ニュース

WiMAX2+対応「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14」レビュー

WiMAX 2+/WiMAX/au LTEをサポート

 UQコミュニケーションズのモバイルルーター「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14」は、同社が10月31日から開始する新たなモバイルデータ通信サービス「WiMAX 2+」に対応した初の製品。WiMAX 2+や現行のWiMAXに加えてLTEも利用できる多彩な通信機能が特徴だ。WiMAX 2+のサービス詳細を踏まえつつ、HWD14の機能や使い勝手をレビューする。

Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14

下り最大110MbpsのWiMAX 2+は10月31日から東京環状7号線内側でスタート

 10月31日から開始する「WiMAX 2+」は、下り最大110Mbps、上り最大10Mbpsで通信できるモバイルデータ通信サービス。下り最大40Mbps、上り最大15.4Mbpsの現行WiMAXと比べると上り速度はやや遅くなるが、下り速度に関しては約3倍近い速度向上を実現している。

 名称はWiMAXを冠するものの、現行のWiMAXと直接的な互換性はなく、WiMAX 2+を利用するにはWiMAX 2+対応の機器が必要。また、エリアもWiMAXとは異なり、サービス開始当初は東京環状7号線の内側のみでWiMAX 2+を利用できる。エリアは順次拡大予定で、2013年度末には東名阪、2014年度末には全国へエリア展開する予定だ。

 料金体系もWiMAXとは異なる。月内のデータ使用量が無制限だったWiMAXに対し、WiMAX 2+では他社のLTE通信と同様上限が7GBまで(契約から2年間は無制限)となり、上限に達した場合は通信速度が下り128kbpsに制限される。直近3日間の通信量が1GBを超えた場合、ユーザーの現在地の混雑状況によっては速度制限の対象になることがある。

 エリアや通信制限などこれまでのWiMAXと比べると違いは多いものの、WiMAX 2+対応機器は基本的にWiMAXにも対応しているため、WiMAX 2+エリアでは超高速な通信を使いつつ、それ以外のエリアではWiMAXで通信でき、利便性はさほど変わらない。通信制限もサービス開始から25カ月間は適用されないため、従来と同様データ制限を気にせず使うことが可能だ。

【お詫びと訂正 2013/11/1 17:43】
 通信速度制限に関して、記事初出時、「1GBを終えると終日128kbpsに制限される」としておりましたが、正しくは通信の混雑状況に応じて制限されることがある、というものです。お詫びして訂正いたします。

WiMAX 2+、WiMAX、au LTE対応のモバイルルーター「HWD14」

 WiMAX 2+最初の対応機種であるファーウェイ製のモバイルルーター「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14」は、WiMAX 2+とWiMAXに加えてauの提供するLTEにも対応、3種類の通信方式が利用できる点が特徴だ。auのLTEは800MHz/1.5GHzと、auがプラチナバンドとして積極的に展開する800MHz帯を含む2つのバンドをサポートする。

 本体価格は25カ月間の利用が前提の「UQ Flat ツープラスおトク割」を契約することで実質価格2800円で購入できる。ただし、契約から12カ月目までの解約は1万9950円、24カ月目までの解約は1万4700円が解除料として必要になる。

 本体サイズは約62×100×15.5mm、重量は約140g。スマートフォンと比べて一回り程度小さいが厚みはスマートフォン2台ぶんほどの厚みがあるほか、本体サイズと比較して重量も重く、手に取るとずっしりとした重みを感じる。

本体

 本体前面にはタッチ操作が可能な2.4インチの液晶ディスプレイを搭載。右側面には電源ボタンとmicroSDカードスロット、左側面には充電とデータ通信用のMicro USBポートとSIMカードスロットを備える。SIMカードサイズはスマートフォンで多く採用されているmicroSIMで、本体にはauブランドのSIMカードが同梱されている。

右側面に電源ボタンとmicroSDカードスロット
左側面にmicro USBポートとSIMカードスロット
同梱のSIMカード
SIMカード装着イメージ
スリープはタッチ操作で解除
ホーム画面は各設定へのアイコンが用意されている
利用頻度の高い機能は「クイックメニュー」から選択できる
ホーム画面のアイコンはカスタマイズできる
パスワードによる本体ロックも可能

 充電は本体同梱のUSBケーブル経由で行うほか、無接点充電規格の「Qi」にも対応。別途Qi対応の充電機器を用意することで、本体を充電器に置くだけで充電することもできる。

同梱品。USBケーブルと電源アダプタ、USB給電用ケーブル
本体パッケージはUQのテーマカラーであるブルー基調

 端末との接続はIEEE 802.11b/g/n準拠の無線LANまたはUSBの2通りに対応。無線LAN経由の場合は最大10台までの無線LAN端末を接続できる。USB接続はWindows XP SP3/Vista/7/8およびMac OS 10.5以降に対応し、無線LANよりも高速な通信が可能だ。USB経由で接続する場合は専用ソフト「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ setting tool」が必要だが、このソフトはHWD14本体内に保存されているため、CD/DVDメディアやダウンロードなどは必要なく、PCとUSBで接続することでインストールできる。

