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NTTと東レが生体情報計測機能つき新素材“hitoe”を共同開発

ドコモ・ヘルスケアで新サービスへ

 東レとNTTは、着るだけで生体情報の継続測定を可能にする機能素材「hitoe」を開発、実用化したと発表した。NTTドコモは、「hitoe」などのウェアラブル製品を活用し、オムロンが共同開発したドコモ・ヘルスケアの健康管理プラットフォーム「WM(わたしムーヴ)」と連携させることで、2014年中のサービス化を目指す。

「hitoe」を使用した生体情報計測用ウェアの展示

 今回開発した機能素材「hitoe」は、最先端繊維素材であるナノファイバー生地に、高導電性樹脂を特殊なコーティング加工技術で施すことにより、生体信号を検出できる生地素材として実現した。この生地を採用した衣類を着用すると、心拍数や心電派形を計測できる。耐久性に優れ、肌へのフィット感や通気性も兼ね備えているため、生体情報測定用ウェアとして商品化に向けた取り組みを行っている。

 「hitoe」には、human(人間)、intelligence(情報・知能)、to(〜のほうへ)、expand(拡張する)の頭文字から成ることや、一枚の布、単衣(ひとえ)の無限の可能性という意味が込められているそうだ。

 都内で開催された、報道関係者向け発表会では、新素材「hitoe」を使った衣類のサンプルが展示された。シャツだけではなく、マフラーや帽子などにも「hitoe」を採用し、生体情報が計測できるようになるという。

 登壇した東レ テキスタイル・機能資材開発センター所長の桑原厚司氏は、東レの専門技術による最先端繊維素材を開発したことを説明した。「細かいナノファイバーを採用し、繊維の中に導電性の高分子を織り込むことで、やわらかな質感と洗濯をしても導伝性が失われない耐久性を実現した」という。耐久性の目安は、ネットに入れて洗濯を30回、手洗いで50回〜60回は性能が維持されるとのこと。

 また、NTT先端技術総合研究所・所長の村瀬淳氏は、設計技術について説明した。安定した心電波形を得るためには、保湿性がありつつも汗などによる短絡を防ぐ配線設計、効率的に低ノイズで信号を検出するインターフェイスなどが課題として挙げられたという。また「機器の装着による違和感が無いこと、洗濯などのメンテナンスが容易な点にも重視し、ウェアに着脱可能な小型の装置を開発した」と話す。

 NTTドコモではウェルネス分野に力を入れてきたと話す、NTTドコモ執行役員 ライフサポートビジネス推進部長 中山俊樹氏は、「これまでドコモ・ヘルスケアなど、スマートフォンと連携して健康を見守るようなサービスを開発してきた。これからはhitoeを活用して、ランニング・サイクリング・登山などのスポーツ分野、健康管理をサポートするウェルネス分野に向けたサービスを拡充していきたい」とコメントした。

 東レとNTTは、「hitoe」の素材をBtoC、BtoBで提供し、スマートフォン連携やWMのプラットフォーム活用におけるサービスはNTTドコモと行う。各社とも、具体的な製品化、サービスについては現在明らかにしていないが、フィットネスクラブ事業者やスポーツウェアメーカー、介護などの医療分野と共同企画を検討しているとしている。

(川崎 絵美)