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スマホ広告が着実に伸張、出稿主の業種も広がる~VRI調査

 ビデオリサーチインタラクティブ(VRI)は、モバイル端末向け広告について、2011年5月~2013年6月の出稿動向をとりまとめ、発表した。フィーチャーフォン向け広告の出稿数が減少する一方、スマートフォン向け広告が拡大する現状を指摘している。

スマートフォンおよびフィーチャーフォン向け広告の出稿広告主数推移

 今回の調査は、VRIの広告統計サービス「SmartPhone Ads Report」および「Mobile Ads Report」のデータをもとにしたもの。同サービスでは、主要なモバイル向けサイトやアプリの広告スペースを対象に、広告主、広告ジャンルなどを長期に渡って集計している。

 広告出稿主数を端末別に見た場合、調査最初期となる2011年5月は、スマートフォン広告が171社に対し、フィーチャーフォン広告は500社だった。しかし、以後はスマートフォン広告が徐々に拡大。2012年8月には、スマートフォン広告の広告主数309社に対し、フィーチャーフォン広告304社と初めて逆転した。

 2012年11月以降は、スマートフォン広告がフィーチャーフォン広告を下回る例は出ていない。最も新しい2013年6月の調査結果では、スマートフォン広告が337社、フィーチャーフォン広告は179社だった。

 また、2013年6月のスマートフォン広告出稿主を業種別で見ると、「IT業種」が33.5%で1位だった。しかし、前年同期である2012年6月は「IT業種」が44.0%を占めていた。10.5ポイントにおよぶ占有率低下の背景には、「製造業」「専門店(小売)」の出稿数が増えている影響がある。VRIでも「広告主が業界の内から外へと拡がっていることが読み取れる」と指摘した。

 広告対象となる商品やサービスを銘柄別で見た場合、「ゲームコンテンツ」が根強さを見せており、2013年6月は66銘柄で1位だった。以下、2位「人材派遣会社」19銘柄、3位「理容・美容・エステ」16社などが続いた。

 ただし、2012年6月に2位だった「占い・診断コンテンツ」、3位「コミュニティー系サービス」、4位「電子書籍・コミック」などが1年後の2013年6月には上位から姿を消しており、変化の早さを際立たせている。

森田 秀一