USB接続すると自動で「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ setting tool」のインストーラーが立ち上がる

 本体の基本的な操作はタッチパネルから可能だが、SSIDの修正など詳細な設定はブラウザから「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ 設定ツール」へアクセスして行う。設定ツールは無線LANまたはUSBでHWD14に接続している状態で、「http://wi-fiwalker.home」とブラウザに入力、IDに「admin」、パスワードに本体背面のバーコード下4桁を入力することで利用できるようになる。

SSIDなどの詳細設定は設定ツールから行う

料金プランは最安3880円〜。1055円追加でau LTEも利用可能に

 「HWD14」で利用できる料金プランは、WiMAXとWiMAX 2+が利用できる「UQ Flatツープラス」が月額5455円。このプランに2年間の利用を条件とすることで月額料金が4405円となり、1050円安くなる。そのほか、HWD14と同時に新規契約することで最大25カ月間525円を割り引く「UQ Flatツープラスおトク割」を適用することで、月額3880円で利用できる。

 auのLTEを利用する場合は追加料金として月額1055円が必要。こちらは使わない月は課金されず、LTE通信を行った時のみ料金が発生する仕組み。また、日割りは対応しておらず、一度でも通信すると1055円が発生する。

 いずれの料金プランも本体のタッチパネルから切り替えが可能。クイックメニューの「通信設定モード」のうち、「ハイスピード」はWiMAXおよびWiMAX 2+が、「ハイスピードプラスエリア」はWiMAX 2+に加えてLTEが利用可能。このハイスピードプラスエリアに設定を切り替えて通信を行った時点で上記の1055円が課金されることになる。

通信モードは3種類

 3番目の設定である「ノーリミット」は、WiMAX 2+には接続せず、WiMAXのみで通信を行うモード。WiMAX 2+の月内7GB制限に対し、WiMAXは月内のデータ制限がないため「ノーリミット」で利用できるモードだが、サービス開始当初はWiMAX 2+でも7GB制限は適用されないため、通常は「ハイスピード」にしておけば問題は無いだろう。

 今回の試用時期はWiMAX 2+の商用サービス開始前であり、基地局の電波状況なども調整中の段階ではあるものの、WiMAX 2+の電波が確認できるエリアからCore i7(1.9GHz)、IEEE 802.11a/b/g/n準拠の無線LANを搭載したノートパソコン「Lavie G タイプZ」を利用し、HWD14とPCをUSB経由で接続した状態でスピード測定サイト「speed.rbbtoday.com」で計測したところ、いずれの箇所も安定して30Mbps近い通信が可能だった。

都内のWiMAX 2+エリアで利用したところ。表示が「WX2+」と表示される

 なお、UQによれば、CPUにCorei5 2.6GHzを搭載したThinkPad X230でUSB接続したところ、同じくspeed.rbbtoday.comで平均77Mbps近い速度も確認できたという。現在は電波のチューニング中ということで、本レビューで詳細な測定試験は行っていないが、エリア内であれば高速な通信が期待できそうだ。

実利用で10時間以上のロングバッテリー

 モバイルルーターで気になるのはバッテリーの持続時間。どれだけ高速で料金が安価でも、外出時にすぐバッテリーが切れてしまうのでは使いものにならない。最近ではスマートフォンをモバイルルーター代わりに利用できるテザリング機能も普及しているが、バッテリーの持ち時間で言えば専用機器であるモバイルルーターのほうが長時間、利用しやすい。バッテリーの持ちはモバイルルーターならではのメリットとも言える。

 HWD14のバッテリー駆動時間は、待受時間がWiMAX 2+接続時で約23時間、WiMAX接続時で約20時間、LTE接続時で約25時間といずれのモードでも20時間超の待受時間を実現。連続通信時間はWiMAX2+が約540分(約9時間)、WiMAXが約570分(約9時間半)、LTEが約550分(約9時間10分)と9時間以上の連続通信が可能になっている。

 スマートフォン1台をHWD14に無線LAN経由で接続し、5分に1回、Twitterを更新する設定で利用し続けたところ、公称の9時間を超えて13時間経過したところで電源がオフになった。実際の通信状態は人によって異なるものの、公称時間の駆動は十分に期待できそうだ。

 また、実際の利用時間はHWD14に搭載されている省電力機能を利用することで、さらに伸ばすことが可能だ。省電力機能は「クイックアクセスモード」「ECOモード」の2種類が用意されており、いずれもHWD14に無線LAN端末が接続されていない状態で一定時間が経過するとワイヤレス関連の機能を停止し、バッテリーを節約できる。

