークのモニタリングシステムやサーバーなどにこの技術を適用していくことで、動画配信やIP電話サービスの品質向上に貢献していくとしている。

太田 亮三