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「iPhone 5s/5c」で強化されたLTEバンド

 「iPhone 5s」「iPhone 5c」は、サポートする周波数や通信方式が異なるモデルが5つずつ用意されている。日本で発売される「iPhone 5s」のモデル型番は「A1453」、「iPhone 5c」のモデル型番は「A1456」となり、3キャリアで同じモデルが用意されることになる。

iPhone 5s(A1453)/iPhone 5c(A1456)の対応通信方式とLTE対応バンド

  • W-CDMA(UMTS)
  • CDMA
  • GSM
  • LTE(バンド1/2/3/4/5/8/13/17/18/19/20/25/26)

 こうした情報は、これまであまり気にかける必要がなかった。ただし携帯電話用の周波数帯は、キャリアのほか、国や地域によっても異なることから、海外渡航の機会が多いユーザーにとっては以前より注目される部分ではあった。

 国内で利用する場合でも、特に最近普及しはじめたLTEサービスにおいて、対応の周波数によって、カバーするサービスエリアの広さ、通信速度が異なることがある。今回の「iPhone 5s」「iPhone 5c」では、ドコモ、au、ソフトバンク各社の基本となる2.1GHz帯(バンド1)に加え、NTTドコモの800MHz帯(バンド19)とKDDIの800MHz帯(バンド18)でLTEサービスが利用できる。700MHz〜900MHz帯は、ソフトバンクがプラチナバンドと呼ぶなど、電波が届きやすい周波数帯とされる。今回、対応周波数が拡大したことで、従来よりも屋内外で繋がりやすくなると期待される。

キャリア別のLTEサービス対応周波数
ドコモ 800MHz帯、1.7GHz帯(東名阪)、2GHz帯
au 800MHz帯、2.1GHz帯
ソフトバンク 900MHz帯(来夏)、1.7GHz帯(イー・モバイル網)、2.1GHz帯

 NTTドコモの1.7GHz帯は、実際に利用できるエリアはいわゆる東名阪に限られるため、その他の地域のユーザーにとっては縁が薄い。またドコモは1.7GHz帯で、10月より、さらに高速化(下り最大150Mbps)した通信サービスを提供する方針だが、今回のiPhoneでそのサービスが利用できるかどうか、11日時点では明らかにされていない。もっとも通信速度が不明であっても、利用できる周波数が多ければ、混雑の緩和が期待される。

 KDDIのLTEサービスは、800MHz帯で広く整備される一方、2.1GHz帯は800MHz帯ほどのエリアではないとされている。これまでKDDIは、従来の「iPhone 5」向けのエリアを開示しておらず、パンフレットで誤表記することもあった。今回のiPhone 5s/iPhone 5cでは、iPhone 5では非対応だった800MHz帯をサポート。KDDI広報もより広いエリアでLTEを利用できると説明する。auのLTEサービスは、実人口カバー率が8月末時点で97%に達している。

 このほか、ソフトバンクの「iPhone 5s」「iPhone 5c」は、従来のiPhone 5同様、イー・アクセスのバンド3(1.7GHz帯)も利用できる。なお、ソフトバンクは2014年夏に、バンド8(900MHz帯)でのLTEサービスを開始する予定だ。現時点ではプラチナバンドのLTEサービスがないように思えるソフトバンクだが、来夏以降はそのあたりの強化に期待がかかる。

 UMTS(W-CDMA)系は、HSPA+やDC-HSDPAに対応し、周波数帯は850MHz帯、900MHz帯、1700/2100MHz帯、1900MHz帯、2100MHz帯に対応。CDMA系は、CDMA EV-DO Rev.AおよびRev.Bに対応し、周波数帯は850MHz帯、1700/2100MHz帯、1900/2100MHz帯の3種類に対応。GSM/EDGEは850MHz帯、900MHz帯、1800MHz帯、1900MHz帯に対応。

海外向けのiPhone 5s/5c

 このほか、海外向けの「iPhone 5s」(モデル型番:A1530)、「iPhone 5c」(モデル型番:A1529)では、iPhoneとして初めてTD-LTE方式をサポートする。対応周波数はバンド38、39、40とのこと。TD-LTE対応モデルの発売地域はオーストラリア、香港、韓国、ニュージーランド、シンガポールとアナウンスされている。

 北米で販売されるアンロック(SIMフリー)版は、iPhone 5sがA1533(GSM)、iPhone 5cがA1532(GSM)。それぞれのモデルでは800MHz帯のLTEなどで対応が異なるので、日本滞在時のローミング利用といったケースでは、日本版と通信速度などが異なる可能性がある。

(白根 雅彦/関口 聖)