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富士フイルム、スマホとWi-Fi接続で印刷「スマホ de チェキ」

 富士フイルムは、スマートフォンとWi-Fiで接続し、名刺サイズのインスタントカラーフィルムに写真を印刷できるプリンター「スマホ de チェキ instax SHARE SP-1」を2月15日に発売する。価格はオープン価格で、店頭予想価格は1万9800円。インクは不要。従来から販売されているチェキ専用のインスタントカラーフィルム「instax mini」は1パック10枚入りで770円。

「スマホ de チェキ instax SHARE SP-1」

 今回発売される「スマホ de チェキ instax SHARE SP-1」は、カメラを搭載せず、Wi-Fiでスマートフォンとつながる“チェキ”プリンター。同シリーズは日本では“チェキ”、グローバルでは“instax”シリーズとして展開されている。CR2型の電池2本で約100枚まで印刷でき、焼き増し専用のボタンも備えている。1枚の印刷にかかる時間は約16秒で、経過が分かるLEDを備えている。大きさは約101.6×42×122.5mmで、重さは約253g(電池・フィルム除く)。電源は別売のACアダプターにも対応する。

 スマートフォンには専用アプリをインストールして利用する。アプリは無料でiOS、Android版が用意される。アプリでは、テンプレートの利用や色調補正、メッセージの入力、ましかくプリントなどのほか、撮影時の時間や場所などの情報を同時に印刷でき、複数枚のプリントができない「リアルタイムテンプレート」や、5枚限定、10枚限定などといったように通し番号を付けられる「リミテッドテンプレート」、FacebookやInstagramに写真を投稿した際のメッセージやアカウントのプロフィール画像、「いいね!」の数とともに投稿した写真を印刷できる「SNSテンプレート」など、さまざまなテンプレートが用意されている。

 アプリのアップデートにより内容は拡充されていく予定で、季節のテンプレートのほか、逆光や露出アンダーの写真を自動補正する機能などが搭載される。

 このほか、「スマホ de チェキ」本体をデコレーションできるシールや、キャリングケースなどの販売も予定されている。

“チェキ”シリーズは目標を上方修正、アプリで機能強化も

富士フイルム イメージング事業部長の山元正人氏

 15日には記者向けに製品発表会が開催された。登壇した富士フイルム イメージング事業部長の山元正人氏は、従来型の“チェキ”の「instax mini 8」が若い女性に人気とし、続けて発売したクラシックカメラテイストで二重露光などこだわりの機能も搭載した「instax mini 90 NEO CLASSIC」が男性にも好調であるとし、「性別、世代を超えて使われるようになった」とアピール。具体的なユーザー層を示すとともに、中国や韓国など東アジアでも人気を得るなどグローバル展開が加速している様子や、日本国内でも家電量販店のみならず雑貨店やコンビニにも販売経路が拡大し、「2010年以降、年率30%の伸び。2013年度は目標の200万台に到達できる見込みで、上方修正し220万台が目標」と、好調ぶりを具体的な数字でも示した。

 新製品の「スマホ de チェキ instax SHARE SP-1」については、山元氏は「いつでもどこでもすぐにプリントでき、やわらかな仕上がりにスマホの利便性を融合させた、富士フイルムだからこそ実現できる製品。リアルなプリントで交換する・残すといったことを楽しめる。スマホユーザーのプリント需要のさらなる拡大をしていきたい」と意気込みを語った。

 山元氏からはまた、2月上旬に、原宿にコンセプトショップをオープンする予定も明らかにされた。詳細は今後案内されるとのことだが、「スマホ時代のニューコンセプトショップ」とされ、今回発表の「スマホ de チェキ」も取り扱われるという。

 富士フイルム イメージング事業部 統括マネージャーの中村祥敬氏からは、新製品の特徴が解説された。中村氏は、グローバル市場でのスマートフォンの普及台数の拡大にあわせて、プリントへの需要も大きな市場規模になると予測。また同社の年賀状のネット注文の3割がスマートフォンからの注文になるなど、実際の動向や、従来の型の「チェキ」ユーザーの声を反映させたものとして「スマホ de チェキ instax SHARE SP-1」を開発したことを紹介。アプリでテンプレートをさまざまに変更できる点や、SNSとの連携などをアピールした。

 今後はアプリの更新による機能強化のほか、「スマホ de チェキ instax SHARE SP-1」に対応するデコレーションシール、キャリングケース、巾着、樹脂ケースなど専用アクセサリーを充実させる方針で、雑誌広告や店頭などでの体験イベントなども計画されている。

佐々木希、TKOの2人が新製品を紹介

佐々木希

 発表会ではこの後、イメージキャラクターを務めるモデルの佐々木希がステージに登場。さらにお笑いコンビ「TKO」の木本武宏、木下隆行の2人も登場し、“家電芸人”の木本が新製品の魅力をプレゼンするステージに。プレゼンには対抗馬として木下も参加し、佐々木希とのツーショット写真を賭けたプレゼンバトルが行われた。

 木本は2つの特徴を厳選し、「リアルタイムテンプレート」と「SNSテンプレート」の魅力を紹介。あえて的を絞った紹介で特徴を印象づけた。一方の木下は、「リアルタイムテンプレート」を利用し、複数枚のプリントができないタイムスタンプ付きの写真で“鶴瓶師匠のものまね”の顔写真を披露。ほとんど代わり映えのしない2枚の写真を比較し、「時間は違うが、安定して鶴瓶師匠のものまねができる」とアピール。さらに「SNSテンプレート」では、“おやゆび”の写真が1万2000もの「いいね!」を集めていると紹介して、「顔芸を自慢したいだけや!」と木本からツッコミを入れられる場面も。

 しかし佐々木希が勝者に挙げたのは、「おやゆびが可愛いかったです」という理由で木下に。木下はツーショット写真の際に「明日、42歳の誕生日なんです」と切り出し、ツーショット写真は強引に木下への誕生日プレゼントということに。敗者の木本は撮影担当となり、スマートフォンのアプリを使って撮影、印刷するまでの流れを紹介していた。

太田 亮三