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ドコモと東大、オンライン講義を配信する「MOOC」に参入

 NTTドコモは、東京大学と連携し日本では初となる大規模公開オンライン講座「MOOC(ムーク)」等を活用した反転学習に関する共同研究を10月より開始する。「MOOC」は2012年より米国で始まった、有名大学および有名教授の講義をオンラインで無料公開するサービスで、これまでに約200万人が受講している。

 同研究は、公開オンライン講座「MOOC」等に反転学習を組み合わせた新たな学習モデルを開発するため、2016年9月末までの3年間にわたり開設される「東京大学情報学環 反転学習社会連携講座」が実施される。

 反転授業とは、これまでの教育現場で行われていた、形態をその名のとおり“ひっくりかえす”ことを示す。たとえば、日本の義務教育では、基礎知識を学ぶために授業を行い、復習や応用を“宿題”として実施する学校が多いという。それをひっくりかえし、基本知識はデジタル(動画・ビデオ配信など)で宿題として予習しておき、その復習や応用といった難易度の高い部分をリアル(授業や講義)で講師と対面して学習する、というもの。この反転授業と「MOOC」を組み合わせることで、教育の質や効果をより高めていく取り組みだ。

 ドコモは「MOOC」を活用した反転学習の検証を2014年春より開始する。また、本研究に関する公開セミナーを年数回開催し、効果検証を行う。本日設立された、日本におけるオープンオンライン教育の普及と継続学習が可能な環境の実現を目指した協議会「日本オープンオンライン教育推進協議会 JMOOC」にも参画する。また、「JMOOC」との連携により、オープンなオンライン教育環境の実現に必要な本格的なプラットフォームの提供を目指す。

 都内で開催された「JMOOC」設立の記者発表会では、放送大学理事長の白井氏や、東京大学大学院情報学環の山内氏らが登壇し、これから目指す教育のあたらしい形態とその取り組みについて説明した。

左から、ネットラーニング代表取締役岸田氏、NTTドコモ執行役員中山氏、日本学術振興会理事長 安西氏、放送大学理事長 白井氏、大学ICT推進協議会会長 安浦氏、住友商事理事 内藤氏、富士通理事 中野氏)

 白井氏は、「大学の講義を公開することにより、これまでより多くの学生、社会人が高いレベルの講義を受講し、知識や教養を得ることが期待できる」と語る。また、日本の大学全体に参加してもらいたいとし、「大学のよさをアピールするきっかけにも使ってほしい」と述べた。またこのプラットフォームを使って学びを提供することで、集まってくるデータを資産とし、今後の教育の方向性を見出すことも期待できると語った。

 また、中山氏は、これまでのドコモでの取り組みについて「モバイル端末を通じて音楽、ビデオなどのコンテンツを数多く提供してきた。教育に関しても同じで、語学やカルチャーなどのeラーニングを7年ほど前から取り入れてきた」という。生活をサポートするひとつに教育があり、デジタルやモバイルがどう役立つかという点に着目し、デジタルとリアルを融合したハイブリットな教育が一番よいと強調した。また、「通信事業者として、日本におけるMOOCの発展をさらに加速させることを目指し、プラットフォームを提供していきたい」(中山氏)とコメントした。

 東京大学大学院情報学環の山内氏は、反転学習の説明を行い、「MOOC」による東大レベルの講義を幅広い人が受講できるメリットをアピールした。

(川崎 絵美)