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ドコモ、研究開発をお披露目「R&D Open House」を開催

アドホック通信による「まちあわせアプリ」など

研究開発が行われている「ドコモR&Dセンター」

 NTTドコモは、神奈川県横須賀市にある同社の研究開発拠点「ドコモR&Dセンター」において、次世代通信技術の開発やNTT関連研究所での研究成果などを公開する「R&D Open House」を開催した。ウェアラブル、ネットワーク仮想化、5Gなど、ドコモの取り組みについて、展示およびデモンストレーションが行われた。また、21日に発表されたドコモが開発中の近距離通信「アドホックモード」や、マルチバンド対応の屋内基地局装置についても説明があった。

近距離通信「アドホックモード」

 ドコモは、携帯電話ネットワークを介さずに、Androidスマートフォン同士での通信が可能な新たなコミュニケーション手段「アドホックモード」を開発し、イベントや災害時などに活用できる新たなサービス実現に向け、検証を行っているという。

 この技術はNTTコムウェアが開発した近距離通信技術で、端末に搭載されているBluetoothを使って通信する。大勢の人が集まるイベント会場で情報交換したり、災害時など携帯通信網が機能しない状況での一斉情報伝達など、新たなコミュニケーション手段としての活用が期待される。

 ドコモでは、この技術を用いたサービスとして「まちあわせアプリ」を開発し、会場内で披露された。同アプリは、待ち合わせする人同士で共通の合言葉を決めておき、アプリ内で入力すると、相手が近づいたタイミングでフラッシュやバイブレーターが作動し、電話回線を介さずに通知が届くというもの。

 災害時には安否情報などを共有するなど、発展性のあるサービスとして、現在開発を進めている。

電話回線網ではカバーできない通信ニーズが多くあることを受け止め
近距離通信のアドホックネットワークを提案
実現可能な規格としてBluetoothを用いる
NTTコムウェア社がSDKを提供し、ドコモはサービスを提供するビジネスモデルとなる
開発中の「まちあわせアプリ」、将来的に災害時に使えるサービスを提供することが目的
展示会場での、実機を使った「まちあわせアプリ」のデモンストレーション

マルチバンド対応の、新しい屋内基地局装置と屋内アンテナ

 ドコモは、同社の高速通信LTEサービス「Xi」を含むマルチバンド対応の屋内基地局装置および屋内アンテナを新たに開発した。

 既に対応している2GHz帯に加え、新たに1.7GHz帯と1.5GHz帯の周波数帯に対応する。これにより屋内エリアでの通信容量を大幅に増やし、受信時最大150Mbpsの高速通信にも対応できるようになる。

 マルチバンドでありながらも、屋内であることから小型化が求められる。今回発表された基地局装置とアンテナは、これまでと同等サイズのもので、3つの周波数帯の対応を実現した。新たな設置場所を用意することなく、既に設置済の屋内アンテナと置き換えるだけとなる。

 さらに、W-CDMA方式とLTE方式に加え、LTE-Advanced方式における広帯域化技術「キャリアアグリケーション」にも対応するため、将来的にはLTE-Advancedのサービスに必要な装置と組み合わせることも可能になるという。

 同装置およびアンテナは、全国の屋内エリアにて11月21日より順次設置されていく。

ROF装置を用いている
装置の概要、無線信号を光ファイバで伝送する
3つの帯域に対応し、最大128の子機と接続が可能になる
伝送速度を上げるしくみ
基地局装置の外観
アンテナはマルチバンドでありながら、大きさはさほど変わらない
従来のものと置き換えが可能
マルチバンドROF装置の親機
集約機器の実機、一般的なBDレコーダーくらいのサイズ感
マルチバンドROF装置の子機
接続部は従来のものと同じ

LTE-Advancedで1Gbps以上を実現する「Smart Vertical MIMO」の伝送実験

 同研究所では、次世代通信5G「LTE-Advanced」の標準化に向けて研究開発を行っている。敷地内の駐車場を1セルとし移動局を積んだ自動車2台に向けて、研究所の屋上に設置されたアンテナから電波を飛ばす屋外伝送実験のデモンストレーションを行った。同社では、相模原市街地においても同実験を実施している。

屋上に設置されているアンテナ、左から2本目のアンテナが4本相当の1.2Gbpsを実現する
移動局を積んだ自動車を2台用意し、敷地内を走らせスループットを測る
伝送速度がLTEの10倍となるLTE-Advanced
アンテナ1本で4本相当になる「Smart Vertical MIMO」
同時に2ユーザーに向けて同じ周波数で伝送できる技術
移動車の電波強度をリアルタイムで見える化したもの。アンテナからの距離よりも角度に応じて強度が変わる

シニア向けスマートTVなど、デモンストレーションの様子

離れて暮らす孫に絵本の読み聞かせなどができる「シニア向けスマートTV」の展示
SNSを用いたネットワーク状況を把握する技術。通信事業者として通信トラブルと発生地を早期発見しユーザビリティを向上するねらい
「繋がらない」「重い」「落ちた」などの通信に関するネガティブなキーワードをつぶやきから抽出し、状況把握に役立てる
AR技術を用いて、テレビの映像をタブレットでかざすと映像に埋め込まれた補足情報を表示する技術のデモンストレーション

(川崎 絵美)