省電力モード

 クイックアクセスモードの場合はWiMAX/WiMAX 2+/LTEなどのWAN通信のみがオフになり、無線LAN端末でデータ通信を開始すると自動で通信を再開するためHWD14を触る必要がない。一方、ECOモードはWANに加えてWi-FiのLAN通信もオフにするため、通信を再開するためにはHWD14本体の電源ボタンを押すという作業が必要になるものの、クイックアクセスモード以上にバッテリーを節約することが可能だ。

 移動中もスマートフォンやタブレットなどで通信する場合はクイックアクセスモードにしておけば、HWD14は鞄に入れたまま必要な時だけ通信することでバッテリーを節約。パソコンなどの利用が中心であればECOモードで運用することで、パソコンを取り出して電源を入れている間にHWD14のボタンを押せばいい。こうした省電力機能を利用すれば、実用上は1日外出していても問題ないバッテリー駆動時間だと感じた。

モバイル端末への給電機能や公衆無線LAN対応など便利な機能も搭載

 省電力以外にもHWD14にはモバイルで便利な機能が多数搭載されている。その1つがUSB給電機能だ。同梱の「ファーウェイ給電用変換ケーブル01」を介し、USBケーブルでスマートフォンなどを充電できるモバイルバッテリーとしてHWDを利用できる。

付属のケーブルでモバイルバッテリー化

 給電は本体バッテリーを使い切ることがないよう、本体電池残量が20%または50%になった段階で停止することが可能。ちなみにHWD14のバッテリー容量は3000mAhだ。iPhoneであれば1回分は充電できそうだ。専用ケーブルを持ち歩く必要はあるものの、いざというときのバッテリーとして利用できるのはありがたい。

USB給電機能の設定画面

 WAN側通信にWiMAX/WiMAX 2+やLTEでなく自宅やオフィス、公衆無線LANを利用できるWi-Fiスポット機能も搭載。本体の設定画面から最大16カ所まで無線LANを設定できるほか、公衆無線LANはログインに必要なIDとパスワードをあらかじめ設定しておくことで、端末からのログインを省略することもできる。公衆無線LANは本体標準でau Wi-Fiに対応するほか、UQ Wi-FiとWi2の2サービスがプリセットされている。

自宅や公衆無線LANをWAN側通信として利用できる
公衆無線LANはUQ Wi-FiおよびWi2がプリセットされている
au Wi-Fiも本体機能として標準サポート

 本体のmicroSDカードスロットはUSB接続時にリムーバブルディスクとして利用できるほか、無線LAN経由で本体の「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ 設定ツール」にアクセス、ワイヤレスでアクセスすることも可能。さらにネットワークドライブとして設定することも可能になっており、最大5つまで共有ディレクトリのアクセス権限を設定できる。

microSDカードはUSBまたは無線LAN経由でアクセスできる

WiMAXとau LTEの併用が魅力。WiMAX 2+は今後に期待


 商用サービスを開始したWiMAX 2+対応ルーターとしては第1号機となるHWD14だが、前述の通りサービス開始当初は、東京環状7号線の内側とかなり限定したエリアとなり、実際の利用シーンではWiMAX 2+の恩恵を受けるユーザーは非常に限定されるだろう。

 むしろHWD14の魅力はWiMAX 2+に加えてWiMAXとLTEも利用できるという多彩な通信方式と、低廉な料金プランだろう。WiMAXのみであれば2年契約で3880円、LTEを利用したとしても4935円と5000円を切る価格で通信が利用できる。LTEに関してはauがエリアや速度で自信を見せる800MHz帯に対応しているため、WiMAX、WiMAX2+、au LTEを組み合わせることでより広いエリアをサポートできる。

 ただし、au LTEはあくまでWiMAXがつながらない場合の通信手段となっており、ユーザーが明示的に選択することはできない。WiMAXの通信速度が遅い場合でも、WiMAXの電波がある限りはWiMAXで接続されてしまうため、建物内や地下鉄などで困るシーンもあった。ここでハイスピードプラスエリアに切り替えればLTEで繋がることになるが、UQのサービスである以上、au LTEばかり使う状況では本末転倒になるため難しいところではあるものの、回線状態を判断し、より高速な回線に自動で切り替える、といった機能も期待したいところだ。

 今回試用したWiMAX 2+も商用サービス前のチューニング段階ではあるものの、エリア内であれば高速な通信が可能であり、今後は急速なエリア拡大が見込まれている。2013年末には東名阪がエリアとなるため、実利用できる場所も大きく伸びるだろう。サービス開始から25カ月以内はWiMAX 2+の通信制限も適用されないため、毎月の通信量を気にせず利用できるのもメリット。3方式による総合的なエリアカバー力やコストパフォーマンスの高さが魅力のモバイルルーターと言えるだろう。

(甲斐祐樹)