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サムスンが韓国で「World Tour」開催

曲面ディスプレイスマホ投入へ

サムスン電子が、韓国・ソウルで「World Tour」を開催

 サムスン電子は25日、韓国・ソウルで「GALAXY Note 3」や「GALAXAY Gear」の発売イベント「World Tour」を開催した。

 同端末は9月にドイツ・ベルリンで発表されたもの。今回のWorld Tourを皮切りに、グローバルで販売を開始する。GALAXY Note 3については発表時に、日本で10月に発売する予定も公開されている。World Tourでは、サムスン電子 無線事業部 戦略マーケティング室長 DJ・リー氏が、曲面ディスプレイを搭載したスマートフォンを10月に発表することも明かした。同氏は「曲面ディスプレイを搭載したスマートフォンは10月に(韓国に)導入する。この製品で、改めてイノベーションをリードするサムスン電子になる」とコメントしている。

Sペンやマルチタスク機能を強化したGALAXY Note 3。背面にレザー調の素材を用いて、アナログのノートらしさを強調している
写真のホワイトに加え、カラーバリエーションにはピンクもラインナップ。World Tourに展示されていた韓国版は、モバイルテレビ用アンテナも内蔵
イベントに登壇したサムスン電子のDJ・リー氏。曲面ディスプレイ端末の投入も予告した

 イベントの冒頭、リー氏は「最初は大きすぎるという声もあったが、いまやライバルメーカーがこぞって5インチ、6インチの端末を出している」と述べ、GALAXY Noteが他社に先駆け大画面化に踏み切ったことに自信をのぞかせた。「全ての面で2より進化している」(同)GALAXY Note 3は、背面にレザー調の素材を採用し、ディスプレイもフルHD、5.7インチに大型化。2.3GHzのクアッドコアCPUや3GBのRAMを搭載するなど、ベースとなる機能も現行モデル最高峰に仕上げられている。通信機能についてはLTEの「カテゴリー4」に対応。複数の周波数帯を束ねて通信速度を向上させる「キャリアアグリゲーション」が可能な「LTE Advanced」も利用可能だ。

現行最高峰のスペックを誇るGALAXY Note 3。LTE Advancedにも対応する

 一方で開発にあたって重視したのは、こうした機能やスペックよりも、「消費者が何を望んでいるのかを、正確に反映する」(韓国マーケティングチーム 次長 キム・チャンジュン氏)ということだ。結果として、GALAXY Note 3では、Sペンの用途拡大や、大画面を生かしたマルチタスク機能の強化が図られている。Sペンには「絵や文字を書く次元を超え、日常生活で便利に使える」(同)ことをコンセプトに、「エアコマンド」と呼ばれる機能が追加された。画面にSペンを近づけ、ボタンを押すと扇状のメニューが出現。ここから、「アクションメモ」「スクラップブック」「Sファインダー」「ペンウインドウ」といった機能を呼びだせる。

GALAXY Note 3の詳細な機能を紹介したキム・チャンジュン氏
画面にSペンを近づけ、ボタンを押すと扇状のメニューが現れる。ここから、新機能を呼び出せる

 アクションメモは、書いた文字を自動で認識し、ダイヤラーや電話帳、マップなどに受け渡せる機能。スクラップブックは、Sペンで切り取ったWebサイトの一部や動画を保存しておくためのものだ。Sファインダーは、端末内のコンテンツだけでなく、設定までまとめて探せる強力な検索機能。ペンウインドウを利用すると、Sペンで指定したサイズのミニアプリを起動できる。このようにSペンの利用用途をより身近な操作に広げたのが、GALAXY Note 3のコンセプトだ。マルチタスク機能については画面を2分割できる機能を拡張し、ウインドウをまたがってファイルなどの受け渡しができるようになった。

文字を認識して、電話帳やマップなどに利用できるアクションメモ
ペンで画面上に枠を作り、ミニアプリを起動できるペンウインドウ
キム氏は、エアコマンドを「・〇□」と紹介。画面にSペンを近づけると「・」が表示され、「〇」や「□」を書き各種機能を呼び出すという意味だ

 World Tourで紹介されたもう1つの製品が、腕時計型の周辺機器であるGALAXY Gearだ。リー氏は「コミュニケーションに多くの変化をもたらすもので、GALAXY Gearを通じて、新しいコミュニケーションの文化とトレンドを生み出したい」と意気込みを語った。同社の韓国マーケティングチーム 課長 ファン・スンフン氏が「人間は両足で立ち、両手が自由になることで創造を始めることができた。GALAXY Gearは両が自由になるデバイスだ」と述べているように、音声操作が可能な「Sボイス」にも対応。腕に話しかけるだけで、電話をかけたり、メッセージを送ったりといったことができ、「音声だけでもかなりのコミュニケーションが可能になる」(同)。

腕時計型の周辺機器、GALAXY Gear。カメラやマイクを搭載しているのが、既存製品との違い。生活防水にも対応
デザインにもこだわり、カラーバリエーションを充実させた
サイズは一般的な腕時計よりわずかに大きい程度。重量は「72gしかなく、ほとんどの時計が100gの中では軽い」(リー氏)という
「スマートリレー」や「自動ロック」など、GALAXY Note 3の機能を高める工夫も盛り込まれた

 また、「スマートフォンと連動し、その機能を高める」(同)というように、連携によって数々の機能を実現しているのがGALAXY Gearの特徴だ。「スマートリレー」はその一例。GALAXY Gearで通知を確認したあとスマートフォンを取り出すと、すでに本文が表示された状態になっている。室内で見失ったスマートフォンを探す機能も搭載。GALAXY Gearとスマートフォンが離れると、スマートフォン側に自動でロックがかかるような設定まで用意した。

カメラを搭載。撮った画像は、自動的にスマートフォン側に転送される

 ベルト部分に搭載されたカメラも、GALAXY Gearならではの機能。「カメラが手首の上に準備されていて、一度のタッチだけですぐに写真と動画の撮影が可能になる」(同)ため、素早くメモなどを取ることが可能だ。音声メモにも対応しており、「録音されたメッセージは、テキストとして表示される」(同)機能も用意した。

 アプリも利用でき、発売当初は「70種類程度ある」(リー氏)という。GALAXY Gearが連携する製品は、現在、GALAXY Note 3にのみだが、GALAXY S4やその他のGALAXYシリーズにも順次対応を拡大していく。一方でサムスン電子製以外のスマートフォンはサポートしていないが、これは「独自のソフトウェアやサーバーを使っているため」(同)。「しばらくはGALAXYシリーズに限ることになる」(同)という。

アプリのインストールにも対応。当初はサムスンが選択したアプリのみとなる。LINEなどのアプリもリリースされる
GALAXY Note 3には「S VIEWカバー」やフリップ式カバーなど、多彩なアクセサリーも用意

石野 純也