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Bluetooh 4.1、機器からクラウドに接続可能に

 Bluetooth SIGは、2013年12月に正式に発表予定という「Bluetooth 4.1」について、その概要を日本の記者向けに発表した。

 「Bluetooth 4.1」は、Bluetooth Smartなど省電力な機能を追加したBluetooth 4.0の進化版に位置づけられる。ハードウェアの変更は必須ではなく、例えばスマートフォンであれば、OSの更新でBluetooth 4.1に対応できるという。

 更新のポイントは3つで、使いやすさの向上、開発者にも革新をもたらす新たな機能、インターネットへの接続性の3つと紹介され、主に、Bluetooth 4.0でBluetooth Smartと呼ばれている省電力機能の拡張が中心になっている。6日に開催された説明会では、正式な策定前ということもあり、新機能の大枠が紹介された。

 使いやすさの向上という面では、「BluetoothとLTEの親和性は高い」として、「LTEとのシームレスな動作」を掲げるほか、「干渉の少ない再接続」「効率的なデータ転送」を実現する。

 ハブとしての機能が強化され、例えばスマートフォンなどと接続したBluetooth機器から、さらにほかの機器と連携できるような仕組みが用意されるという。ここでは「新しい接続方法」として、従来にはない使い方も提供できるとしており、開発者にとっても刺激的な内容になるようだ。

 さらに、IPv6に対応し、インターネットへの接続性が強化され、Bluetooth Smart対応の省電力な機器から、Bluetooth 4.1対応のルーターにBluetoothで接続し、直接インターネット/クラウドに接続できるようになるという。従来であれば、スマートフォンやアプリを介してインターネットに接続していたBluetooth機器や、その機器が扱うデータが、スマートフォンなどを介さずWebサービスにアップロードできるようになり、自動で稼働するセンサー、ビーコンなどの分野でも、より大規模に活用するといったことが可能になるという。

 この際、ゲートウェイとなるルーターはBluetooth 4.1対応の製品が必要で、ルーター用のプロファイルも検討されている。ルーターのメーカーには現在、採用や開発を働きかけているとのことだった。

 また、現行のBluetooth 4.0では、バージョン4.0系のチップとバージョン2.1+EDR系のチップの両方を搭載することで互換性を確保する一方で、この2つを同時に利用できないなどの制限があるが、こうした部分の改善も検討されているようだ。

3つのポイント
使いやすさの向上
開発者に向けた革新性の追求

Bluetooth Smartは2014年に30億台

Bluetooth SIG チーフマーケティングオフィサーのスーク・ジャワンダ氏

 11月6日には都内で記者向けに発表会が開催され、Bluetooth SIG チーフマーケティングオフィサーのスーク・ジャワンダ氏から、Bluetoothのこれまでの実績と予測、Bluetooth 4.1に関する概要が説明された。

 ジャワンダ氏は、米シスコシステムズの調査を引用し、従来のようなIT関連機器以外の、これまでインターネットに接続されていなかった機器がインターネットに接続しはじめているという分野において、関連する市場(Internet of Everything/IoE)は2023年までに14.4兆ドル(1420兆円)規模になると説明。そうした中で無線接続の規格として1998年に7社の加盟でスタートしたBluetoothは、2008年までに1万社、10億デバイスが出荷されており、2010年以降も大きな伸びを見せているという。

 また、「大きな挑戦だった」という、Bluetooth 4.0で実現した超省電力駆動が可能な規格は、機器をボタン電池で1年稼動させるといったレベルにまで達し、iOSをはじめ、Android 4.3、Windows 8.1、BlackBerry OS 10という主要なOS、モバイルOSもネイティブでサポートを実現している。

 スマートフォン市場の7割を占めるAndroidの端末には、ほぼBluetoothが搭載されているほか、ナイキ、アディダスなどのブランドも先端的な製品で採用するなど利用が拡大。一方で、クラウドファウンディングの米KickstarterやIndiegogoなどに登録しているスタートアップ企業でも採用は拡大し、実際に無線関連のプロジェクトでは84%がBluetoothを利用しているという。

 ジャワンダ氏は、これらのことから、大企業からスタートアップ企業まで幅広く利用され、「革新が広がっている」とアピール。Bluetooth Smart関連製品は、すでに25億デバイスが出荷され、2014年には30億デバイスになる見込み。Bluetooth SIGに加盟する企業は全世界で2万社を超えており、毎月230社のペースで増えているとした。

 説明会ではこのほか、東芝の担当者がBluetoothのヘルスケア分野の取り組みについて語ったほか、カシオ計算機、オムロン、ソニー、Cerevoの担当者がそれぞれ、Bluetooth対応製品の紹介や取り組みを解説した。この中でCerevoからは、USBキーボードをスマートフォンに接続できるようにするBluetoothアダプターが新製品として案内された。

東芝の担当者が示したBluetoothの方向性
AV関連の策定を終えた東芝はヘルスケア分野に注力しているところ
カシオのBluetooth 4.0対応腕時計の取り組み
最新モデルでは音楽の操作にも対応
アプリの進化。Bluetooth腕時計についてAndroid 4.3に対応したアプリも順次提供していくという
オムロンのねむり時間計
オムロンの歩行姿勢計と組み合わせるアプリ
オムロンのアプリでは睡眠と歩数などを統合して管理できる
姿勢を正しくするためのエクササイズも
ソニーはBluetoothでスマートフォンと接続するFeliCaリーダーライターを紹介
パソリユーティリティとしてアプリも提供
業務向けでもBluetooth接続のリーダーライターは利用可能
店舗の中でも活用できる
Cerevoの「SmartTrigger」はBluetooth Smart対応のシャッターを操作する機器
Cerevoの「EneBRICK」はUSBをキーボードをBluetoothでスマートフォンに接続できる機器で、モバイルバッテリーも内蔵している

会場での展示

Mipowの「PLAYBULB」は、電球のソケットに装着するLED電球。スピーカーを内蔵しており、Bluetooth Smart経由で音楽を再生できるほか、アプリで電球のオン・オフも可能
A4WPはWiPowerのデモ。Bluetooth Smartにより端末と通信を行った上で充電を行う仕組みを取り入れている。位置合わせが不要で、複数台の同時充電にも対応。木製の机なら写真のように裏側に取り付けるだけでも対応できる
オムロンのBluetooth対応製品
置き忘れ防止グッズなど小型の製品が拡大している
タッチセンサーを利用したBluetoothキーボード
Cerevoの「EneBRICK」。Bluetooth 2.1+EDRを使用。バッテリーとしても使える。年内に発売予定
こちらはCerevoの「SmartTrigger」。スマートフォンがデジカメのリモートシャッターになる

(太田 亮三)